4 機体性能 ≒ 戦力差
いきなりバトルシーン!
……ゴオォッ
『ピピッ!ピピッ!』
最高速度を維持する機体のコックピット内。
レーダー受動警報が危機を知らせる。
グッ…、ギュンッ
操縦桿を左に目一杯倒しての急機動。
「…くっ!」
ビビビッ
身体にかかるGに呻くが、後方から放たれた敵の弾は右斜め前方へと飛んで行った。
(敵機の位置は!)
『ピコン…ピコン…』
索敵レーダーには直ぐ後方に一機、更に遅れて一機の反応。
(後ろに二機、もう一機は!?)
先ほどまで自分は三機に追われていた。
(「前っ、岩の影!」)
「っ!」
グリッ
ビビビッ
咄嗟に機体を横に回転させることで回避。
(見つけたっ!)
トトトッ!
浮遊物の影から出てきた見失っていた三機目に反撃。
ヒラリ
しかし弾速が遅く、敵機は余裕をもって回避する。
『ダメだっ、姐御すまねぇ…!
『ビビビビッ!』
があああっ!』
敵一機とやりあっていたトリアンダが墜ちた。
そう、敵は4機。
こちらも同数であったが、他の二機は交戦開始から早々に撃墜された。
そして二機を撃墜した敵機がわたしのところに合流したというわけだ。
『ピピーッ、ピピーッ』
ブースターの残燃料減少の警告。
ゴオォォゥ…
敵機を引き付ける意味もなくなったので減速。
ゴオゥッ、ゴオゥッ、ゴオォゥッ
こちらの速度が0になると、追ってきていた敵三機も少し距離を詰めて停止した。
(…一番後ろが甘い。)
隊の若手なのだろう。
この機体に引き離されていた機体の停止に、もたつきが見られた。
『隊長済まない、意外と梃子摺った。』
そう言って現れた4機目。
これでわたしは敵小隊の三角形に囲まれた。
『随分と粘ったがこうなるとどうにもならないか?』
若手を後ろに控えさせる機体、敵部隊長が問いかけてきた。
(…いけるか?)
敵小隊の三角形は隊長機以外でおおよそ等辺。
ジャキッ、バチバチバチッ!
右アームに固定された近接武器を展開。
『この状況で諦めないとは、恐れ入る。』
ジャキッ、バチバチバチッ
敵の隊長機も近接武器を展開する。
「諦めが悪いのが『ピピーッ』…、
十八番何で『ピピーッ』にゃ。」
せっかくなので返答する。
『加速装置無しでやる気とは…。
「英雄」の十八番は参考にならないな?』
愚の骨頂であるわたしの選択に心底がっかりしたようだ。
「そうにゃ?
それが意外と」
ドンッ!
台詞の途中で加速装置に点火。
機体が急発進する。
『おおっ!?』
敵小隊の隊長は、流石に正面に構えるようなバカではなかった。
急加速したわたしの機体は、敵隊長機の後方に吹っ飛ぶ。
『っ!?
リーフ避けろーっ!』
(撃墜した!)
トトトトトッ!
「ふあぁっ!」
ビチャチャチャッ!
『チッ、やるっ!』
ゴォッ
突然の凶行に未だ動けない他二機に対し、隊長機は即座に加速し追い縋って来た。
カシュンッ…
機体下部ブースター、右燃料タンクを分離。
『次は何だ!』
警戒するも接近は中止しない敵隊長機。
グリンッ
推力の偏りにより機体が高速横旋回。
(ここっ!)
パシュッ!
展開したままであった近接武器も分離。
ビュッ
「なあっ!?」
電撃を纏い敵隊長機に向かうスタンバトン。
バチバチバチッ
『っ!』
撃墜の予感に息を呑む敵隊長。
バチッ、バチン…コンッ。
軽い当たり。
(保たなかったか…。)
プスン…
ブースターも完全に燃料切れ。
『この、よくもっ!』
『死に損ないの機体で!』
ビビビビビビッ
ビビビビビビッ
ようやく追い付いた二機の集中砲火。
機体はもう、まともに動かない。
ビリビリビリビリッ!
「に“ゃあああぁぁっ!」
『仮想敵全機の撃墜判定を確認、戦績4対1。
全機、帰投して下さい。』
……はっ!
『フローレンス中尉、起きてるか?
帰投の指示が出たぞ。』
どうやらわたしは、少しの間気絶していたようだ。
「あ~今起きたにゃ。
…どれ位気絶してたにゃ?」
今回の対戦相手である「リィンベル隊」隊長のリィンベル中尉に応えるついでで聞く。
『3分も経ってないさ。
それより自力で帰投出来るか?』
思ったより気絶していた時間は短い。
「燃料がすっからかんにゃ。
曳航して貰えるにゃ?」
仮に断られても後で回収班が来るのだが、さっさと帰投して休憩したい。
『…あれだけ粘ればあり得るか?
了解、エスコートが下手でも文句は無しで頼む。』
何やら引っ掛かることが有りそうだが、それは別として一緒に連れて行って貰えるようだ。
「置いてきぼりよりはマシにゃろ?」
今日会ったばかりであっても、こうして軽口を言える程にリィンベル中尉は取っ付きやすい性格であった。
『…なあ、隊長いつもと性格違くないか?』
『隊長は「英雄」達リスペクトだからな。』
……少し気恥ずかしいが険悪になるよりかは良しとしよう。
(『こうなると「いつもの性格」っていうのが気にな
るわね?』)
それな。
(「…心底どうでもにゃ。」)
リィンベル機に掴まれ、リィンベル2、リィンベル3と連れ立って基地に帰投する。
『た~いちょ~、前が見えません~(泣)』
リィンベル4がふらふらとした挙動でついて来る。
『『『あ。』』』
皆して「あ。」って…。
若手は大事にしてやりなって。
次回はまた説明回です
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7日は12時、19時の二回更新!
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