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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
第二章 狂った六重奏《セクステット》 〜sextet~
40/50

第三十九話 異変の終息

こんにちは、こんばんは、おはようございます。


作者の桜 梨沙です。


投稿が遅れてしまい申し訳ございません。


今後もこのようなことがあるかもしれませんが、頑張ってたくさんの話を投稿出来たらと思っています。


読者の皆さん、今後ともよろしくお願いします。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」


(や・・・・・・った・・・・・・か・・・・・・?)


 息を荒げたままグラシャラボラスの方を確認する。かなり強い攻撃を喰らわせたはずだ。


(流石に・・・・・・立てないだろう・・・・・・)


「中々・・・・・・やりますね・・・・・・」


「!!?」


 グラシャラボラスは右腕をおさえながらゆっくりと立ち上がる。


 ボタッ・・・・・・ボタッ・・・・・・


 右腕からは紅い液体が地面に(したた)り落ちている。


「少々、貴方をなめてかかっていたようです・・・・・・」


(まだ、立つのかよ・・・・・・)


 さっきほど回復扇舞は舞ったものの、完全回復したというわけではない。多少ダメージは残っている。だが、それはグラシャラボラスも同じだ。グラシャラボラスは自分が受けた以上のダメージを受けている。


「確かに、貴方を侮ってはいけませんでした・・・・・・」


 苦い表情でこちらを見てくる。


「確かに、あのお方が目にかけるだけありますね・・・・・・」


「その、あの方っていうやつは、なぜ自分を()そうとする?」


 素朴な疑問を投げかけてみた。


「そんな事、私が知ったことではありません・・・・・・我が主のお考えなさることは私達には理解できないのです・・・・・・」


 グラシャラボラスは嘲笑しながらそう言うと、周りを見渡す。いつの間にか騒ぎが起きていた。あちらこちらで悲鳴が聞こえて来るとともに、逃げ惑う人々が大勢いた。


「そろそろ、私は身を引いたほうがよさそうですね・・・・・・騒ぎが大きくなって、博霊の巫女などが集まってきたようです」


「おい、逃げる気か!!」


「まぁ、そう焦らなくても。必ずあなたとはまた戦えますよ・・・・・・でも、その時は今回のようにうまくいくとは思わないことです。本気でいきますから・・・・・・最後とにいってはなんですが本気の一撃お見舞いして差し上げましょう」


 そう言うとグラシャラボラスは左手の人差し指でこちらを指し、何かを唱え始めた。


「我が手元から放たれる雷、汝を貫き通さん。


(・・・・・・何かを唱えている・・・・・・?・・・・・・)


「!!」


「もう遅い、雷矢(サルーマー・ベイロス)!」


 詠唱が終わった瞬間、グラシャラボラスの指からは雷が自分にめがけて放たれる。その雷は自分が驚くよりも早く、自分の身体を貫いた。身体に力が入らなくなり、立っていられなくなる。その後、強烈な痛みが身体を襲ってくる。


 カラァン・・・・・・!!


 地面に倒れ込むと同時に刀が手から離れ、音をたてて地面に落ちた。


「それでは・・・・・・」


 そう言い残すと、グラシャラボラスは目の前から姿を消した。眼の前に残ったのは真っ赤な血だまり。そして、自分の倒れているところにも、血だまりが出来ていた。


「レイ!どうしたのその怪我!?」


 霊夢が近寄ってきて、質問してくる。


「・・・・・・・・・・・・」


(れい・・・・・・む・・・・・・)


 返事をしようとするも、することが出来ない。口が動かないのだ。


「あんた、返事くらいしなさいよ!!」


 霊夢の声が大きくなる。しかし、自分の意識は少しずつ薄れていくのであった。


(・・・・・・・・・・・・)


 少しずつ霊夢の声が遠ざかっていく。


「・・・・・・レィ!!・・・・・・・・・・・・・・ィ・・・・・・」


 そして完全に意識は途絶えた。



 激しい戦闘だ。金属同士がぶつかり合い、辺りには火花が散っている。周りの大地は所々えぐられており、まるで滅びかけた世界を想像させるものであった。そこでは十五人が戦闘を売り広げていた。14vs1。14人の方が優勢の様に思われたがそうではないようだ。逆に1人のほうが14人を押しているようにも見える。


「このまま攻撃し続けてもこっちが負けるだけよ!!」


「確かに、こいつの前では何もかもが無駄な行為だ!!」


「六人は・・・の準備を!!!」


「何馬鹿なこと言っているの!?私達が抜けたら、あんた達下手すれば死ぬわよ!!」


「ふんっ、なめないで頂戴。私達にも数分ぐらいなら出来るわよ」


「分かったわ」


「なっ、何を言っているんですか!?彼女たちを見殺しに・・・・・・」


「そんな言っている暇があるのなら早く準備をしなさい!!!!」


「・・・・・・はい・・・・・・」


「他の奴らは皆了承で良いわね!!」


「もちろんよ」


「無論だ」


「異論は無し」


「当たり前じゃない」


「じゃあ、頼んだわよ六人共!!!」


『了解!!』


 その返事で六人の人物が一旦、攻撃から抜ける。


「その他は全員、全力攻撃!!!」


『応ッ!!!!!』


 一人の女と思われる人物の掛け声で、八人は一斉に攻撃を繰り出す。


「愚かな・・・・・・」


 しかし、男は、動かず、その攻撃を全て受け流している。


「・・・・・・ニャッ・・・・・・」


 不適な笑みを浮かべる男。その態度は彼らに対して挑発的な態度のように思われた。


「ちっ・・・・・・なめやがって・・・・・・!!」


 その態度に苛立ちを覚えたのか、一人が他の七人とずれて行動をする。


「おい、連携を崩すな!!!」


 その声が響き渡った時にはすでに遅かった。男は右手を掲げる。


「愚かな者達よ、我に立ちはだかったことを後悔するがいい。我が名において貴様らに裁きを下す。天にニ日無く、土に二王無し・・・・・・」


「やばい!この詠唱は!!」


「もう、遅い」


 男が手を振りかざしたその時、彼を中心に大きな爆発が起きた。



「・・・・・・・・・・・・」


 目覚めたのはベッドの上。


(何だったんだ今の・・・・・・)


「夢・・・・・・なのか・・・・・・?」


(それにしては生々過ぎる・・・・・・)


 まるで自分が体験したことがあるようなものであった。


 ガラッ・・・・・・


 障子が開き優曇華が入ってくる。


「!!師匠!!レイさんが目を覚ましました!!」


 自分が起きていることに気づくと急いで永琳を呼びに行った。


(騒がしい奴だな・・・・・・)


 優曇華はすぐに永琳を連れて返ったきた。


「やっとお目覚めかしら?」


「まぁな、それより、グラシャラボラスはどうしたんだ?」


「さぁ、知らないわ。少なくとも貴方が眠っていた一週間はグラシャラボラスのことは耳にしてないわ。優曇華は何か聞いてるかしら?」


「いいえ、霊夢さんの所にも行きましたけどグラシャラボラスって人の話は聞きませんでした」


「だそうよ」


「そうか・・・・・・」


 あれだけ手負いしたのだ。グラシャラボラスもすぐには異変をおこせないのだろう。


(あれが・・・・・・あいつの本気・・・・・・)


 最後に喰らった一撃を思い出す。


(あんなの初めから出されていたら、確実に自分は成すすべなく殺されていた・・・・・・)


 あの攻撃に自分は反応すら出来なかった。


(これから幻想郷を守っていく中であんな奴らがゴロゴロと出てくるのか・・・・・・)


 そうなると、今のままじゃダメだ。今のままでは幻想郷どころか、人一人すら守れない。


(強くならなければ・・・・・・)


 そう決意を固めた自分は、ベッドから立ち上がる。


「あら、もう何処か行く気?」


「あぁ、そういえば霊夢さんがレイさんが起きたら博霊神社を訪ねてくるように言伝を預かっていますけど」


「霊夢が?」


「えぇ、急用だそうです」


(自分、何かしたか・・・・・・・・・・・・?」


 心当たりはなかったが、急用というぐらいだ、何か用があるのには違いない。


「分かった。じゃあ、博霊神社を訪ねてみる」


「優曇華、レイを博霊神社まで送ってきなさい」


「はいっ!!」



 その頃、幻想郷のある場所では・・・・・・


 円卓を囲うように九人の人間が座っている。


「グラシャラボラスはどうした?」


 一人の男が問う。


「現在、対象にやられた傷を療養中だそうです」


「あれほど本気で殺せと忠告したはずだが」


「しょうがないっすよ、あいつは悪魔。人を弄ぶのが(さが)なんす」


「あんたも対して変わらないでしょう?」


「あぁん!!お前、この俺様に喧嘩売ってんのか!?」


「静まれ」


 その一言で、場の空気は凍りつく。


「無駄な争いごとはするな。そんなことをするためにここに集まったわけではない。そんな余力があるのなら、少しでも残しておけ」


『はっ!!』


「対象の動きはどうだ?」


「対象は、現在永遠亭で療養中だそうです」


「八意可・・・・・・」


「攻め込みますか・・・・・・?」


「いや、まだだ。まだこちらもそう急ぐときではない。もう少し慎重に行動する」


『はっ!!』


「では、一ヶ月後の会議まで対象を抹殺できる作戦を各自考えておけ。それまで、対象の干渉は禁ずる」


 そう言うと男は立ち上がり、暗闇の中に消えて言った。


「ちっ、つまんねぇの・・・・・・」


「あの人も、あの人なりの考えがあるのだろう。今はそれに従うべきだ」


「はいはい、わっかりました。肝に銘じておきますよ」




 一方その頃幻想郷の深い森の中では、二つの影が何かを話していた。


「なぁ、あいつどう見ても・・・・・・」


「そうね、確実に彼で間違いないわ。でも何故?」


「考えられるのは二つ。たまたま今が彼の目覚めの周期に重なっただけなのか、それとも・・・・・・」


「それは、言わないで。その可能性は信じたくはない」


「信じたくはないって言ったって・・・・・・前者の可能性は限りなく低いぞ」


「確かに、そうだけど・・・・・・今のまま幻想郷の力だけじゃ彼を抑えられない」


「やっぱり・・・・・・あいつじゃ無理なのか?」


「ええ、弱すぎる。それに、前の時の半分以上の人物が行方不明。死亡説だってあるわ」


「じゃあ、どうすんだよ・・・・」


「あいつはまだ本当の力に目覚めていない」


「じゃあ、あいつが本当の力に目覚める前にこ・・・・・・」


「あなたは馬鹿なの?殺せたらこんなこと私が考えたりしないわよ。あいつはあの技しか効かない。そのことは貴方も重々承知でしょう?」


「まぁな・・・・・・」


「今の私達にできることは、たった一つ。それは幻想郷の平和を守り通すこと。そうすれば、彼は何の害はない」


「でも、それも厳しいんじゃないか?数日前だってグラシャラボラスとかいう、変な輩が彼を殺そうとしているんだぜ」


「殺すったって、殺せるわけないじゃない。殺したら何もかも破滅よ?」


「じゃあ、私たちはそいつらからも彼を守らなきゃいけないって事か」


「そう言う事ね。できなかったら破滅。仮にできたとしても、多大な犠牲が出るのは確実だわ。もちろん、やらないって選択は論外。自ら死を選ぶような真似をする愚者とは自分は違う」


「どちらを選んでも悲劇・・・・・・か・・・・・・」


「あながちそれは間違っていないわね。でもやるしかないの」


「了解・・・・・・私も出来るだけ協力する」


「その返事期待していたわ」


「で、私は何をすればいい?」


「そうね、今、警戒すべきは二つ。グラシャラボラスとかいう人物の入っている組織の事と・・・・・・」


「あの女、だろう」


「そう。あいつはかなりの厄介者。頭が切れるから、あんまりあいつのことは好きじゃないんだけどね」


「それは、私も。でも、あんたの方があいつよりも頭良いだろう」


「無論。私が負けるなんてありえないわ」


「まぁ、それで前あいつにコテンパにされたんだがな」


「・・・・・・・・・・・・」


「スマン・・・・・・言いすぎた」


 怒っていることに気づいたのかすぐさま謝る。


「まぁ、いいわ。それより、まだ、あいつらが動いていないってのが幸運ね」


「私はそいつらの監視を行えばいいのか?」


「あら、話が早くて助かるわ。流石一緒に戦った仲間だけあるわね」


「それは、昔の話な。今は違うだろう?」


「まあね」


「じゃあ、もう一度頑張ってみますか」


「くれぐれも皆に気付かれない程度に動いて。分かった?」


「了解」


「じゃあ、解散。誰にも見付からないように」


 そういうと、二人の人物は別れた。



 幻想郷とは別の空間に存在する館では・・・・・・


「あいつが戻ってきたか・・・・・・彼女にそれをきいたときは驚いたが、今考えれば別に驚くことじゃなかったな・・・・・・」


「お父様、三人とも参上いたしました」


「よく戻って来てくれた。これから大変なことになるから今は身体をゆっくり休めておくがいい」


『はっ!!』


 そういうと、三人の女性は部屋を出て行った。


「さて、問題はあいつか。彼女がどう動くかは分かり切っている。問題はもう一人だな・・・・・・あいつがどうですかによってこちらの対処もかわってくるんだが・・・・・・」


 男は頭を抱えこむ。


「・・・・・・これを使うべきなのか・・・・・・」


 男の視線の先にあったもの、それは巨大な時計だった。幾つものの歯車が大きな音を立てて動いている。


「いや、そうと決まったわけではないか・・・・・・」


 そういうと男も部屋を出た。




 一方、八雲紫の屋敷では・・・・・・


「・・・・・・・・・・・・」


「紫様、どうなされたのですか?一時間ぐらいボーっとしておられますけど・・・・・・」


「・・・・・・なんだか、嫌な予感がするのよ・・・・・・」


「いやな予感と言いますと?」


 紫の言葉の意味が分からなかった藍は首をかしげながら聞き返す。


「そのままよ。いやな予感は嫌な予感よ」


「具体的には、どんなの事なのでしょうか?」


「具体的に・・・・・・ね・・・・・・」


 紫の言葉が詰まる。


「・・・・・・具体的に言うなら、昔味わった嫌な予感と同じって所かしら?」


「昔?」


「えぇ、昔。幻想郷が幻想郷と呼ばれていなかった頃のことよ」


「それは異変か類なのでしょうか?」


「そうね、異変の類よ」


「それなら、霊夢が何とかしてくれますよ。なんたって幻想郷一強い博霊の巫女なんですから」


「・・・・・・そうね・・・・・・」


 紫は空を見上げる。その顔は何かを心配しているように見えた。


「きっと・・・・・・起こるわけないわよね・・・・・・前みたいな・・・・・・あんなこと・・・・・・」


 そういうと、紫はスキマの中へ姿を消した。


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