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磁力の異常発生


訓練を終えて、リオは疲れた体を引きずるようにして訓練場を歩いていた。星の空気は少しずつ薄れ、次第に冷たさが増していく。サラと一緒に休憩を取るため、テントに戻ろうとしたその時、突然、地面が震えた。


「何だ!?」リオは足元が揺れるのを感じ、立ち止まった。


サラもその振動に気づき、顔を険しくした。「これは…おかしい。」


その時、空気が金属的な音を立てて振動を始め、周囲の金属物がかすかに光り始めた。訓練場にある磁力を引き寄せる装置が激しく反応し、機器が暴走しそうな勢いで振動を発し始めた。


「こんなはずじゃ…」サラは機器を確認しながら呟いた。「磁場の異常だ。こんな大規模な異常、今までなかったはずだ。」


リオは不安げに周囲を見回しながら、サラに聞いた。「異常って、どういうことだ?」


サラは真剣な表情で答えた。「磁力が急激に乱れている。この星の磁場は強力だから、もしこの乱れが続けば、全ての機器が暴走するだけじゃなく、星自体が不安定になる可能性がある。」


「そんな…それじゃあ、ここに住む人たちや、僕たちも危険じゃないか?」


サラは頷いた。「そうだ。磁力が異常に強くなれば、重力の歪みも発生するし、さらに異常な引力が働くことになる。気をつけなければならない。」


その時、リオの耳に、遠くから爆発音が聞こえた。空気が震え、激しい音を立てて大地が揺れた。


「爆発…?」リオは目を見開き、サラの顔を見た。


「異常な磁力が集中している場所に何か大きな爆発が起きた可能性がある。」サラの声は冷静だが、その目には一抹の不安が浮かんでいた。「急いで確認しに行こう。」


二人は走り出した。異常な振動と金属音がさらに強くなり、空気は圧倒的な力を持った磁場の影響を受けているような感覚を与えた。訓練場を離れ、外に出ると、空はすでに暗くなり始めており、辺りの景色は不自然なほど歪んで見えた。


「何かが変だ。普段とは全然違う…」リオは周囲を見渡しながら歩く。


突然、空に黒い影が現れ、空間が歪むような感覚を感じた。リオの目の前に巨大な磁力の波動が現れ、周囲の物体が空中に浮かび上がり始めた。


「何だ、これは…!」リオは後ずさりしながら、サラに助けを求めた。


「すぐに離れろ!」サラは叫びながら、リオを引っ張って安全な場所へと走り出す。「これはただの異常じゃない。何かが、この星の磁力を引き起こしている。原因を探らなければ、全てが壊れる!」


リオはサラに引っ張られながらも、空間が歪んでいく感覚に背筋が冷たくなった。磁力の波動はますます強くなり、目の前の景色がさらに不安定に揺れ始める。


「サラ…どうすればいいんだ?」


サラは顔を真剣に引き締め、リオに答えた。「まずは、この磁力の源を突き止める。そうしないと、この星の命運が危うくなる。」


その言葉に、リオは強く頷き、サラと共に異常が発生している地点へと向かう決意を固めた。

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