プロローグ
「なぁレオン、知ってるか昨日も真夜中に学区内にランク18以上のバケモンモンスターが出現したらしくて、近隣住民が王宮騎士団を呼んで避難したんだけどな、その王宮騎士団が来るまでにまた何者かが斬撃1発で倒して去っていったらしいぜ。そんな奴がこの王都にいると思うとなんかワクワクしてこねぇか?」
男子生徒は鼻息を荒げ言い張る。
「そうだな。確かにその人に会えたらいいなとは思うな。そいつは身長が低くかったらしいな。俺が思うにそれは今代の剣聖だと思うんだよな。ほら、まだお披露目できません的な?」
「その可能性はあるな!!だが、やっぱり俺は本当に存在してるか分からない『覇王』だと思うんだよな。」
「お前まだそんなの信じてたのかよ、はぁ~、いるわけねぇだろ剣術も魔術も弓技、体術、銃技、槍術、学芸、何でもできる奴なんて。」
レオンと呼ばれた男子生徒はそんなのあるわけねぇと鼻で笑いながらレスポンスする。
「いや、確かに俺は王立図書室の禁書庫に潜入して読んだんだぞ!!」
それに鼻で笑われた男子生徒はとんでもないことを言い始める。
「は?お前それ十分に国家反逆だぞ!!どうすんだよ聞いた俺も捕まっちまうじゃねぇか!!」
「内緒にしときゃぁバレないって。」
「ふ~ん、『覇王』...ねぇ...」
俺はその光景を片目に教室の隅で窓の外を見ていた。あ、どうも俺は正真正銘陰キャボッチのハストです。テストの成績はなんと学年最下位です。そして悲しいことに実技も終了のお知らせを頂くほどのレベルです。
へぇ、そんなわけないだろうと思うだろう?これが事実なんだな。俺も今すぐ泣きたいぐらいだ。まぁ、でも俺はこのくらいがちょうどいいんだけどな。だってさっきの話に出てきたような何でもデキる奴って気持ち悪いと思うだろう?俺も同感だ。おっともうチャイムが鳴りそうだから次の教科のテキストを出さなくちゃな。
俺はそう思って鞄の中をゴソゴソと探す。一瞬固まってもう一度ゴソゴソと探す。
あ、忘れちゃった奴だわ、コレ...
ただでさえボッチなのにこのミスは大きすぎる。しょうがないので俺は教室を出てこの授業をサボることにした。
が、運が悪いことに俺は
「ハスト君?どこ行くのですか?もう授業始まりますよ?」
このニッコリ笑っているサイドテール悪魔の学級委員に捕まってしまう。何か脱出策を考えなければ....あ!
「あのぉ...俺今日おなか痛くって...保健室に行こうかなと...」
俺はお腹に手をあてさする動作をする。さぁ、これなら突破できまい。
俺は表面上に出ている表情とは違うどす黒い表情を心の中でしていた。
「あら、そうなのですか。それは失礼なことをしてしまいましたね。早く行って休んでくださいね。それでは。」
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!今日は突破できたぞ!!いつもなら「嘘ですね」とか笑顔で言って俺を教室に連れ戻す奴が何故か許してくれたぞ。最高か?
俺は内心ガッツポーズを決めながらサボりの定位置である校舎の屋上に向かって上機嫌で歩いき始めた。
無論、屋上は学校の進入禁止エリアだ。ここなら誰も来ることはないだろう。
俺は屋上に着いて、早速寝ころんだ。日の光で暖められた地面が最高に気持ちいい。俺は昼休みなどもよくここに一人で来る。そして俺は、アイテムボックスから丁度いいローブを取り出し、それを掛布団として深い眠りにつくのだった。
俺が起きたのは日はもう沈みかけている夕方だった。俺の意識が覚醒する。あぁぁああぁああ!!寝すぎたァ!!ヤバいって授業4コマ分寝てたってことだよな?俺かなりヤバくないか?どうしよう...
俺は不安になりながらも少し屋上から顔を出すともう帰宅している生徒がちらほらいることに気が付く。
あぁ、コレ今帰ろうとしたら確実にシバきあげられる奴だわ。しょうがない、全生徒が帰るまで待つしかないか。
そう俺はガックシと肩を落としその場に座り込んだ。そして肌寒さを感じ、先ほどまで掛布団として使っていたローブを着る。
「あったけぇ...流石だな、温度調節機能。認識阻害もバッチシだな。ロリババアのくせしてやるじゃん。」
俺は感動で声が漏れてしまっていた。
そして時間は進み、生徒がやっと全員帰り終え、教師、警備員も帰宅し終えた頃...
「や....っと...全員...帰った...!!」
現在時刻夜中の2時。俺はまたもや昨日と同じ時刻に変える羽目になった。
やっっっと、家に帰れる!!よっしゃ行くぜ、『flow sky』
俺は内心喜びつつ、空中移動の魔術を自身にかけ、屋上から勢いよく飛び降りた。
着地地点は校門前で、魔術がかかっているおかげで、傷痛み何一つ残らなかった。俺は気分良く鼻歌を歌いながら歩き始めた。
家を目指しながら歩いて数分すると、周りの空気が少し違うことに気が付いた。なんだと首を振って周りを見ていると目の前に、大量の魔素が集まってくる。色でわかるがどれも邪の魔素だ。俺はそれを見て顔が引きつる。
俺が、顔をヒクヒクとさせていると、目の前にドラゴン系統のかなり図体のでかいモンスターが出現した。
「あぁぁあぁああもぉぉぉ!!またランク18以上かよ!!」
どうも、新人ですが、よろしくお願いします!!
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