11話
大きな瞳に高い鼻、美しい輪郭のルーノが小刀を抜剣しジャイアントアーンに切り掛かる。片方の目を切られ血を流し怒髪天をつくジャイアントアーン。モンスターはテキパキした動きでルーノを押し倒し馬乗りになった。そしてルーノの首に狙いを定め噛み付こうと口を開いたところで武司が剣をジャイアントアーンの胸に深々と突き刺した。
「どうだ! でかいアリめ!」
青い血をだくだくと流しながら苦しそうに沈痛な鳴き声をあげるジャイアントアーン。その後ジャイアントアーンは後退りルーノから離れて地面に突っ伏した。土煙りが舞った。そしてピクピクと体を痙攣させやがて動かなくなった。
「大丈夫かルーノ?」
そう言いながら武司は横になっているルーノに左手を差し出した。ルーノはその手を掴むと起き上がった。
「ありがとう武司。助かったわ。お礼に私の胸を五分間揉んでいいわよ」
「え!?」
武司はそう言われ赤面しながら恐る恐るルーノの標準サイズの乳房に両手を伸ばそうとした。
「嘘よ。エッチね」とルーノは意地悪く笑った。
それからも何体か魔物を倒しつつ徒歩で進んだ。すると西にノース国の城門が見えてきた。人々が審査されながら出入れしている。城門は四角い石を積んで造られ見上げる程高かった。