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1話
山崎武司、十八歳は明日のデートプランを想像しながら早めにベットに入って就寝した。武司の頭の中は切れ長な目の美少女沙織とのデートで一杯だった。
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太陽がサンサンと照り付けている広大な草原、そこで武司は覚醒した。武司は
「はあ!? ここ何処よ?」
『異世界さ。フフン』
「あんた何処にいるの? 異世界? なんでさ? あんた誰よ?」
武司は髪を振り乱し動揺した。言葉が早口になっている。
『僕はこの小説の作者さ。僕は君の側にいるよ。君を異世界に連れ込んだのは『小説家にな○るかな』で異世界作品が人気だからだよ』
作者の喋り方は抑揚があってハキハキしていて聞き取りやすい。武司は少し混乱した表情をしていた。
「『小説家○なれるかな』って小説の投稿ができるサイトのことだよね? じゃあ、俺は小説の中の主人公ってことか?」
『そうだよ。さあ何か面白いことしてよ』
「面白い事って何だよ。作者が考えろよ!」
『僕は才能無いからねー。じゃあとりあえず西に行ってよ。チース村があるからさ』
「西ね……どっち? それと異世界ものといえばチートだよね。何か能力くれよ」