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キャベ25

「おい、そんな事をすればルミノールは」

「一兵士の隠密の行動、王国も隠蔽するだろう」

「くそっ! 話がちがうじゃねぇか!」


 普段とは違うトーマの姿に怖いとすら感じています。このまま放っておいたら彼等を殺してしまうかも知れません。


 ですが、どうすれば……。


「ちょ、ちょっと待って!」

「カトレシア、なんで出てくるんだよ」

「だって、トーマは殺してしまうでしょ?」


 そう言うと、トーマは一瞬考える様に間が開きました。その瞬間、押さえていた兵士が潜り抜ける様に仲間の元へ走ります。


 あっ……。


 息を飲む間もありませんでした。トーマはすぐに剣を振り下ろすと、兵士の背中を斬ります。


「なんで……」

「だから言ってるじゃないすか。大人しく言う事を聞く様な奴らじゃ無いんすよ」


 苦しそうに、仲間に手を伸ばす兵士にトーマは剣を突き立てました。


「うぐっ……」

「こいつ本当にやっちまいやがった」

「おい、ドグリ……マジでしんだのかよ……」


「どうして?」

「生きるか死ぬか、俺も逃げ出さなければ斬っては居なかったっすよ」


 彼が死んだのらわたしが止めたからです。

 あの時、トーマは考えがあって押さえていただけだったのです。


 止めなければ彼は……。


「まだ、間に合いますよ?」

「えっ??」

「治せるのですか??」

「そう、聖女ならね!」


 聖女様はいつの間にか、切られた男の側に立っていました。彼女がその男に触れるとみるみるうちに傷が治っていきました。


「すごい……」

「死んでなければ大体はなおせるんですよ!」

「なるほど、トーマも知っていたの?」

「彼は回復できるのは知っていも、ここまでできるとは知らないとおもますよ」


 やはりトーマは殺すつもりだったのです。


「聖女様、抜けれたのですか?」

「抜けれた? なんの事ですか?」


 聖女様の座っていた椅子に目をやると、縛られていたロープが切れているのが見えました。


「ロープで縛られていたじゃないですか」

「あー。あれですね、邪魔だったので引っ張ったら切れました」

「もしかして……」


 トーマはそこまで言うと、言葉を詰まらせました。多分怪力だと言いたかったのでしょうが、聖女様は不思議ちゃんですので気を遣ったのでしょう。


 しかし、王国兵士は逃げ出すどころか好戦的です。あれだけボコボコにやられたのにどこから自信が出てくるのかは分かりません。


「貴様らも終わりだ……別動隊がもうすぐこちらに来るからな!」



「いや、来ないぞ?」

「何故だ? 強がるのはよせ」

「ここにくる途中、気配を感じて応援を要請したんすよ」


 そう言うと青い光の鳥がトーマの肩に止まりました。そうです、あの時マリスに魔力を見せたのではなく、応援を要請する伝達の魔法だったのです。


「カッコいい所見せれたっすか?」

「うん、少し怖かったけど」

「聖女様も救出できたっすからね!」


 聖女様はそれを聞いて、不思議な顔をします。


「私何か危機だったんですか?」

「いや、誘拐されてたじゃ無いっすか!」

「そうなのです? コンテストの打ち上げでお酒をもらって……気がついたら人が倒れてました」


 まさか……酔っていただけ?


「そもそもお前はなぜカトレシアを連れて行ったのだ?」

「た、隊長。いや、伯爵や鮮血の騎士まで……過剰戦力過ぎないっすか?」


「そうか、トーマは騎士舎出じゃないから知らないのか……」

「な、なんの話なんすか?」

「アレク、ちゃんと伝えて無かったのか?」

「すみません伯爵」

「だから、なんの話っすか!? 聖女様が行方不明で、救出するのが任務じゃないんすか?」

「少しちがうのだ。聖女様はそもそも助ける必要は無い。助けなければいけないのは王国兵士の方だ。まぁ、事情は伺う必要はあるがな」


 つまりはこう言う事でした。

 聖女様が行方不明と言うのはお酒を飲んだ可能性が高いとの事。アレクの祖父の世代にそのせいで街が破壊されたらしいのです。


 そもそも彼女は龍人。並の人間では全く歯が立たないレベルの怪力と魔法が使えるとの事です。


「てへぺろ!」

「やべぇ、聖女様全然可愛くねぇ……」


「とにかく、トーマの行動は色々と問題がある。後でしっかり話し合おう」

「隊長もこえぇ……」


 ルミノール伯爵曰く、領民以外にその事が知られるのは良くないらしい。ただでさえ強いと謳われる兵を持つ中、聖女様まで戦力と認識されると色々と支障が出てくるのだそうです。


 そりゃそうでしょうね!


 それからわたしたちは、街に戻る事になりました。帰り道、相変わらずふわふわとしている聖女様に聞いてみます。


「昔街を破壊したって、どうなったのです?」

「あの旧市街がそうですよ? 私も若かったですからね!」


 いやいや、壊し過ぎでしょ!


「あ、カトレシアさん」

「はいっ!」

「精霊が寂しがってますよ?」

「えっ?」

「時々声をかけてあげないと、拗ねちゃいますよ」


 精霊とはそう言うものなのでしょうか?

 だけど、話しかけるというのは一体どうすれば良いのでしょうか。確かに、あれから一度も姿を表してはいない様に思います。


 ですが、聖女様の事が気になってそれどころではありませんでした。

数日の間一日一回更新になります。


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