第四十四話 城峰邸へ
お久しぶりです。作者です。投稿が遅くなってすみません。ここのところ忙しいことが立て続けで起こっているので今後も投稿が遅くなるかもしれません。今後は投稿頻度をあげれるように精進し、皆さんに楽しんでもらえる物を書いていきたいと思います。どうぞこれからもよろしくお願いします。
光輝の案内の元、自分達は城ケ崎組の屋敷へと向かってた。
「そう言えばさとり、こいしはどうしたんだ?」
そう言えば光輝と戦った時から姿を見かけない。
「いつもの事ですからご心配なく」
「いつも・・・・・・?」
「えぇ、こいしの能力ですよ。無意識を操る能力。だから、探そうとしても認識できないんですよ」
「えぇっと、つまり認識阻害の能力って事か?」
「厳密に言うと異なりますね。例を挙げるのなら・・・・・・」
身体をかがめ、さとりは小石を拾い上げる。
「レイさんは道端に落ちているこの何ともない小石に意識が向きますか?」
「いや、向かないと思うが・・・・・・」
「それと同じことです。こいしもこの小石の様にわたしたちの視界に入り、意識して見られない限り気にもされない存在なんです。ですから、こいしが私たちの視界から外れた今、探すすべは皆無です」
「だから、地霊殿でもこいしの帰りを待っていたのか」
「そうです。あの子は必ず帰ってきます。ですから心配なさらなくて結構ですよ」
さとりは小石を強く握りしめる。
「そうか・・・・・・」
「そんな事よりも、いまはリコさんの方が心配です。まずはそちらに集中しましょう」
そんな会話をしている間にも自分たちは道を進んでいく。
「兄者、そっちではない」
「おっと、すまねぇ」
光輝に指摘され、方向転換する。
「ていうか、光輝、何故兄者なんだ?」
「俺の命はすべて兄者のものだ。全てを委ねる存在なのだから、兄と呼ぶことは当たり前じゃないか?」
「・・・・・・」
「兄者が嫌と言うのなら呼ばないが・・・・・・」
「いや、そうではないんだ、理由が知りたかっただけだ」
「そのことは置いといて、光輝さん。あとどれぐらいで屋敷にたどり着くんですか?」
「この調子だと・・・・・・30分って所だ。それがどうした?」
「・・・・・・」
さとりの息があがっているのがわかる。
(確かに長い間歩いていたからな。男の自分たちは大丈夫だが、華奢なさとりの身体には応えたようだな・・・・・・)
「光輝、休憩をとらないか?博麗神社から歩きっぱなしだろう?もしものことを考えて体力は多く残していた方がいい。それに、屋敷に入ってからの行動を確認したいからな」
「兄者がそういうのなら・・・・・・」
光輝も納得ししてくれたようで、近くの木陰で休憩をとることになった。
「さて、何から説明を始めればいい、兄者?」
「そうだな・・・・・・とりあえず、屋敷の地図と注意した方がいい敵の情報だな」
「地図か・・・・・・」
「無理なら構わないぞ?」
「地図は少し難しいな。俺はあまり屋敷の中を歩き回らないから屋敷の構造をちゃんと知らないんだ」
「若頭なのにですか?」
「あぁ、あんな堅苦しい場所にいたら息が詰まりそうだったからな。いつも外にいた」
「それで、強い人を見つけては戦うという行為を繰り返してきたわけか」
「それはついででしていただけだ、兄者。本来の目的はさっきも言ったように屋敷の中にいたくないということだったからな」
「そうか・・・・・・」
「それはそうと、少しでも作戦を決めていたほうが良いのでは?」
「しかしな、さとり。情報が全くなくて、見ず知らずのところに行くっていうのに作戦立てていても無駄になるだけじゃないのか?」
「そうかもしれませんが、決めておくことに悪いことはありませんよ」
「まぁ、確かにそれもそうだが・・・・・・」
「とりあえずですね、屋敷に攻め入ることからですが・・・・・・」
その頃、霊夢は自分たちよりも先のほうにいた。自分たちよりも遅く出発したものの、空を飛んでいるので自分たちの数倍の速さで飛ぶことができたのだ。
(ここらへんが光輝の言っていた場所ね・・・・・・)
「降りてみましょうか」
霊夢が下りたところ一面には切れ目なく木立が広がっていた。
「どうやら、こっちのようね・・・・・・」
何度も土が踏まれた跡がある。
「霊夢、急いでちょうだい」
スキマが開いて紫が出てくる。
「分かってるわよ」
「それならいいのだけど・・・・・・」
「ねぇ、紫。なんであんたそんなにリコのことに必死なの?」
霊夢の質問のあと少しの間、沈黙が辺り一体を一帯を支配する。それを破ったのは紫の微笑みだった。
「別にいいじゃない。私だって必死になりたい時もあるのよ」
「あっそ・・・・・・」
思った通りの答えが返ってこなかったのか、霊夢は紫のことなど気にも止めずにそう一言残すと道なりに進んで行ってしまった。
「紫様」
その声と共にどこからか藍の声が聞こえてくる。
「藍、そっちの手筈はどうかしら?」
「申し訳ありません。今しがた時間のかかるものかと思われます」
「急いで頂戴。あんなものが他の者の手に渡る前に急いで手に入れるのよ」
「心得ております。ですが、情報が曖昧なもので・・・・・・」
「そんなことわかっているわ。だからこそ今の幻想郷があるのだもの。存在が知られていないのは承知の上よ」
「分かりました。私達も今一度探してきます」
「頼んだわよ」
紫のその言葉を聞くと藍はどこかへ消えて行ってしまった。
「・・・・・・あの人にも聞いてみましょう・・・・・・」
そう言って紫はスキマの中に消えて行った。
「さて、そろそろ行きましょうか」
さとりの合図で自分と後期は立ち上がる。なんやかんや言って数十分休憩していた。
「少し速足でいこう」
「そうですね、少し休憩し過ぎたようです」
「分かった」
光輝は返事をしたのち、先程より少し早く歩く。それに自分とさとりが続き、城ヶ崎組の本拠地を目指すのだった。
一方その頃城ケ崎家の本拠地、城峰邸では・・・・・・
「おい、お前ら、飯が出来たぞ!!」
大きな声が屋敷中に響き渡る。それと同時にやくざが部屋に集まってき始めた。
「姉さん、今日も豪勢ですね!!」
「ごたごた抜かす前に早く手でも洗ってきな」
「分かりやした!」
姉を呼ばれる女性の声で集まっていたやくざたちが手洗い場に向かう。その間に姉と呼ばれる女性は台所から大量の料理を運んでくる。その量はものすごい量で、居間に置かれていた何個ものの長机の卓上からはみ出しそうになっていた。まるで宴である。
「こんなもんかね」
料理を運び終えは女性は腰に手を当て料理を眺める。それと共にやくざたちが戻ってきた。
「すげぇ・・・・・・流石姉さんだ!」
「なめんじゃないよ。これくらい朝飯前ですらないね」
どや顔でそう言う女性。
「じゃあ、いただますわ」
「おう、早く食べちまいな。残したらけじめつけてもらうで」
『はいッ!!』
部屋中に声が響きわたる。それと共にやくざたちが料理に手を付ける。
「そう言えば姉さん。兄貴は戻ってきてないんですか?」
「そうさ、あいつったらまたどっかをほっつき歩いてやがるんだ」
「大丈夫なんすかね、これから博霊の巫女との戦いがあるかのしれないってのに・・・・・・」
「そん時はそん時だろう。大体、こんだけ頭数はあるのに女一人倒せなくてどうする?」
「それはそうですけど・・・・・・」
「そうだけなんだい?何かあるなら言いな」
「あの巫女、鬼のように強いって噂ですよ。戦った仲間からもそう聞いてますし・・・・・・」
「たかがそんなことで・・・・・・それでもあんたたち漢かい⁉男ならドンと胸を張っときな!」
「姉さん!!はいっ!!」
「分かったら、早く飯平らげてとっとと警備に戻りな!」
「分かりやした、姉さん!」
その声でやくざたちの食事のスピードが上がる。
「ごちそうさまでした、姉さん」
最後に食べ終わったやくざがそう言うと部屋は一気に静かになった。さっきの五月蠅さが嘘みたいだ。
「さて、片付けをしようかね」
テーブルに置かれた汚れた皿を台所に運び始めた。
その頃城峰邸の前には霊夢がいた。
「ここね、光輝が言っていた城ヶ崎組の本拠地ってのは・・・・・・」
見た感じは永遠亭や白玉楼のような古風の屋敷だ。
「おい、女。何処へ行く」
玄関にいた二人組の男に絡まれる。
「あいにくだけどね、あんたたちなんかにかまってる暇なんてないのよ」
霊夢はそう言うと二人の男のわき腹に重い拳を一撃ずつお見舞いした。
「じゃ、あたし先を急ぐから。あと一つ言っておくけど、喧嘩を売る相手を考えてから喧嘩を売りなさい。今回のようなことに二度と会いたくなかったらね。あたしだけラこれぐらいで済んでるけど、本当にやばい奴に手出したらあんたらの命はないと思いなさい」
やくざたちにそう言い残して屋敷に入る。
「さて、親玉はどこにいるのかしら」
いくつものの襖と勢いよく開け放ち、親玉探す。
ストンッ!!
襖が大きな音を立て開かれる。そこには一人の女が食器を洗っていた。
カチャカチャッ・・・・・・
部屋には食器を洗う音だけが部屋に響き渡る。
「あんた、ここの親玉の場所知らない?早く見つけたいのだけど」
「あんた馬鹿なのかい?普通知ってても教えないだろう!!」
女の手から泡付きの皿が霊夢に放たれる。霊夢はそれを軽々と避ける。
「ったく、危ないわね・・・・・・人に物は投げてはいけませんって習わなかったの?」
「あんたこそ、勝手に人ん家に入るなって親に習わなかったのかい?」
女は食器を洗うのをやめ、霊夢の前に立ちはだかる。
「屋敷の前には門番がいたはずだが・・・・・・」
「さぁ?そんなのいたかしらねぇ?」
「そうかい。まぁたいして期待はしていなかったが、落し前はきっちりつけてもらうか」
女は構えをとる。それに合わせて霊夢もお祓い棒を構える。
「少しは楽しませてくれよ!!」
一方その頃、自分達も屋敷の前に来ていた。
「これは、おそらく霊夢さんでしょうね」
「おそらくな」
門番の傷付いた姿を見て自分とさとりは思わず口に出してしまう。
「まぁとりあえず、行きましょう。さっさとリコさんを助けましょう」
「そうだな。光輝、行こう」
「あぁ」
光輝は返事をすると屋敷に入って行った。その後を付いていく自分とさとり。
「こりゃ、酷い・・・・・・」
屋敷のありさまはそうしかいいようがなかった。霊夢が手加減しているおかげなのか血はあまり飛び散っていない。しかし、男の身体が壊れた人形みたいに動かなくなっていた。
「息は、あるようだな・・・・・・」
光輝は男の呼吸を確かめる。
「おい、聞こえてるか。聞こえてるなら返事をしろ!」
「・・・・・・・・・・・・」
しかし、返事は帰ってこない。
「兄貴!帰ってきてたんですか⁉」
声のする方を見るとひとりの男が立っていた。
「今、博麗の巫女が侵入してきてこのざまなんです」
「その女はどこにいる?」
「おそらく姉さんと戦っているものかと・・・・・・」
「智美とか・・・・・・」
「ところで後ろの二人は誰なんです?見たことないですけど・・・・・・」
「新しく組に入りたいって者だ。ほら自己紹介しとけ」
さとりがこちらに目配せを送る。
「自分はレイって言います。どうぞよろしくお願いします‼」
普段は出さないような大きな声を出していった。
「あたしはさとりって言います‼よろしくお願いします‼」
悟りも普段聞かないような声でしゃべっている。
「そうか、俺は斎藤、斎藤 隆ってんだ。今は新入りでもありがたい。」
「こいつらは俺が連れていく。お前はケガしたやつらをあんぜんな場所に運び出しとけ」
「はいっ!」
「そしてもう一つ、俺がいない間に少女をこの屋敷の中で見なかったか?」
「少女ですか・・・・・・背丈はどれくらいで?」
「お前の胸あたりだ。身長はおそらく140センチぐらいだな」
「・・・・・・」
斎藤は腕を組み考え始める。
「あっ!そういえば昨日、少女を見ましたよ。確か新島の部下たちが親父のところに連れて行っているのを見ました」
「そうか、ありがとう」
光輝はそういうと斎藤の部屋を後にした。
「おい、お前ら」
『はい!』
「死んでも、兄貴のこと守れよ」
斎藤は自分たちにそう言って、けが人を安全な部屋へと運び始めた。
「行きましょう、レイさん」
「あぁ」
屋敷奥
「これはどういうことだ、新島」
「・・・・・・」
新島と呼ばれるスーツ姿の男は黙り込んだまま立っている。
「いつもカタギさんには迷惑かけるなっていてたろうが」
「お言葉ですが組長、彼女は迷惑とは思っていないといもいますよ」
「どういう意味だ」
組長と呼ばれる男は新島をにらみつける。
「逆に私たちに感謝していると思います。何故なら、彼女は死に場所を探していたのですから」
新島がその言葉を言った後、組長と呼ばれていた男からは重い拳が新島の顔面に炸裂していた。
「感謝していると思います?馬鹿言ってんじゃねぇ。人を殺そうとしておいてよくそんな口が叩けるな」
組長と呼ばれる男は後ろに飾ってあった大太刀を手に取り、鞘から抜き放つ。
「今まで目をつむって来とったが、そろそろケジメってもんをつけてもらわにゃいかんな」
組長の重い拳で外まで吹き飛ばされた新島は、口元の血を拭っていた。
「だから嫌だったんですよ、ヤクザに潜入なんて・・・・・・」
どこからか剣を出した新島は刃を組長と呼ばれる男に向ける。
「頭に血が上りやすい人間の集まりだから」
新島のその言葉が合図だったかのように二つの刃が重なり合い、辺りに金属音が響き渡る。
「お前さんとこうして刃交えるのは初めてか?」
「そうですね、私はあなたのような人と戦いたくありませんでしたから」
新島は組長の攻撃を受け止めながら答える。
「お前さん、なかなかやるじゃねえか」
「恐縮です」
新島は組長を押し、間をとった。
「こんな奴を失うとなるとちぃいと惜しい気もするが、けじめはケジメ。つけてもらわにゃいかんからな」
組長は再び新島との間を詰める。
「くっ・・・・・・」
組長の重い一撃で新島は数歩後ろに後退りをする。
「流石、外界で不死身の虎と詠われていたのは伊達ではないですね」
「そう簡単にやられてたまるか」
「少しこちらも本気を出したほうが良いようですね」
新島は精神統一を始める。すると新島に力が集約していくのが感じられた。
「さて、第二ラウンドと行きましょうか」




