22話
「殺す気か!? いい加減にしろ馬鹿作者め!」
地上の草原がくっきり見え始めた。残り五百メートル。
『そんな事言うんだったらこのままにしちゃおうかなー』
草原の草が風で揺れるのが視認できる距離まで来た。残り二百メートル。
「ゴメン、ウソウソ。だから助けてくれよ!」
「本当に死んじゃうよ」とルーノ。
「あはん、笑えないわね」
地面まで数メートル――そこでカッと閃光が光ったかと思うとそこはノース国の宿屋の部屋だった。武司達は床に座っていた。
『どうでした? 緊張感でてたでしょう?』
「でてたけど色々間違ってると思う」と憤っている武司。
「あはん、でも落下するの気持ち良かったわよ」
「あ、私も」
サリナとルーノは上空の空気抵抗でボサボサになった髪をくしでといている。武司は顔色が悪く気分も悪そうだ。空からダイブするのがよっぽどこたえたのだろう。武司は真っ白な清潔感溢れるベットに腰掛けた。武司達が居なかった間に部屋は掃除されていたようで綺麗だった。タケノコは弾んだ声で話始めた。
『次目を開いたら……どうしようかなー?』
姿は見えないがタケノコの表情はニヤついていそうだ。
「こら! こんな恐いのは二度とごめんだぜ」
『はいはい、自重します』