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第三話「フェアーレと僕」
「ありがとう」
星のかけらを貰う。お別れが近づいてくると寂しさが込み上げてきて、まだ話をしたい、そんな気持ちをコップにいっぱいに注いでいく。
でも僕は行かなくちゃ。決意を胸に感謝を抱いて行くのだ。
「お別れだね…」
フェアーレは名残惜しそうに言う。
「ありがとう、僕はもう行くよ」
「星のかけらを大切にね、自分を信じる魔法を忘れないで」
「大切にするよ!言葉と想いの魔法を忘れないよ」
「バイバイ」さよならの言葉が反芻して寂しさがこだまする。
右の手に握りしめて汗で濡れている星のかけら。
独立している朝の髪と地面に落ちている毛布。
朝のあくびがいつもより心地よかった。