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20話
「毒とかはないんだよな?」
『はい、無害です』
「ズズー」と黄金の液体を飲み込む武司は目を見開き
「甘い! しかも美味!」
「あはん、そんなに美味しいの?」
サリナが右手でコチョをすくい飲んでいるとルーノの悲鳴が聞こえた。ルーノの方を向く二人。そこにはルーノとルーノの首に尖った石を突き付ける二人の黒人が居た。彼らは腰に獣の皮をまいて顔に白い粉で不思議な紋様を描いている。二人とも男だ。その黒人達は何か喚いている。
『原住民ですね。……ふむふむ……神聖な泉の水を勝手に飲みやがってだそうです』
二人の原住民はタケノコの声の発生源を探し顔をあちこちに向けた。
「ツルマケタ……カメカッタ?」
と言う原住民の声にタケノコは答えた。
『カメクッタ、カメクッタ』
「なんて言ってるんだタケノコ」と武司。
『どうやら僕を神様だと思ってくれたみたいですね』
「ルーノを助けてやってくれよ」
『もちろんです。カルボナーラマイウー』
タケノコの姿無き声を聞くと黒人二人はルーノを解放し武器を手放しひざまづいて土下座して
「バクニュウ、デパフパフ」とタケノコを崇拝した。