29話
『こっちの番です』
武司達はカイザーに攻撃をしかけた。サリナはバルハートを一閃させ、ルーノは小刀でバツの字に切り、武司は逆袈裟切りで攻め立てた。しかしカイザーは最小限度の動きで全てかわした。
「これが無牙だよ。相手の動きが手に取るようによめる」
圧倒的な実力差を武司達は痛感した。このまま戦っても万が一にも勝利を収めることはできないだろうと。武司は額からは冷や汗を垂らしながら良策はないか模索するもアイデアは浮かばない。
『ならこうです!』
カイザーは武司の放った横切りで胸当てごと胸を裂かれ絶命した。
「何ですか? それには無理があるんじゃないですか?」
カイザーは無傷でぴんぴんしている。カイザーはレイピアを振り髪を掻き分けた。
『作者の神の手が通じないなんて……』
「ハハハ、卑怯な作戦は無――」
その時カイザーの首が両断され赤い血と頭が飛んだ。カイザーの目は見開かれ自分の命を奪った原因を眼中に入れた。それは背中までの銀の長髪をゴムで結った男だった。肌は真っ白だ。その男は金属製の胸当てを着けているだけで武器らしき物は携帯していない。カイザーを魔法でしとめたのだろうか。