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20 刻は流れ…(笑)

修行パート(?)

 わたしがここ(軍刑務所)に来てからおよそ半年が経過した。


「うおおおおっ!」


 わたしが入所した当初に伸した雄が、雄叫びを上げながら掴み掛かろうとかかって来る。


ザリッ…


 わたしは腰を落として右半身をかかって来る雄に向ける。


「!」


 わたしの意図に気付き、雄の動きに躊躇いが出た。


「ふっ!」


グイッ


 わたしを掴もうと伸ばされていた腕を右手で下側から掴み返し、躊躇って退かれた分を引き寄せる。


「ぬおぉ!?」


 相手の重心を落としていた腰に載せるようにして、頭が先ほどまでと反対に下がるように背中を丸める。


フワリ


 そうするとわたしの力は最低限に、雄の身体が浮いた。

 そして掴み返した際から添えていた左手を自身の方に引き戻す。


ズダッ!

「ぐぉっ!」


 そのまま前へとフェードアウトする筈であった慣性は向きを変更し、雄の身体を地面へと叩き付けた。


「勝負あり、姐さんの勝ちでさぁ!」


 今地面へと叩き付けた雄、トリアンダの取り巻きその一であるモウブが宣言する。


「「「「「おおっ!」」」」」


 その宣言にわたしとトリアンダの組手を見稽古していた、トリアンダの取り巻きその二、ザッコ、同期のベック、ベックのとばっちり被害者シリウス、その他数名が感嘆の声を上げた。


「今ので…何連勝だ?」


 ザッコがシリウスに問う。


「前回の総当たりから数えて9勝、大会だと中佐帯

 突破になります。」


 シリウスの言う「大会」とは四年に一度軍で開催される「全軍格闘術交流会」のことで、前回は戦況の激変により未開催となったが前々回の開催では約20万名が参加し、一般公開も行われた軍の一大イベントである。

 ルールとしては4~5名で行われる予選の上位3名が本選トーナメントで優勝を争うというものだ。

 この大会で面白いのは、軍内で完結していた交流会であった頃の名残でそれぞれの勝ち抜き回数によって、伍長から大将といった軍の階級に重ねた呼ばれ方があるのだ。

 つまり大会で中佐帯と言えば、ベスト16といった具合になる。

 今の場合は単純な連勝数に当て嵌めているだけなので、大会出場者の中佐帯とわたしの実力が同等と思ってはいけないのだ……決して。

 それはさておきこちら(組手)の話に戻る。


「いや~、負けた。

 もうピコ姐さんに勝てる気がしねぇ。」


 伸したわけではないので、直ぐに起き上がりそう言って笑うトリアンダ。


「言ってもカマッセは初日から伸されてただろ?」


 ベックがトリアンダをからかう。


「でも一番上達したのはフローレンスさんですよね?」


「「「「確かに。」」」」


 シリウスの言葉にわたしとジャクソン以外が同意した。

 

(「まあ、私らは特殊だからにゃ。」)


(『色々あったものね!』)


 マルとシアの会話に、この半年を振り返る。

 最初はわたしがジャクソンからマンツーマンで基礎からのスタートだった。

 系統の異なる型に、士官学校で叩き込まれた癖を抜くのが一番苦労したと言える。

 一月が経過した辺りに、それまで興味の視線を向けていた何名かが参加を申し込んできた。

 わたしと異なり彼らは剛の業を習い始めた。

 二月が経過する頃にはいつの間にかベックとシリウスが加わっており、同時期から組手での実践が開始された。

 

(最初の組手ではベックが躓いて地面とキスしていた

 にゃ…。)


 四半年が経過して更に半月が経過した辺り。

 トリアンダら三名が再びわたしに喧嘩を吹っ掛けてきた。

 曰く、油断していた。

 「油断していなければ勝てる」とのことで、習っている型の復習がてら丁寧に相手をした。

 純粋な体術勝負は多少苦戦してわたしの勝利。

 トリアンダ達も稽古に参加し、わたしは三馬鹿に「姐さん」と呼ばれるようになった。

 それからこれまでに何回か総当たりの組手をして、元々素養のあったトリアンダに土を付けられたり、加減を間違えてベックを塀とキスさせたり、ベックとトリアンダが組手の勝敗でマジ喧嘩して仲良く痺れたり、トリアンダの取り巻き二名の名前がモウブ・ハイッケーとザッコ・カズィールと言うことが分かったり…

「ベックが総当たり組手で地面と熱愛していたり。」


「おいっ、変な記憶を捏造してるんじゃねえよ!?」


 ベックのツッコミ。

 …おかしい。


「ベックにわたしの思考を読まれたにゃ?」


 わたしがマルコシアスを身に宿したりしている以上、他に超能力的なものを使える者がいないとはならない。

 しかしベックが思考読み(エスパー)能力に覚醒するのは納得いかない。


「普通に口に出てたぞ。

 心なんぞ読めてたまるかっての。」


 ジトっとした半目でネタバラシをするベック。

 

「マジにゃ、…恥。」


 確認するがベックは変わらずジト目。

 きっとわたしの顔は紅潮しているだろう。


(今後は気をつけないとにゃ。)


 そう心に誓った。

 

(「ボソッ…。」)

(絶対数日でそう誓ったことすら忘れるにゃ。)

 

 マルが何やら呟くが気にしない。


(『ボソッ…。』)

(何で同期さんは心を読んでるって考えていたのを分かっていたのかしら?)


 ……気にしないったら!(汗)


話がダレているので修行パートはダイジェストでお送りしました。


次回は25日19時更新


いつも読んでいただきありがとうございます。


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