第三十五話 狂気!! フランドール・スカーレット
レイが森で迷っている頃、霊夢は紅魔館の中にいた。
「で、この霧は何なのよ。答え方次第では、あんたをしばき倒すわよ」
霊夢はレミリアと話をしている。
「フランが暴走したのよ」
「暴走・・・・・・?何よ、またあの狂気状態に入ったわけ?」
「えぇ」
「・・・・・・でも、それっておかしいんじゃない?だってフランは前の暴走で、自分の感情のおさえ方を覚えたはずよ」
「確かに、そうね。前回の暴走でフランは感情のおさえ方を知っているはず・・・・・・ね。でも、現にフランは暴走している。そのことは事実に変わりないわ」
「・・・・・・で、フランは今どこにいるの?」
「今は地下に閉じ込めているわ。だけど・・・・・・万が一外に出たら・・・・・・」
「太陽の光でフランの身体は灰になるってこと?」
「そういうことよ。だから霧を張ったの」
「ふ~ん、吸血鬼に日光は死につながるって訳ね」
「そう言う事よ、分かって頂戴」
「じゃあ、フランの暴走はいつ終わる訳?いつまでも続いていると、さすがにこっちに迷惑なんだけれど」
「すぐにおさまるわ・・・・・・と言いたいところなんだけれどね・・・・・・なんだか今回も何かが違うみたいなのよ・・・・・・」
「違う・・・・・・?何がよ」
「私には分からないわ・・・・・・ただ何かが違う、そうしか言えないわ・・・・・・・何かあった時は前回みたいに、また協力してもらうかのしれないわ」
「お嬢様!!!!」
大きな音と共に小悪魔が入ってきた。
「そんなに急いでどうかしたの、こあ?」
「妹様が脱走しました!!!!!!」
「なんですって!!!」
「今は咲夜さんが館内を捜索中です」
「紅魔館を総動員しなさい。なんとしてでもフランを探し出すのよ!!!」
「はい!!!」
「霊夢、あなたも手伝ってくれるかしら」
「・・・・・・ハァ、仕方ないわね。あとで酒と金を用意しときなさい」
「分かったわ」
そう言って三人は部屋を出る。
ドガーン
爆発音が館内に響き渡った。
「ホールからだわ、急ぎましょう!!!」
三人が駆け付けた時にはホールはすでに半壊状態にあった。そんなホールには咲夜とフランがいた。
「咲夜!!大丈夫!!?」
「お嬢様、はい、この通り」
「アハハハ!!オモチャガフエタネ!!!」
「ちょっと、あれやばいんじゃない・・・・・・?」
「確かにやばいわね、一撃で仕留めましょうか」
「神槍 スピア・ザ・グングニル!!!」
レミリアは槍を作り、フランめがけて投げる。
「ソンナモノハキカナイヨ!!アハハハ!!!」
フランはレミリアのグングニルを軽々と避ける。
「ミンナデアソビマショウ!!!アハハハ!!!」
狂気じみた笑い声が館内に響き渡る。
「全員死なないようにね!!!」
「アハハハ!!!」
フランから、大量の弾幕が四人に向けて放たれた。四人はそれを軽々しく避け、戦闘が始まった。
一方その頃、自分と雲雀は紅魔館に走って向かっていた。
「あとどれくらいで紅魔館に着くんだ?」
一向に森を抜ける雰囲気はない。
「黙ってついてきてください」
「・・・・・・」
数分後、森を向け、見覚えのある場所に出た。
「ここは・・・・・・」
(・・・・・・霧の湖・・・・・・・だったか・・・・・・?)
「ここまででいいですね?」
「えっ・・・・・・いや、紅魔館までまだ距離はあるけど・・・・・・」
「もう十分でしょう?目的の紅魔館はもう目の前にあるんですよ。もう一人でいけるでしょう?」
なんだか早くこの場を去りたいような口調で言ってくる。その時、
ドゴォ――――――ン!!!!!!
爆発音が辺り一帯に響き渡る。
「何だ、何だ、何だ?」
(・・・・・・紅魔館からか・・・・・・・?)
何かあったのだろうか。紅魔館の方向を向く。
「!!!」
紅魔館から煙が立ち上っていた。
「なんかやばそうなんだが・・・・・・」
「急いだほうが良いのでは?」
「言われなくても判っているが・・・・・・」
「じゃあ、私はここで、さようなら」
雲雀はそう言うと、姿を消した。
「おい――――――!!!!!!」
(あいつ・・・・・・逃げたな・・・・・・)
逃げられたなら仕方がない。自分一人で行くしかない。
「しっかし、どうしたものか・・・・・・」
(・・・・・・このまえはチルノたちを目印に紅魔館にたどり着けたが・・・・・・今はあいつらいないもんな・・・・・・)
「私が案内する、紅魔館まで」
「そうなのか?それはありがたい。あいにく、方向感覚がなくてな・・・・・・」
(・・・・・・ん・・・・・・?)
聞き覚えのある声。声のした方向を振り向く。
「・・・・・・なんだ、リコか・・・・・・リコ!!?」
驚いて、つい、二度見してしまった。
「そんなに驚いてどうかした?」
「いや、どうかした?じゃない!!いつからいた!!?」
「いつからって、あなたが家を出たときからですけど?」
「家を出た時って・・・・・・」
(要するに・・・・・・最初からって事じゃないか・・・・・・)
「はぁ・・・・・・お前さんは今自分がどんな状況に置かれているのかわかっているのか・・・・・・?」
「・・・・・・」
「お前さんはレンや、フェンルオの偽者に探されているんだぞ?だから、自分の家にかくまっていたのに・・・・・・自分から外に出るなんて、猛獣の前にエサがひょっこりと歩いてきているのと変わらないんだぞ?そこんとこ理解して外にいるのか?」
「分かっているよ!ちゃんとそこんところは理解してる」
「じゃあ、なんで・・・・・・」
「カレーのお礼・・・・・・してなかったから・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・?」
(今、カレーのお礼とか聞こえたんだが・・・・・・聞き間違いか・・・・・・)
「すまん、紅魔館から聞こえて来る爆音で聞こえなかったからもう一度頼む・・・・・・」
「だから!!!カレーのお礼って言っているんです!!!!!!」
「・・・・・・ハァ?」
一瞬リコが何を言っているのかわからなかった。
「あぁ、もう!!つべこべ言わずに急いでいきますよ!!!!」
リコはそう言うと森の中を進んで行った。
(・・・・・・何なんだ・・・・・・リコの思っている事がさっぱり分からん・・・・・・)
「・・・・・・おっと、おいてかれちまう。急がなきゃな・・・・・・」
リコの行動に疑問を抱きながらも、自分はリコの後をついていった。
「アハハハ!!ナカナカヤルネ!!ジャア、コレナラドウカナ?」
「禁忌 クランベリートラップ!!!!」
部屋の隅に四つの魔法陣が現れる。
「!!!?」
それはいつもの知っているスペルカードとは違っていた。
(フランのスペルカードが強化されている!?)
大玉が四人の視界を埋め尽くす。
「夢符 二重結界!!」
霊夢の結界によって、フランの弾幕は消滅する。
「全員気を付けなさい。フランのスペルカードが強化されているから、いつも通りに戦っていたら、死ぬわよ」
「そうかしら?私はたいしてそう感じなかったのだけど・・・・・・」
「それはあんたがいつものフランの弾幕を見ていないからよ、レミリア」
「確かに私も妹様の弾幕が違うのが分かります」
「咲夜も判るの?・・・・・・こあは分かった?」
「今の妹様の弾幕も、いつもの妹様の弾幕も私には地獄にしか見えません!!!!!!」
「あら、そう・・・・・・」
「サスガダネ!!!!ジャア、コレナラドウカナ!!!!」
「禁弾 カタティオブトリック!!!!」
再びフランが、スペルカードを発動した。もちろんこのスペルカードもいつもとは違う弾幕が放たれる。
「!!・・・・・・確かに、前回の弾幕とは違うみたいね・・・・・・なら私も」
「紅符 スカーレットマイスタ!!!!」
レミリアの弾幕とフランの弾幕が大量に放たれる。それはフランの弾幕を相殺した。
「ちょっと!!レミリア、あんた、そんなに弾幕放ってたら戦いずらくなるでしょうが!!!!周りの事も考えなさいよ!!!!」
「あら、ごめんなさい。でも、霊夢なら戦えるでしょう?」
「まあね、別にあんたの弾幕が追加されたって私は避けれるけど」
「こあは大丈夫?」
「なっ、なんとか・・・・・・大丈夫です」
「キャハハハハ!!ヨケタヨケタ!!キャハハハハ!!!ジャア、コレハドウカナ!!!」
「禁忌 カゴメカゴメ!!!」
緑色の弾幕が四人を隔てた。そしてフランから、黄色の大玉弾幕が飛んでくる。
「咲夜!!頼めるかしら?」
「もちろんですお嬢様」
「光速 C.リコシェ!!」
ナイフが咲夜から放たれる。
「コンナノアタラナイヨ!!」
フランは軽々しく避ける。ナイフはそのまま壁向かっていく。そして、ナイフが壁に振れた瞬間、ナイフ跳ね返り向きを変え、またホール中を飛んでいく。その速度は光速に近かった。フランはナイフを必死で目で追っている。しかし、流石にこれはフランには見えなかったようだ。何度かナイフはホールの壁や地面、天井を跳ね返った後、フランに刺さった。フランの身体が蹌踉めく。しかし、それは一瞬だけで、すぐにフランは体勢を整えた。
「アハハハ!!ソウデナクッチャ!!!」
「さすがに一撃では落とせないわね・・・・・・」
「あんた、腕がなまったんじゃない?」
「そんなことはないわ。妹様が強いだけよ」
「私がお手本を見せてあげるわ」
「夢符 夢想封印!!!」
霊夢から、カラフルな弾幕が放たれる。それはすべてフランに当たった。煙が出てフランの姿を隠す。
「なっ・・・・・・」
「霊夢、いくら、弾幕ごっこと言っても流石にあれは・・・・・・」
「なによ、文句でもあるの?これぐらいやらないとあの状態のフランは倒せないでしょう?これぐらいやるん・・・・・・」
煙の中から弾幕が大玉が放たれる。それは四方に飛んでいく。
「へぇ・・・・・・今回のフランはタフじゃないの・・・・・・どうやら、少し本気をだしたほうがいいようね」
流石に霊夢も今回のフランの異常さに気付いたようだ。
「あなたこそ、腕がなまっているんじゃないの、霊夢?」
咲夜はさっき言われたお返しにと、嫌みを言う。
「うっさい!!」
「霊夢、咲夜、喧嘩していないで、避けるのに専念したらどう?」
「避けるのに専念するって言ったって、こんな避けるスペースがあって弾速がおそい遅いのだから、避けるの簡単じゃn・・・・・・」
霊夢がそう言った時、突然、四つの弾幕がはじけ、小さい弾幕となった。
『!!!!!!!??』
あまりにも急だったため、弾幕にかすってしまう。
「何よ、この弾幕・・・・・・私、フランがこんな弾幕使ていおるの見た事ないのだけど・・・・・・レミリア、あんたは見た事ある?」
「いいえ、ないわ。私もこんな弾幕を使ってくるフランと戦うのは初めて」
「アハハハ‼オモシロイオモシロイ‼ジャア、アタラシイアソビヲシマショウ!!!」
「禁忌 ラズベリートラップ!!」
『!!!???』
初めて聞くスペルカードの名前を聞いて皆驚いた。フランから大玉の弾幕が大量に放たれる。そしてその大玉弾幕さっきの弾幕と同様にホールのいたるところで弾ける。
「なっ!?」
一気に避けるのが難しくなる。
「夢境 二重大結界!!」
霊夢が結界を展開し弾幕を防ぐ。他の三人もその結界に隠れた。
「何なのよ、あのラズベリートラップっていうスペカは・・・・・・」
「私に聞かれても困るわ、霊夢」
「姉のあんたも知らないの?」
「ええ、初めて見たわ、あんな技・・・・・・」
「へぇ・・・・・・」
「ナカナカヤルネ!!ジャア、コレナラドウカナ?」
フランのその声で、弾幕が数が多く、威力が上がる。
「くっ・・・・・・」
ピキィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピキィ・・・・・・・・・・・・ピキィ・・・・・・
結界が嫌な音を立て始める。その音のなる感覚は段々短くなっていく。
ピキィ・・・・ピキィ・・ピキィ・ピキィピキィピキィ・・・・・・パリ―――——————ィン!!!
霊夢の張った結界は大きな音と共に崩れ去った。
「なっ・・・・・・嘘でしょう!!?」
弾幕を消していた結界が消えることで、先程の弾幕よりも多い量の弾幕が飛んでくる。
「・・・・・・うっ・・・・・・」
レミリアが被弾したようだ。流石にこの量の弾幕だ、被弾したっておかしくはない。
「お嬢様!!」
「これくらい・・・・・・何とも、ないわ・・・・・・」
レミリアはそう言っているものの、声が大丈夫ではないことを伝えていた。
「咲夜、あんたどれくらい時間を止められる?」
「一分・・・・・・持って三分ね・・・・・・」
「それで、レミリア背負ってパチュリーの所まで何分かかる?」
「走れば五分ね」
「・・・・・・・あんた、もうちょっと時止めれないの?」
「止めれはするけど・・・・・・それ以上能力を使うと、今の妹様と戦えなくなるなるけど・・・・・・いいかしら?」
「・・・・・・こあ、あんたレミリア背負ってパチュリーの所まで行ってきなさい。あと、ついでに美鈴起こしてきて」
「わ、分かりました!!!」
小悪魔は霊夢の指示で一旦戦闘を抜ける。
「霊夢、私はまだ戦えるわ!!!」
「いいえ、ここは私たちに任せて、大人しく治療されてきなさい。今のあんたじゃ、足手まといになって、負けるのが目に見えているのよ」
「でも・・・・・・」
「お嬢様、霊夢はお嬢様の事を思っていておられるのです。大丈夫です。私達にお任せください」
「・・・・・・分かったわ。フランの事頼んだわよ」
「咲夜さん、美鈴さんを呼んできました」
「うわぁ・・・・・・なんだかやばそうですね・・・・・・」
「あなた何していたの?こんな近くで爆発音が鳴っているというのに」
「えっと・・・・・・ちょっと戦いをしていまして・・・・・・」
「誰と?」
「えっと・・・・・・スイマーです・・・・・・」
一瞬何と戦っているのか理解できなかった。
「・・・・・・こんな状況でもあなた巫山戯ているのかしら。スイマーと睡魔をかけるなんて」
咲夜のその一言で、やっと全員が理解できた。ホールの中に冷たい風が吹く。
「あら、ばれちゃいました・・・・・・?」
「あら、ばれちゃいましたじゃないわよ。さっきなあなたの行ったことで妹様も凍えているじゃない!!」
咲夜がフランの方を指さして言う。確かにフランは凍えており、身体を震わしていた。
「あなた敵を凍えさせるギャグを持っているって、なかなかよ」
「えへへ・・・・・・そうですか?」
美鈴は少し照れて、嬉しそうだ。
「ほめてないから。お仕置ね。・・・・・・でも、今は妹様をもとに戻すのが先よ」
「はい!!」
元気のいい声で返事をする美鈴。
「じゃあ、こあ、お嬢様を」
「はい、咲夜さん!!」
そう言って小悪魔とレミリアは大図書館へと向かう。
「ソウハサセナイヨ!!」
「禁弾 スターボウブレイク!!」
カラフルな弾幕が大量にレミリアと小悪魔を目掛けて降ってくる。
「紅符 不夜城レッド!!!」
レミリアを中心に紅色の十字の弾幕が放たれる。それにより、フランの弾幕は全て消えた。
「・・・・・・くっ・・・・・・」
流石に怪我をしている状態のスペルカードの詠唱は身体にきたようだ。レミリアは苦い表情をしていた。
「お嬢様!!!」
「大丈夫よ、咲夜。私に構わないでフランと戦いなさい」
そういい残して、二人は大図書館へと消えていった。
「さて、第二ラウンドを始めましょうか!!」
「アハハハ、マダアソンデクレルノ。キャハハハ!!デモ、サッキヨリスクナクナッタ。ダカラ・・・・・・」
「禁忌 フォーオブアカインド!!!」
フランが四人に分身する。
「嘘でしょう・・・・・あんなのを四体も相手にしなきゃいけないの・・・・・・」
「アハハハ!!!アソブノハ、カズガオオイホウガタノシイヨ!!!!!!」
「キャハハハハハハハハハ!!!!!!」
フランたちが上空を飛び回る。
「仕方ないわね、一人一体ずつ相手をしなさい」
「それでもいいけど、一人足りないわよ?」
「三人が交互に二人相手にするってのはどう?」
「・・・・・・わかったわ」
「ええーーーーー!!!!!!無理ですって私一人で、妹様を相手するなんて!!!!!!しかも、二人も!!」
美鈴が文句を言った。
「死にたいなら別にいいけど」
「・・・・・・分かりましたよ、やりますよ・・・・・・」
美鈴も戦闘体制に入った。
「あんた達、足手まといにならないでよ!!」
霊夢が大声で言う。
「それはこっちの台詞よ」
「もちろんです!!」
その声と共に第二ラウンドの火蓋が切られたのであった。




