16話
武司達は初めてのハンターの仕事に出向いていた。場所はノース国の西にあるメイプ森だ。
「草木が邪魔だなー、タケノコ、作者なんだから何とかしてよ」
武司を先頭に整った容姿のサリナとルーノが続く。武司は生い茂った草を踏み分け、木の根に躓かないようにしながら節くれだった木々の間をぬうように進んでいく。
『頑張って森を進んでください。その程度は我慢してください』
一陣の風が吹き木々の樹冠が揺れた。木の葉が舞い落ち小さな鳥達が梢から空へと飛び立った。
「あはん、今日は暑いわねー」とグラマーなサリナは呟いた。
急にメイプ森の中の温度が下がって涼しくなった。
『あ、気温を五度下げましたよ。いかがですか?』
「あはん、あら涼しくなったわ。ありがとう作者さん」
「おい! こら! タケノコ、人によって態度が違わないか!?」と武司。
『……』
「え、無視かよ!」
『あ、ほら今回の目的のモンスターが見えてきましたよ』
武司達は木々の間隔が広い場所にやってきた。地面には直径三十センチメートルぐらいの赤い実が幾つも落ちていた。その実はモンスターで口がありギザギザの尖った歯が生えている。そのモンスターは武司達を見ると襲い掛かってきた。