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Bad Will Hunting 1

「などと一瞬でも思った昨日の私を、今日からの私は絶対に赦さないだろう……」


 そう呟いた穂波の顔は、焚火の炎で赤く陰鬱に照らされていた。


「今日からの私って、まるで未来永劫赦さないかのような言い方だな」


 疲れ切った様子の京平が力なくツッコむ。穂波と同じく焚火に照らされている表情は暗い。


「……こんな目に遭わされてるんだもん。それくらいしたって罰は当たらないわよ」


 そう言いつつ穂波は焚火の向こうへと視線を向けるが、そこにあるはずの大草原の風景は夜の闇に沈み何も見えない。


「偶々、だと思いたいんだけどな……」


 そう答えるように呟いた京平だったが、その表情は言葉とは裏腹な内心を雄弁に物語っている。


「偶々な訳ないでしょ。こんなのあいつの嫌がらせに決まってるじゃない」


 忌々し気な穂波の呟きに、三人は今日一日の出来事を思い返していた。

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