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17 次代

2話更新1話目


『ピピピ…』


 戦闘開始から十数分。

 漸く射程に捉えた敵側の機体に照準を合わせる。


グンッ


 しかしこれまで射程に捉われずにいた敵機側も、上下左右に緩急をつけた機動を行い照準から逃げる。


(右下方に機動…、その前は左。)


 だがこのパイロットのこれまでの機動を整理すると、次に取る可能性が高い機動が予測出来てしまう。


(カウント!)


 加えてわたしには、戦闘センス抜群の居候がいる。


(「はぁ…。

 次の機動まで…3、2、1。」)


ククッ…


 タイミングバッチリに敵機に挙動(予備動作)


ここ(左上方)!)


グインッ


 やや右に機体を寄せる欺瞞挙動(フェイント)を行ったようだが、むしろ予測を確信とする根拠となった。

 相手より一拍早く機動したことで距離も詰めた。


『ピッ!』


 敵は照準ど真ん中(ロックオン)


(「ピコ!」)


「!」


グイッ


 マルの発した警告に従い攻撃を中断、(反対)に機体を切り返す。


『ピーッ!』


 今更鳴り響いた警告音に、この事態に変化がないことを突き付けてくる。


「ちぃっ!」


 自分が逃げ切れない(撃墜される)ことを覚り、思わず悪態をつく。


フッ


 直後モニターが暗転(ブラックアウト)、コックピット内が闇に包まれた。






…………………。


…………。


…。







 暗いコックピット内で待機すること数分。


(レッド)小隊(チーム)全滅。

 撃墜数(スコア)(赤小隊)(青小隊)

 詳細を記録中……、記録完了。

 シミュレーション終了。

 お疲れ様でした。』


パッ


 合成音声によるアナウンスが終了し、コックピット内に明かりが戻る。

 

(ついにスコア0かにゃ…。)


 日課のように行われる同機種、同数のシミュレーション。

 脱走兵の機体を模してこちら(444小隊)の機体性能を何割か落としているとはいえ、実戦未経験者(ライオネル隊)にパーフェクトスコアを付けられるとは。


『隊長、次はどうします?』 


 少し呆けているとトリアンダから、次の指示を仰ぐ通信が入る。

 いつも通りであればこのも後数回シミュレーションを続け、昼休憩前に反省点を纏めるのだが。


『各自10分休憩後、ブリーフィングルームに集合す

 るようににゃ。』


 部隊無線にスイッチを切り換え指示を告げる。

 

『り、了解。』

『『アイサー!』』

『了解!』

『『『了解しました。』』』


 いつもと異なる指示に、トリアンダの梯子を外されたような返答以外は良い了承が返る。


(トリアンダの癖も良し悪しってやつにゃ。)


 率先して行動するのは良いが、イレギュラーに対する反応が遅れるのは直さなければならないだろう。

 そんなことを考えながらシミュレーターから降り、小休止に入るのだった。

 













ー 10分後 ー


 さて。

 休憩を終えてこれからシミュレーションの反省会(デブリーフィング)なのだが、ライオネル隊含め全員が既に着席していた。


「全員揃っているにゃ?

 もし居ない者がいたら申告するにゃ。」


 機器を準備しながら冗談半分に指示を出すが、聞こえてくるのは失笑と忍び笑いのみだ。

 規律に厳しい部隊であれば厳罰もあり得るが、わたしとしては常に張り詰めている必要は皆無だと考えている。

 大事なのはメリハリだ。


「それじゃ今から先ほどのシミュレーションの記録を

 流す(上映する)にゃ。

 特に444(フォース)小隊の面々は、何故負けたのかを考えて

 視聴するように。

 ライオネル隊の面々もいつも通りに、改善点を探し

 て視聴するにゃ。」


 わたしがそう言うと途端に全員が真剣な表情となり、ブリーフィングルームに静寂が訪れた。


ヴゥンッ…


 微かに空気を震わせ、空中にシミュレーションで使用した全体マップが映される。

 今回使用したマップは浮遊物体(デブリ)(岩石)が多めの設定でランダムに生成したフィールドとなっていた。

 これはスカベンジャー等の敵性武装集団が潜伏場所としやすい地形で、これからのキャトラス軍が一番戦闘を行う地形であると言える。

 わたしの想定としては「野盗(スカベンジャー)の拠点に討伐部隊が派遣されての遭遇戦」という、最近(終戦後)に最も多い状況(シチュエーション)だ。

 というわけでシミュレーションの全体リプレイ。

 開始直後は当然のことながら、どちらのチームも相手チームの捜索。

 密集して慎重に移動する赤チーム(444小隊)に対し、青チーム(ライオネル隊)はパーソナルレーダーの範囲ギリギリまで散開。

 この際ライオネル隊は開始地点を中心に扇形に散開したのだが、一番機(ライオネル)四番機(イカ-ワ)が端となるように順番に展開する愚を犯す。

 しかし幸いというか当然というか、ほぼ正面へと進んでいた二番機(グラシズ)敵小隊(赤チーム)を探知。

 実はこの時に我々のレーダーにも反応(ノイズ)があったのだが、それまでにも数回のダミー反応(レーダーの劣化を再現するノイズ)があったために警戒するに留めた。

 青チームは赤チームを捕捉したことで集合、赤チームの進行方向に対し右側面側に回り込む。

 それから探知範囲に入らぬように並走。

 その数分後に全体リプレイ(移動線図)だと不明だが、周囲にデブリが存在しない開けた場所に差し掛かると全速力で急襲。

 この急襲では赤チームに被害(撃墜判定)はなかったが、側面から一直線の突撃(チャージ)により部隊が分断されることとなったのだった。

 

2話目は12時更新です。


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