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ダンス・ウィズ・ウーズ 4

「しかし、あれがマジでクプヌヌなら、ヤバいんじゃね?」


 無意識に自分の左胸の辺りをさする聖。彼の世界ではクプ腕で左胸を一突きされて死んでいる。


「マプージョンをクポヌカしないとダメなんだろ。クプヌヌ・ネ・ズブサで」

「あの高枝切鋏な」


 鉄菖曰く、クプヌヌを倒すには、あのククネプを制御するマプージョンと言う器官をクプヌヌ・ネ・ズブサ、京平の言うところの高枝切鋏でクポヌカするしかないらしい。


「この世界にはクプヌヌ・ネ・ズブサないよなぁ」


 ククネプの下には鱗に覆われた本来の皮膚があり、クポヌカする為にはマプージョンに近い部分の鱗の隙間を狙ってクプヌヌ・ネ・ズブサを突き刺す必要がある。


「クプヌヌいないからな。というか、高枝切鋏じゃなくても普通に剣でいいんじゃ……」


 そうは言った京平だが、レリー達の苦戦具合を見ていると若干不安になる。


「クプヌヌ・ネ・ズブサの、ククネプを貫く為のあのリーチと、多分マプージョンを切り取るかなんかする為の先端のハサミ、その二つが必須なんだよ、きっと」


 鉄菖から一通りクプヌヌの倒し方を聞いた聖達だったが、クポヌカがどういう行動を指すのかははっきりと理解できなかった。説明を聞く限り、マプージョンを切り取って体内から引きずり出す、的な感じだと思われるのだが、何故知っている言葉に翻訳されないのか、その理由が分からない。


「槍、じゃあ刺さって終わりか……」


 ファンタジー世界に高枝切鋏が存在するのかという事に思いを馳せる京平。機構、機能的にはあってもおかしくなさそうだが、その手の作品で見た記憶はない。


「魔法も効かないとは思わなかったな」


 銃撃が効かなかったのを目の当たりにしているだけに、剣の攻撃が通用しないのは想像できた。だが、魔法すら通用しないとなると、倒す方法はクポヌカするしかないという事になりかねない。


「流石は世紀末の化け物と言うところか……」


 一度クプヌヌになす術もなく殺されている二人である。この世界でもまた、レリー達の戦いを見守る事しか出来ない。その己の無力さが、とても歯がゆかった。

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