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54話

 松明や壁にかけられたランタンによって照らされた地下一階。石造りのその部屋で武司は両膝を地面につき痛みに呻いていた。致命傷ではないが深手には違いなかった。左手で腹をさすると大量の血液が付着して度胆をぬいた。


「ぼうず負けを認めるか?」


 リットは余裕しゃくしゃくといった口調で尋ねた。勝利を確信している様子だ。ここからの逆転劇は不可能だろうと。リットは武司を見つめながら槍を振り回し素振りをしている。まだ戦い足りないのだろうかそれとも体力が有り余っているのか。武司は苦々しい表情で


「クッ! いてーなくそ! タケノコ頼む」


『はいはい、任せてください』


 タケノコが答えると武司の傷はみるみる塞がっていき止血され全快した。ちなみに衣服に付着していた血もどこかに消えて無くなっていて服も破れていない。武司は立ち上がり


「タケノコ、ありがと! リット、さあもう一度勝負だ!」


 武司の元気ぶりに素振りを止めリットは怪訝な顔をして


「ああ? 痛くないのか? 棄権も出来るんだぞ」


 武司はシャツをめくって腹を見せた。赤い血液の一滴すら見つけられない。傷も元からなかったかのように無傷だ。武司は服を下ろした。

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