33話
「いかがでしょうか皆様。気に入ってくださった方は挙手をお願いします。では金貨千枚からスタート」
との司会者の掛け声に客席からは頻繁に腕が上がった。お客さん達は場の雰囲気にのまれているようだ。熱気が武司達にも伝わってきた。
「金貨二千枚!」
「金貨三千百枚!」
「金貨四千二百一枚!」
「金貨七千枚!」
お客様達が声を荒げ言葉を発する。流石伝説の名を冠する剣だけのことはある。しかしこの剣の所持者達が一人ももれることなく数奇な人生を歩んだことはあまり知られていない。どんどんつりあがっていく金額。さくらが混じっているのかもしれない。お客達は次々に手を挙げ金額を口にしていく。そんな時会場のお客が座る席の最後部に一つだけある扉が開き数十人の人が入って来て虐殺を始めた。一人の侵入者の男が指を前に伸ばすと指から小さな丸い空気の玉が無数に発射された。その玉は客や椅子を貫いていく。
「キャーーぐえ!」
「グ、グワー!」
「いだい! ぐは!」
「ギャー! 血が血が……うげえ!」
圧縮した密度の高い空気の玉を指先から噴射していた男は
「俺らはサンリーマ盗賊団! 野郎供! この場に居る邪魔者を殺して魔剣を奪えー!」