59話
武司の切断された頭と体を見て悲鳴をあげるサリナとルーノ。ついにこの「作者の手によって異世界へ飛ばされました(涙)」も主人公の敗北(死)によって終焉を迎えるのだろうか。いや、こんなラストシーンが許されるのか謎だ。武司が戦死して終わるなんて後味凄く悪そう。
『地下二階の支配者はアサシンだったんですね。まさに先手必勝。まだこの作品は書くので……』
タケノコが言葉を発すると武司の白目をむいた生首が真っ赤な床をびちゃびちゃいわせながら転がり動き始めた。しかもひとりでにだ。誰も触れていない頭部が動くのは大変不気味なものだった。サリナとルーノとアサシンは驚き絶句している。武司の頭はプロゴルファーがパターでカップインを狙うように正確に武司の体の先にある首に向かって進み接近し首同士が繋がった。すると武司の体が急に震え出した。死出の旅に出発しただろうはずの武司の体がのたまうことは生者を戦慄させた。一つ目のアサシンは目を限界まで見開き武司を見つめ禿げ頭から暑くもないのに玉のような汗を滴らせた。その際も武器を身構え次に何か起きるのではと想像しているらしく油断は一片も無い。サリナとルーノはお互いに身を寄せ合い武司を凝視している。