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4,魔王が再降臨したらしいですよ?

その後、俺とロリババアはフィアットに挨拶を済ませセルジーネ家を出て夕方の茜色の空の下、ノロノロと歩いていた。

「お前さん、どうしてまたあんな貴族の小娘を選んだのじゃ?お前の性格上、どーせボッチ生活を送っていると考えておったのに。」

うぎぃ、その痛いこと聞かないでくれよ。何があってもこのロリババアに「転移魔術しくってバレた」なんて言えねぇよ...俺の人生がここで終わっちまうのは御免だからな。そうそう、こういう時は

「んなわけねぇだろ、俺にだって友達くらいいるっつの。」

と、平気な顔して大嘘を吐いてみた。これは誰もが嘘だって分からないはずだ。そう思うと俺の口角は自然と上がった。

「嘘じゃの。それに、誰が()()()()()()()()?」

「んなぁっ!?なっ、そんなこと思ってるわけ...」

「宜しい、ならば戦争だじゃな。....去ね!!ノヴァ・ブレイク!!」

「毎回そんな15階梯以上の魔術を受けてられっかっての!!...リフレクション!!、」



俺とロリババアがケンカをしたところは翌日、ニュースに取り上げられ、コメンテーターの「何者か」が行った国家反逆の予兆などではと言われていた。

俺はただ地面を陥没させたりしただけで、殲滅魔術とか、破滅系格闘技を使ったのあのロリババアだし。言い方を変えようか。周りの空き家やらなんやら全部燃やし尽くしたのあのロリババアだから!!俺じゃないから!!

だが、

「おいおい、これどういうことだね?」

「いや、ちょっとそれは、あのロリババアが全部悪いからでして、俺は別に何も...」

「うん?じゃあこのニュースは何なのかな?」

そう言って学園長はニュースを流す。今度は一部の部分だけ、音量を上げていた。

「先日夕方ごろ、大型殲滅魔術や()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が王宮騎士団より、確認されました。剣風の発生する斬撃に関して、今代の剣聖様は『僕に関与はない』とキッパリ言い切っており、剣聖様の斬撃の後に残る聖因子の残留が確認できず、未知の因子が残留していることもあったため、王宮騎士団は警戒を強めていく方針となりました。」

俺はもう黙りこくることしかできなかった。王宮騎士団にここまで調べつくされてしまうと、もう俺が学園長に言えることはもうないのだ。

俺は恐る恐る顔を上げる。学園長はかなりお怒りのようだ!!とっても不味いネ!!

「学園長ではなく同胞である博識王エトワールとしての立場から言わせてもらうが、ハスト...」

「ハイ...」

俺はもう諦めた。多分今第3者が俺の表情を見たとしたら、まず最初に「え?何この白いマネキン」と思うだろう。

「お前がここらへんでケンカを起こすと、毎回僕ら『頂天者』のうち誰かが被害を被るんだよ。絶対にね!!しかも会見を受けているときのシュベルトのあの表情...多分キミ、明日にはみじん切りにでもされるんじゃないかな?とにかく!!頼むから今度からケンカするときは山奥でしてくれ!!いいね!?」

「ハイ、スイマセンデシタ。」

「宜しい!!、そろそろキミは授業があるし、せっかく僕にウザく自慢しにきた例のパートナーさんが待ってるから行ってやりなさい。」

俺は学園長の説教(約3時間)が終わり、学園長室から出る。

「終わりましたか、『覇王』様?」

「ここではそう呼ばないでくれって言っただろ?何だ、今代がゴミだって言いたいのか?お?やんのかコラ」

「いいえ、そんなつもりなんてないですよ~?」

そう俺をからかってくるのは昨日、正式に2代目『覇王』のパートナーとして就任したフィアットだ。

先日までのあの態度は何処へ行ったのだろうか。や~、時間の流れって早いんだな~。

「というより、お前学級委員だろ?何で授業直前にこんなとこいんだよ。お前人気者だからクラスの奴ら心配するんじゃないか?」

「それに関しては大丈夫です。クラスのみんなには学園長先生とお話があるって言ってきたので。」

「その学園長ってワードいろいろと危ないと思うんだが...まぁいい、取り敢えず一緒に教室へ戻るのはよろしくないからタイミングをずらすぞ。さすがに優等生と一緒はまずいからな。取り敢えず、お前が先に戻ってくれ。俺は授業の途中辺りで戻るから。じゃ、また後で」

「あぁ、ちょっと!!...むぅ分かりました...はい、また後で」

俺は何か言いたそうな顔をしていたフィアットを置いてまたいつものように屋上へ向かって歩いて行った。




そして俺は2コマ目に教室へ戻ってきた。まぁ、ただの陰キャボッチなので誰も俺に見向きはしない。最高だろう?遅刻しても罪悪感がないのはとっても素晴らしいことだ。陰キャボッチの特権とでもいえるだろう。俺は密かに口角を上げる。

席につき、何事もないように次の科目の準備をする。

すると、またもや例の話し声が聞こえてくる。


「お前ほんと災難だったよな、この前国王様直々ににたっぷりお説教されたんだろ?」

「も~ほんと絞られたね、レオンのせいでな!!」

「悪かったって。だってあの第一王女様が来たらそうなるだろう?今度アイスおごってやるからさ。な?」

「よっしゃ許してやろう。ハー〇ンダ〇ツ10個な!!」

「くッ、痛い出費だがそれでいいだろう...」

いや、ハー〇ンダ〇ツ10個で許しちゃうのかよ。ちょろいなラインハルト君。俺だったらもっと高級品頼むぞ。

「それと、今日の朝のニュース見たか?何者かの戦闘で、聖因子じゃない因子が見つかったって。しかも剣風でだぜ?もう、良いよな?これ絶対『覇王』だって!!近くの空き家に殴り跡も見つかったって言うし!!」

「あのなぁ、お前そりゃフツーに考えて国家反逆者と無名の拳闘士が戦ったんだろ?」

そうそう、レオン君はそう思っといたほうが幸せだぞ。君の言うその国家反逆者がこのクラスに居るんだからさ。

俺はそう一人で窓の方へ顔を向けなおしてフッと笑う。

「おーい、もう授業始めるぞ~。席つけ~。」

おっと先生が来たみたいだし、集中するか。




時間は進み、お昼休み。俺はクラスの人たちをかき分けるようにして教室を出て、俺の定位置ともなってしまっている本来立ち入り禁止の屋上へ向かった。

俺は、屋上のドアへ手をかける。ガチャガチャガチャ...あれ?

「開かない...?まぁ、別にこんくらいならっと。」

俺は鍵穴に魔力を直接流しカギを強制的に開けた。俺は屋上に来てまず第一にアイテムボックスからローブを取り出し、羽織り、その場に寝ころんだ。ついでに背伸びもしてみる。

「あぁ~やっぱボッチは気が楽でいいな~。あのサイドテール悪魔もも今頃他の連中とワイワイやって楽しんでるだろうし、お互いwinwinの関係だなっ!!...アイツがいると気ィ使わなきゃいけないし、多分性格上融通が利かないお堅物人間だからこんなとこ居たら地獄の教室へ連れて帰られるだろうしな!!」

「誰がお堅物人間ですって?()()()()()?」

何か声が聞こえたような気がするけど幻聴だろう。

「ははっ俺疲れすぎて幻聴が聞こえるや...幻聴ならお堅物人間ボイスじゃなくて、カワイイ子の声が良かったぜ..................え?」

俺がローブに付属しているフードを取り、横を向くと、青い髪でサイドテールの魔王がそこにいた。顔には青筋が浮かんでいる。

俺は体中から血の気が引いていく感覚に襲われた。

「ぎゃあぁぁぁぁあっぁぁあ!!魔王再降臨だぁぁぁあぁぁああ!!」

宜しければブクマや評価等して頂けると嬉しいです!!


フィアットはまず覇王の護衛の任務ですね!!

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