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ブラックライン 9
「何だよ、焼酎に煙草って」
一方現世では京平が神に対して質問をぶつけていた。聖の質問が聞こえない為、神の答えが何を指すのか分からなかったからだ。
「向こうの世界の通貨単位ですけど、何か?」
「……工場みたいなクエストに通貨が焼酎に煙草……何故だろう、全然ワクワクしない」
ブラックな労働環境で働かされ、安酒と煙草だけが楽しみ、そんなイメージが脳裏に浮かぶ。
「ショーチューとタバコですよ」
神が訂正してくる。どうやら発音が違うと言いたいらしい。
「五百って言ってたのが石での交換レートだとすると……焼酎一本、いや五百って課金ガチャ一回分だよな。じゃあ、一杯ってところか。いや、待てよ。それだと煙草は五本か五箱で課金ガチャ一回って事か?」
ワクワクしないと言いながらも、この世界の物の価値を計ろうとする京平。だが、すぐに首を横に振った。
「……ええー、物の価値が訳分かんねぇ……」




