4話
「ううっ」
武司は体の上の重みに目を覚ました。朝日が一つしかない宿屋の個室の窓から差し込んでいる。するとベットで寝ている武司の体に跨がった前日の昼間の茶色い怪物が居た。怪物は今朝もピンク色の下着を身につけている。
「あなた武司って言うんでしょ。宿屋のおじさんに聞いたわよ。私あなたの事が気に入っちゃたの。私と結婚してー」と怪物。
体を傾かせ武司の唇に寄ってくる怪物の突き出された口。怪物の口臭はきつい悪臭がした。武司の貞操やいかに。
「作者! 助けろ! いかにとか言ってる場合か!」
武司は怪物を必死に押しのける。すると武司が怪物を白く清潔感があるベットに押し倒す形となった。怪物は目を細め頬を赤らめながら
「いやん。だ・い・た・ん!」
武司は青ざめたが身を翻し剣と金貨が入った小さな赤い袋を持つと遁走した。旅籠屋の階段を駆け降り扉を押し開け外に出る。ちょっと肌寒い風が武司の肌を撫でる。まだ朝早いためか外に居る人は疎らだ。武司は村を出て草原を走る。生えている草は夜露で若干濡れていた。武司は怪物が追って来ないか後方を確認した。
「作者! 俺は次はどうしたらいいんだ? というか元の世界へ帰してくれよ。お願いだからさ。それにあんたの名前は何?」
『そうですね、次はさらに西へ向かってノース国という大国に行ってください。何かエピソードが起こるかもしれないので。まだ元の世界へは帰せません。僕の名前はタケノコですよ』