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決戦



空は暗く、異常な磁力の波動が辺りを包み込んでいた。リオとサラは、最終決戦の舞台である磁力の源へと迫っていた。星の中心にある巨大な施設、そこが磁力を引き起こす根源だという。


「リオ、気をつけろ。あの場所には、まだ私たちの知らない敵が潜んでいる。」サラは警戒を強め、リオに言った。


リオはうなずき、サラの後に続く。金属の地面はひび割れ、空間そのものが歪みを感じさせる。周囲の物体が不安定に揺れ、引力が強くなるたびに、体に圧迫感が襲ってくる。


「待っていろ、リオ。」サラが足を止め、空間を慎重に観察する。「あれが、この星の磁力の源だ。」


施設の中央に巨大な装置が浮かび上がっていた。その装置から放たれる波動は、目に見えない力で空間を震わせ、周囲の金属を引き寄せている。リオはその波動を感じ取り、深く息を吸った。


「このままだと、全てが崩れる。早く止めないと!」リオはサラの方を見て叫んだ。


その瞬間、装置の中央から黒い影が現れた。それは、かつてリオが見たことがある異形の存在、磁力を操る敵、ゼクストだった。


「やっと来たか、リオ。君はここまで来ることができると思っていたが、私の力を前にして無駄だ。」ゼクストは冷笑を浮かべて言った。「この星の磁場は私が操る。君たちはただの小さな存在にすぎない。」


リオは敵の言葉に動揺せず、冷静に向き直った。「違う。僕たちは、君のような力に支配されるためにここに来たわけじゃない。」


「フッ、よくもそんなことが言えるものだ。」ゼクストは両手を広げ、空間に圧倒的な磁力を集め始めた。周囲の金属や岩が浮かび上がり、リオに向かって突進してくる。


サラは素早くリオの前に立ちはだかり、手をかざして防御壁を作った。「気をつけて、リオ!ゼクストの磁力は異常だ!」


リオはサラの背後から前に出て、気を引き締めた。「僕は、君に負けない!」


リオの体内で、何かが目覚める。過去の訓練、苦しみ、そして仲間たちとの絆が一気に湧き上がる。手にしたビームサーベルが強く光を放ち、その光は、リオの心の中の力を象徴していた。


「僕は…宇宙の真実を知りたい!君の支配なんて、絶対に許さない!」


リオはサーベルを握りしめ、空間に突進した。ゼクストの磁力が弾け、周囲の金属がリオに向かって襲いかかる。しかし、リオのビームサーベルがそれらを切り裂き、次々と敵の力を打ち破っていった。


ゼクストは驚いた様子で目を見開き、磁力の流れをより強く、より不規則に操り始めた。「どうだ!この力を受けてみろ!」


だが、リオは怯まなかった。彼の中で何かが変わり、精神が集中し、ビームサーベルの輝きが一層強くなった。リオの力は、単なる物理的な力ではない。彼は、宇宙の流れと一体となり、磁力すらも操る力を手に入れたのだ。


「これが、僕の力だ!」リオは声を上げ、サーベルを一閃した。


その瞬間、ゼクストの磁力は崩れ、装置の周囲に引き寄せられていた金属が爆発的に弾け飛び、装置自体が崩壊を始めた。


「な…!」ゼクストは不安げに後退し、力を失っていく。


「もうお前の好きにはさせない!」リオは最後の一撃を放ち、ゼクストの磁力の源を完全に破壊した。瞬間、星の空間が安定し、磁力の異常が収束していった。


「やったのか…?」サラは目を見開きながら、リオを見つめた。


リオは深く息をつき、力を抜いた。周囲の空間が安定し、磁力の波動が静まっていく。彼は肩を震わせながら答えた。「うん、終わったよ。だけど、まだこの星の人たちを助けなきゃ。」


サラは微笑んだ。「君は、もう立派な英雄だ。」


リオは、静かに星の広がりを見つめた。物語の終わりではなく、これからの始まりを感じ取った。


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