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キャベ21

 アレクはじゃがいもを買うと、袋を持ったまま何かを言いたそうにしていました。


「アレクは出ないのですか?」

「まぁ、一応出ることにはなっているがな。だが、マリスを代表に立てたのだろ?」

「そうですね」


 少し不満気で、ちょっと拗ねている様にも感じます。それでも充分参加する事が出来るクオリティなのは流石だとおもいました。


「だけど、農園がこんなに早く再開しているとは思わなかったよ」

「みんな頑張ってくれましたから!」

「ああ、本当に良かった」


 今でも彼は罪悪感を感じているのでしょう。こうしてじゃがいもを買いに来てくれているのも、友達だからと言うわけではなく贖罪に近いのかもしれません。


「あのね、このコンテストって色々な所から参加者が来るの?」

「いや、基本的にはそれぞれの部隊や組合の代表者しか出ない事になっている。それがどうかしたのか?」

「それならいいのですけど」


 わたしはアレクに神獣の事を聞いてみようかと思いました。ですが、毅然とした様子の彼を見て言い出せなくなってしまいます。


「マリスの事が気になっているのか? トーマの事だ、何かしら頼み込んで出てもらったのだろ?」

「彼女はまんざらでも無いみたいなので、納得していると思いますよ」

「なるほど。これは遊びみたいな物だ、楽しんでいるならそれでいい」


 彼自身は結果を気にしてはいないのだとわかりました。目的は盛り上がる事なのであれば、もし隠れて神獣が参加していても遊びに来ていると考えれば気持ちが楽になります。


 アレクと別れだ後、コンテストが始まる前にじゃがいもを売り切る事ができました。今回、値段の目安も分かった事で、今後の農園で出来たじゃがいもも分配を考えられる様になりました。


 市場のおじさんにお礼にとっておいたじゃがいもを渡し、子供達を連れてコンテストが行われる広場に向かいます。広場では既に人が集まっており、丁度良いタイミングで来れたと安心します。


「この辺りにしましょうか!」

「はーい!」

「ところでミルル、ちょっといい?」

「うん」

「昨日の話だけど、お客さんの中にいるの?」

「ううん。今はステージの裏にいると思う」

「それってリリムもわかるのよね?」

「わかっていると思う。だけどリリムは悪意を感じて無ければ気にしてはいないと思う」


 リリムは神獣が居る事の違和感には気づいていないと言う訳です。ミルルが心配症なのか、それともリリムが小さいからなのか。


 予定通りにコンテストが始まると、その答えはすぐにわかりました。


「レディースアンドジェントルマン! 皆さまおまちかねの『ミスタールミノールコンテスト』を始めたいとおもいます!」


 司会の人らしき人が叫ぶと、お祭りみたいなものなのでしょう、会場は一気に盛り上がります。


「では本日このコンテストを開く主催の──」

「あ、あの人だよ」

「司会の人?」

「ううん、あの綺麗な女の人……」


 そうミルルが言うと現れたのは……聖女様でした。


「ミルル、あれは聖女様だよ」

「そうなんですかぁ?」

「あのね、彼女は龍族の人なんだけど関係あるのかな?」

「龍族? 神獣と同じ様に感じます」

「よかったぁ……確かに似たような物かも知れないね」


 とりあえず問題が解決した所で、コンテストは進んでいきます。商工会の代表や役所の代表、さまざまなイケメンが出てくる中、わたしはこのペースだとマリスが優勝出来そうだと密かに考えます。


「続きまして、準騎士隊のヴァン隊長です!」


 すると現れたのは、以前の野性的な雰囲気から百八十度変わった騎士服を纏うヴァンが現れました。するとそれまでには無い歓声が飛び交います。


「流石ヴァンね」

「な、お頭カッコいいだろ?」


 パリルも嬉しそうにわたしに自慢します。確かに少し悪そうな所が隠し切れていないのも魅力的に感じました……これはマリスも危ういかも知れませんね。


「続きまして、第一騎士団が見つけた原石、いや完成品と言いましょうか貴公子マリス!」


 貴公子って、トーマはなんと説明したのでしょうか。ですが明らかに空気が変わり、思わず聖女様が立ち上がりました。


「彼は何者なのですか!?」


 ……じゃがいも農家です。


「こんな素敵な方、見た事有りません」


 試着していた時よりもさらに歩き方や仕草も指示されているのか、普段の面倒見のいいお母さん感が全く感じられません。


「これは優勝かな?」

「マリ姉はズルいよね!」


 そして最後にアレクがでてきますが、その知名度からか大きな歓声が飛び交い圧倒的な人気を示しました。ですがこれはコンテスト、街の人の誰もがわかるアレクの知名度は逆に不利な気がします。


 アレクが慣れた様子だったのはそれが理由なのかも知れません。しかし、トリが終わりコンテストの投票が始まるかと思った矢先突如マリスと同じくらいオーラを放つ金髪の男が現れました。


「えっ、こんな隠し玉みたいなのアリなの?」


 ですが、それ以上に司会の紹介に衝撃をうけました。


「特別審査員のルミノール伯爵です!」

更新時間を変えてみました。


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