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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
第二章 狂った六重奏《セクステット》 〜sextet~
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第三十六話 異変の黒幕

「・・・・・・」


 紅魔館の前まで自分とリコ。紅魔館の変わり果てた姿に自分は絶句してしまった。


「何なんだ、この有様は・・・・・・」


 門も崩れており、館内へと続く道にはがれきが大量にある。


『アハハハハハ!!!』


『!!?』


 狂気じみた笑い声が辺り一帯に響きわたる。爆発音も聞こえてきた。


「なんだか・・・・・・やばそうですね・・・・・・」


(こちらとしては、すぐに助けに向かいたいんだが・・・・・・)


「問題は、どうやって中に入るか・・・・・・だよな・・・・・・」


 館内へと通じる道がこの有様だ。


(この瓦礫をどかして中に入るのが確実だが・・・・・・)


 瓦礫の一つ一つの大きさは大きい。今いるのは二人。力のない男と幼気(いたいけ)少女。まずもって無理だろう。


(もし仮に出来たとしてもだ、この量じゃ時間がかかりすぎる)


「どうしたものか・・・・・・」


 考えようとするも焦りが邪魔をして、考えがまとまらない。


「あの・・・・・・何処かに紐を引っ掛ける場所はありませんか?」


「紐を引っ掛ける場所?・・・・・・何でそんなこと急に聞いてくるんだ?」


「そんなこといいですから、言う通りにしてください」


「・・・・・・・・・・・・」


 リコが何を考えているのかは分からなかったが、一応言われる通りにに紐を引っ掛ける場所を探した。


「なぁ、ホールの上にあるシャンデリアなんてどうだ?」


 シャンデリアが目に入ったので提案してみる。


「あれは・・・・・・いや、あれにしましょう。あなたは少しじっとしといてくださいね」


「じっとって、お前さん何する気だ?」


「フックショットの要領で館内に入ります」


「フックショット?いやいや、自分達は何も道具を持っていないじゃないか。それなのにどうやって・・・・・・」


「こうするんです」


 そういうとリコは左手から糸のようなもの出した。紅い糸。それは永遠亭で見たあの糸と似ていた。その糸は自分の腰に巻き付いていく。そして、右手からも同じように糸を出す。それをシャンデリアに結び付けた。


「おい、まさか・・・・・・」


「意識が飛ばされないように頑張ってくださいね」


 そういうと、リコは右手の糸を短くした。それと同時に、二人の身体は宙に舞う。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!」




 レイが絶叫している少し前、紅魔館館内では激しいたたかいが繰り広げられたいた。


「禁忌 恋の迷路‼」


「禁忌 レーヴァテイン‼」


「禁弾 過去を刻む時計!!」


「禁忌 フォービトゥンフルーツ!!」


 フラン達四人が同時にがスペルカードを唱える。


『!!!!??』


「ちょっ、四人同時にスペル発動なんて、反則じゃない!!」


 館内はフランの弾幕で埋め尽くされる。


「ちょっ、咲夜さん。流石にこれを避け続けるのは無理ですよ!!」


「ちっ・・・・・・さすがにこの量の弾幕は厄介ね・・・・・」


「咲夜あんたもなんかスペルカード使いなさい!!」


「分かったわ。美鈴あなたもよ!!」


「はい!!」


「夢符 封魔陣!!」


 霊夢を中心に青と赤の結界が放たれた。


「虹符 彩虹(さいこう)の風鈴!!」


 美鈴からはカラフルで細かい弾幕が放たれる。


「メイド秘技 殺人ドール!!」


 咲夜からは大量のナイフが放たれる。三人のスペルカードの弾幕はフランの弾幕を全て消し去った。


「やった・・・・・・のかしら・・・・・・?」


 三人視界からフランの姿が消える。


「いや、今のあいつだったらまだ戦えるはずよ」


 霊夢は警戒を強める。


「確かに嫌な気が感じられます・・・・・・」


 美鈴の言葉で三人はさらに警戒を強める。館内に少しの静寂が流れた。


「・・・・・・咲夜さん!!後ろ!!」


 美鈴の声がその静寂をかき消した。


「!!!?」


 咲夜は後ろを向いた時には遅かった。その時にはすでにフランは咲夜の背後におり、レーヴァティンで咲夜の胴を貫いていた。


「ガハッ・・・・・・・」


 吐血する咲夜。


「アハハハハハハ!!!コレデヒトツコワレチャッタネ!!アハハハハ!!」


 フランが咲夜からレーヴァティンを引き抜く。それと同時に咲夜の身体は崩れるように倒れた。


「夢符 夢想封印!!」


 フラン目掛けて弾幕が飛んで来る。フランはそれを軽々と避けた。その間に美鈴が咲夜に近寄り咲夜の容態を確認した。


「咲夜さん、咲夜さん!!しっかりしてください!!」


「・・・・・・・・・・・・」


 返事が返ってこない。美鈴は咲夜の呼吸を確認した。


「美鈴!!咲夜の容態は!!?」


「なんとか息はしています。なんとか急所を外しているようです。ですが・・・・・・出血が酷すぎます!動かすのも危険です。このままだと咲夜さんは・・・・・・」


「美鈴!!危ない!!」


「!!」


 美鈴を後ろから刺そうしたフランと美鈴の間に霊夢がはいり、お祓い棒でレーヴァティンを受け止める。


「ちょっと、まずくなってきたわね・・・・・・」


「アハハハハ!!ツギハダレガコワレルノカナ!!アハハハハハハ!!」


「ちっ・・・・・・」


 その時————


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!」


 叫び声と共に何かがこちらに向かって飛んできた。それはフランと霊夢の間に飛んで来る。


「!!?」


 フランは驚きながら霊夢と距離をとった。


 グラッ・・・・・・ギィ・・・・・・ギィ・・・・・・ギィ・・・・・・


 糸の結び付いていたシャンデリアが嫌な音をたてて揺れる。


 バチンッ!!


 やがて鎖は切れ、フラン目掛けて落下した。フランもあまりにも急だったため、避けることが出来ず、

 フランはシャンデリアの下敷きになった。


 ガシャ——――――――ン!!


 シャンデリアの破片がホール中に飛び散る。


「いててててててっ・・・・・・・・・・・・」


 痛みを我慢しながら立ち上がる。


「レイ、あんた遅いわよ!!」


「すまん、少し寄り道をしていた」


「ふーん、それはわかったけど、なんであんたはリコと一緒なのよ」


「・・・・・・・・・・・・」


 聞かれることはわかっていた。


「それは・・・・・・」


「アハハハハハ!!」


 狂気的な笑い声が自分の言葉を遮った。


『!!!!??』


 フランの上にあったシャンデリアが急に四散し、下敷きになっていたフランが立ち上がる。


「サスガダネ!!ヤッパリコウデナクッチャ!!」


(おいおい・・・・・・あの子どんだけ化物なんだよ・・・・・・シャンデリアの下敷きになっても立てるって・・・・・・)


 硝子の破片切ったのかでところどころから出血しているフラン。それがフランの狂気さを際立たせていた。


「まぁ、それは後で聞くわ。今はフランの暴走を止めるわよ!!」


「応!!」


 鉄扇を構える。リコも鋏を剣と銃に分けて戦闘態勢に入った。


「アハハハハハ!!アタラシイオモチャカナ?」


「前に見た時と全然性格が違うんだが・・・・・・」


「感情が暴走しているのよ。気を付けなさい。気を抜いていたら、咲夜みたいになるわよ」


(霊夢の言う通り、確かにやばそうだ・・・・・・)


 なんだかリコと戦った時と雰囲気が似ている。


「・・・・・・・・フフッ・・・・・・」


 不適な笑みを浮かべるフラン。フランはレーヴァテインで自分を狙ってきた。


 ガキィーン!!


 嫌な金属音が自分の眼の前で響いた。


「リコ!!」


「ボーっとしないでください!!」


 リコが剣でリコの攻撃を受け止めていた。


「リジッドショット!!」


 銃口とフランに向け、フランを後退させる。


「アハハ!!サッキヨリモオモシロイヨ!!ナラワタシモ!!」


「禁忌 禁じられた遊び!!」


 十字のレーザー状の弾幕が飛んでくる。


「レイさん!!あなたは左から仕掛けてください!!私が右から仕掛けます!!」


「分かった!!」


 自分とリコは二手に分かれ、フランに近づく。


「これでも喰らえ!!」


「フルフェアショット!!」


 リコの銃が火を吹く。フランが弾幕を放つ量と同じくらいの弾をだ。


「アハハハハ!!」


 それを軽々と避けるフラン。そのせいでフランを挟んでリコの正面にいた自分に大量の弾が飛んできた。


「ちょっ、こっちのことも考えろっつうの!!」


 弾を避けながら、フランに近づく。


「扇舞 鳳凰扇舞!!」


 いつもの技で攻撃する。しかし。一撃も当たりはしなかった。


(くっ・・・・・・動きが速い・・・・・・)


 フランは空中に逃げた。


(おいおい・・・・・・飛ぶのは反則だろ・・・・・・)


 飛ばれてしまったらこちらが戦うすべがない。


「わたしもいること忘れていないでしょうね」


「!!!?」


 霊夢がフランの飛んでくる位置を予想していたのか、すでにそこは霊夢の姿があった。


「これでも喰らって大人しくなりなさい!!」


「神技 八方龍殺陣!!」


 大量のお札がフランを取り囲む。


「クッ・・・・・・マダ・・・・・・マダダ!!!!」


「秘弾 そして誰もいなくなるか・・・・・・?」


 そのスペルカードを唱えると、フランの姿が消えた。


「消えた!!?」


「ちっ・・・・・・最後に厄介なスペルカードじゃない・・・・・・レイ、リコ、気を付けなさい。このスペルカードの間はフランに攻撃は効かない。このスペルカードが終わるまで、弾幕を避け続けるのよ!!」


「分かった」


「分かりました」


 霊夢の言う通りに弾幕を避けることに専念する。どうやら弾幕は追跡型のようだ。三人に一つずつ青色の追跡型弾幕が飛んでくる。


「下手に動きすぎると避ける場所がなくなるから、考えて動きなさい」


 追跡弾幕以外の弾幕がゆっくりと自分のいる方向に飛んでくる。


「確かに、厄介そうな弾幕だ」


 数十秒したところで、弾幕の量が増えた。


「おいおい、聞いてないぞ!!」


 さっきよりも避けるのが難しくなる。もう喋る余裕すらなくなっていた。数十秒後。また弾幕が変わる。

 さっきとは違い、追跡型の弾幕ではなく。規則性のある弾幕。色によって動きが異なるようだ。


(さっきもやつも難しかったが・・・・・・こっちも相当なものだな・・・・・・)


 先程よりも少し長かったが何とか避けることが出来た。


「アハハハハ!!サスガダネ!!ソウデナクッチャ!!」


「QED 495年の波紋!!」


 フランから青色の弾幕が放たれれる。それはは名前の通り波紋のように広がっていく。そして厄介な弾幕である。


「・・・・・・くっ・・・・・・巫女さん!私が活路を開きます。その間に攻撃してください!!」


「分かったわ」


 霊夢の返事を言いたリコは剣と銃を鋏に戻した。


「断符 光風霽月(こうふうせいげつ)!!」


 リコがそう言って鋏を刃を合わせる。


 ジョキィーン・・・・・・


 金属音がホール中に響き渡る。それと共に、ホールすべての弾幕が消えてなくなった。


「ナッ!!?」


 フランはそのことに驚いた。


「今です!!」


「神霊 夢想封印!!」


 霊夢からカラフルな大玉弾幕がフラン目掛けて放たれる。リコの行動にあっけにとられていたフランはそれを全て喰らった。


「・・・・・・・・・・・・」


 フランが地面へと落ちていく。


「レイさん!!その子を受け止めて!!」


「お、おぅ」


 リコに言われ、上を見ながら、フランを受け止める。


「よいしょっと」


 受け止めたフランを地面に寝かせる。寝息を立てている。死んではいないだろう。


「やっと、終わったわね・・・・・・」


 霊夢は地面に足を付け、フランに近づいてくる。


 ペタッ。


 フランの額にお札を貼り付ける。


「これで、よしと」


 そう言うと、こちらを向いた。


「それで?さっきの事話してもらおうじゃ・・・・・・」


「おやおや、やっと見つけましたよ」


『!!?』


 聞き覚えのある声。


「もう!なんであんたらはわたしが話しているのに邪魔してくるのかしら」


 霊夢は地団駄踏む。


「レイさんが見つけて下さったのですね。ありがとうございます」


 フェンルオとレンだ。


「さぁ、リコ帰るぞ」


 二人はリコに近寄ってくる。


「ちょっと待った・・・・・・」


 鉄扇を抜き放ち、リコを守るように間に入る。


「・・・・・・なんのつもりです?」


「あんたにリコはわたせない・・・・・・」


「・・・・・・どういう事でしょうか?」


「あんたたち・・・・・・本物のレンとフェンルオなのか?」


 未だに自分はリコが本当も事を言っていると確信は持てていなかった。


「・・・・・・何をおっしゃっているのですか・・・・・・・?」


「答えてくれ・・・・・・」


「もちろん、本物に決まって・・・・・・」


 レンが怒鳴り胸元を掴んできたその時、


「・・・・・・・・・・・・」


 リコが小さな声で何か言っていた。


「何だって?」


 レンは聞き返した。


「私の過去で、遊ぶなぁ——―――――!!!!!!!!」


 リコの鋏がレンに向かって投げられた。それがあまりにも急だったため、レンは避けることが出来ず、胴が真っ二つに切れ、その後ろにいたフェンルオは首が切れた。


「なっ・・・・・・・」


 あまりにも急だったため自分の言葉が出なかった。


「何だ、気付いていたのですか・・・・・・」


『!!?』


 物陰から一人の男が出てきた。


「グラシャラボラス!!」


「また会いましたね、レイさん。あなたとは何かしら縁があるようです」


 グラシャラボラスの言葉と共に、レンとフェンルオの身体が崩れていく。


「所詮、藁人形でしたから。あてにはしてませんでしたけど・・・・・・少しは役にたってくれたようです」


「全部、お前の差し金だったのか・・・・・・」


「まぁ、そう言うことになりますね正確に言えば私の主ですが・・・・・・」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 リコが叫びながらグラシャラボラスに殴りかかろうとする。その叫びは悲痛で自分達の心がものすごく痛んだ。


「あら、話の邪魔はいけませんよ・・・・・・」


 そう言ってリコの方向に掌を向ける。すると、リコはその場から一歩も前に歩けなくなっていた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 本人は前に行こうとしているのだろう。しかし、グラシャラボラスの見えない何かの力で、リコは今の場所から一歩も前に進めないのだ。


「自暴自棄になって敵に殴りかかるのはよい手段だとは私は思いませんが・・・・・・少しうるさいので、静かにしてもらえませんか?」


 リコの身体が何かに押され、壁まで吹き飛んでいった。


「リコッ!!」


「安心してください、死んではいませんよ」


「くっ・・・・・・リコに何をした・・・・・・!!」


 鉄扇を握り直し、グラシャラボラスの行動を警戒する。


「おっと、待ってください。そんなに警戒しないでください。わたしは戦いたくありません」


「へぇ・・・・・・幻想郷を脅かそうとしている奴が戦いたくないなんて、信じられないわね・・・・・・」


 霊夢もお払い棒を握りしめ、警戒する。


「確かにあなたの言う通りですね、博霊の巫女。しかし、私の用件は済みましたのでこれで・・・・・・」


「逃げる気かしら?」


 戦闘態勢に入る霊夢。


「無駄ですよ。あなた達の力では私とはまともに戦えませんよ?」


「ふん、言ってくれるじゃない。」


「あなたの戦い方はもう知っています」


「!!?」


 霊夢の背後にはさっきまで前方にいたグラシャラボラスが、霊夢の背後にいた。それに、驚いた霊夢はすぐに間をとる。


「夢符 夢想封印!!」


 霊夢からカラフルな弾幕がグラシャラボラスに向けて放たれた。グラシャラボラスの周りに砂煙が巻き上がる。


「・・・・・・また会いましょう、レイさん。その時には強くなってていて下さいね。」


 砂煙の中からグラシャラボラスの声が聞こえてくる。


「はっ!!」


 霊夢はお札を砂煙の中のグラシャラボラス目掛けて投げる。しかし、お札はグラシャラボラスに当たることはなく、壁に突き刺さった。


「・・・・・・最後に手土産とは言ってはなんですが・・・・・・そのお二人に再度魔力を込めましたから・・・・・・頑張って倒してくださいね・・・・・・」


『!!!!?』


 グラシャラボラスの言葉で、自分と霊夢はレンとフェンルオの崩れた方を見る。


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・ァア・・・・・・」


 そこには先ほどの姿とは全く異なる二人がいた。肌は闇のようで、目は赤く、レンとフェンルオの服を着た化け物のような姿だった。


「ちっ・・・・・・」


(あの野郎、また面倒なことを・・・・・・)


「レイ、あんたまだ戦えるかしら?」


「一応な」


「せいぜい死なないようにね!!」


「応っ!!!」


 二人の掛け声によって戦いの火蓋が切られた。



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