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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
第二章 狂った六重奏《セクステット》 〜sextet~
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第三十一話 狂った尸解仙

 霊夢は一足先に人里にたどり着いていた。


「・・・・・・」


(あいつはどこかしら・・・・・・)


 上空から人里を見渡す。


 ドゴォン!!!


「!!」


 轟音のした方を見ると、煙が上がっていた。そこには人影が二つある。


(・・・・・・見つけた!)


 煙の場所まで一気に急降下し、戦闘態勢に入る。


「くっ・・・・・何も見えないじゃない」


 煙のせいで、視界は最悪だった。


(・・・・・・誰が戦って・・・・・・)


 よく目を凝らして煙の中を見る。その中に見えた人物、それは慧音と布都だった。


「くっ・・・・・・!!」


 慧音が布都の攻撃で、吹き飛ばされる。


「慧音!あんた何してんのよ⁉って、その傷・・・・・・」


 それはひどい物だった。右肩をやられている。地面に大量に血が流れ落ちていた。


「霊夢か、丁度良かった。もう・・・・・大・・・・・丈夫だ・・・・・・な・・・・・・」


 バタン!!


 その音と共に慧音は倒れた。


「ちょっと!!あんた、しっかりしなさいよ!!」


 しかし、返事は返ってこない。


「やっと倒れたか。なかなかしぶとい」


「・・・・・・あんたね・・・・・・何したかわかっているかしら?」


 慧音を護るように立ち、お払い棒を構える。


「そなた・・・・・・そやつの仲間か?まぁ、そんなことは、どうでもよいか・・・・・・そなたの質問に答えよう。我は命蓮寺を燃やしに行く前にちぃと腕試しにそこらへんで風水のを使っておったのじゃが、その者が我の邪魔をしたんでな、倒しただけじゃ・・・・・・まだ途中なのだが、そなたも我の邪魔をするのか?そうなれば我はそなたを倒さねばならぬ」


「・・・・・・いつものあなたとは違うようね・・・・・・」


(いつもの気と違う・・・・・・)


「望むところよ、やってやろうじゃない!」


「ちょうど相手が欲しかったところじゃ。試しにさっき使えなかったこれを使ってみようとするかの」


「炎符 炎獄!!」


「!!」


 見たことのないスペルカードだ。対応が少し遅れてしまう。


「ほう、さすがじゃな。炎獄を避けるとは、流石、博霊の巫女と言ったことろか、先ほどの者とは動きが違うな」


「こっちからも行かせてもらうわよ!!」


「夢符 二重結界!!」


 しかし、霊夢の弾幕を布都は全て回避する。


「封魔針!!」


「そんなの当たらぬぞ!!今度は我の番じゃ」


 布都がそう言うと、視界から布都の姿がなくなる。


「どこを見ているのじゃ?こっちじゃぞ!!」


「!!」


 後ろを振り向けば、そこに布都の姿がある。


(やばい!!直撃する!!)


「烈火・・・・・・」


「恋符 マスタースパーク!!!!」


「何っ!!」


 聞き覚えのある声とスペル。


「大丈夫か、霊夢!!」


「大丈夫よ。助かったわ。でも今は、私の心配より、敵に集中しなさい」


「久しぶりの異変だ!!飛ばさせていただくぜ!!」


「邪魔者が乱入してきおったか。まぁ、よい。全員纏めて蹴散らしてやろう」


「光符 アースライトレイ!!」


「夢符 封魔陣!!」


「遅い、遅い。そんな攻撃、我に当たらんぞ!!」


「炎符 太乙真火!!」


「うぉっと!!危ねぇ」


(・・・・・・スペルカードも強化されている・・・・・・)


「これならどうじゃ!!」


 布都が投げた物、それは皿だった。


「ふん、そんなの当たらないぜ!!」


 魔理沙はそれを難なくかわす。皿は魔理沙のは真後ろで止まった。


「それはどうかの・・・・・・」


 不適な笑みを浮かべる布都。


「着火」


「!!」


 大きな音と眩い光と共に、皿は爆発した。


「魔理沙!!」


 黒煙と共に魔理沙が落ちていく。


「よそ見は厳禁じゃぞ」


「!!


 いつの間にか、布都は霊夢の背後にいた。


「烈火掌!!」


 布都の掌に宿った炎の攻撃が霊夢の身体を貫く。


「がはっ・・・・・・」


 霊夢は吐血をしながら勢いよく地面に落下する。


「何じゃ、もう終わりか?」


 布都は霊夢たちを見ながら言う。


「それでは、この人里を全部燃やしてから命蓮寺を燃やしにいこうかのう」



 一方、少し遅れてレイたちは人里に着いた。三人とも辺りを見渡す。


 ドゴォン!!


『!!』


「どこからだ⁉」


「こっちからのようです。レイさん、屠自古急ぎましょう!!」


「判りました、太子!!」


「判った!!」


 人里の中を走り回る。


「ここの角を左です!」


 神子に言われる通りに道を進んで行くと、倒れている霊夢と魔理沙を見つけた。青髪で、青い服を着た人も倒れている。


「痛ってててて・・・・・・」


「意外と体に来るわね・・・・・」


「霊夢、魔理沙、大丈夫か⁉」


「何とか・・・・・・」


「私もだぜ・・・・・・」


「それより慧音を・・・・・・・」


「慧音?あぁ、この人か」


 霊夢に言われ慧音の意識を確認する。


「大丈夫か、あんた!!?」


 返事は返ってこない。だが、耳を澄ませば呼吸音は聞こえる。どうやらまだ生きているようだ。


(出血がひどい。急いで治療しなきゃ、命取りになるぞ・・・・・・)


「誰か・・・・・・慧音を永遠亭に運んでくれる?」


「私が行きましょう」


 神子が名乗りを上げた。


「私と屠自古が瞬間移動で永遠亭まで運びます」


「頼んだわ」


「すぐ戻ってきますので、その間、布都のこと頼みました」


「すまん、霊夢、魔理沙。あの馬鹿の事を頼んだ!!」


 神子と屠自古は慧音と呼ばれる女性を担ぎ、瞬間移動した。


「おやおや、また増えたのか?どっからともなくでてくるのぅ」


「しかし、博霊の巫女。もう少し本気を出してくれぬか。こんな勝負面白くない」


「ふん、あんたなんてこのぐらいで十分よ!!」


「・・・・・・ほぅ。では、先に我が本気を出すとしよう」


 そう言うと布都は右手に力を込め始めた。


「風神の力、今、剣の成りて、我が力と成らん!!」」


 布都がそう言うと右手から剣が出てくる。


「試しに、これでどうじゃ!!」


 布都はその剣を振り下ろす。


『!!!!?』


 辺り一帯に風が吹き荒れる。


「なんだ⁉」


「あいつがこんな技使うなんて、聞いたことないんだぜ」


「かなり手ごわいみたいね・・・・・・確かに少し本気を出す価値はありそうね」


「もう、そなた等はもういい、その体では、存分に戦えはしないだろう」


「ふん、よく言うぜ。そんなんでやられる私じゃないんだぜ」


「そんな言うなら、これはどうじゃ」


「絶風刃!!」


 風の刃が魔梨沙に向かって飛んでくる。


「魔理沙、危ない!!」


 布都の攻撃に逸早く反応したのは霊夢だった。魔理沙に体当たりして魔理沙を突き飛ばす。


「えっ・・・・・・」


 何が起きたか理解が出来ない魔理沙。


「ほぅ・・・・・・」


 布都の攻撃は霊夢の足に直撃する。


「霊夢!!」


 自分はすぐに霊夢に駆け寄る。


「大丈夫よ・・・・・・私に構わず戦いなさい・・・・・・」


「そんなこと言ったって・・・・・・」


「はやくしてくれぬかのう?そやつがそう言っているのだから・・・・・・」


 涼しい顔で布都は言う。


(・・・・・・あいつ、知り合い傷つけといて、何にも思わないのかよ・・・・・・)


「くっそ・・・・・・恋符 マスタースパーク!!!」


 箒にまたがり、再び空を飛ぶ魔理沙。懐からは機械を取り出し、マスタースパークを放つ。しかし、布都はそれを華麗に避けた。


「その技はもう見たのじゃ、他の技を見せてはくれぬか?」


「ちっ・・・・・・天儀 オーレリーズソーラーシステム!!!」


 見たことのないスペルだ。細長い弾幕が布都を襲う。


「何、こんなものか。詰まらぬ。面白かったのは最初の一発だけじゃったか・・・・・・」


「炎符 炎獄!!」


 炎の爪が、魔理沙を襲う。


「ふん、こんな攻撃たいしたことないぜ!!」


「魔理沙、後ろ!!」


「我の炎で焼けるがよい!!」


 魔理沙が空中から落下し、勢いよく地面にぶつかる。


「魔理沙!!」


 魔理沙に駆け寄ろうとしたとき、目の前を布都が遮った。


「どけろっ!!」


「通さぬ。そなたと戦ってみたくてな。そなたが勝ったら、我はこの道をどけよう」


(こっちは急いでるってのに・・・・・・!!)


 しかし、戦う以外、魔理沙の状態を確かめる方法はなさそうだ。鉄扇を抜き、構える。


「こっちから仕掛けさせてもらう!!」


「鳳凰扇舞!!」


 鉄扇を開き、攻撃を繰り出す。横に払って一撃、タイミングをずらして一撃、突きの一撃、そして最後にもう一撃。合計四撃を相手に喰らわせる。しかし、全て剣で防御された。


(手ごたえは・・・・・・全くなし・・・・・・)


「ほう、さっきの二人と違って物理攻撃か、面白いのう、ではこれはどうじゃ」


「炎符 炎火!!」


 布都からまた新しいスペルカードだ放たれる。自分を追いかけてくるように、地面から炎が、そして頭上からは火の弾幕が降り注ぐ。


(おいおい、冗談きついだろう!!?)


「忘れてはおらぬか?この剣は風無き所に風を生み出す物じゃ!!」


 布都が剣を振ると、風が生まれ、炎は大きくなる。


(くっそっ・・・・・・煙が充満してきた、それに炎のせいで動ける場所が狭まっちまった・・・・・・どうする!!?)


「どうしたのじゃ?早くせねば煙で撒かれてしまうぞ?ほれほれ」


「絶風刃!!」


 十字に交差した斬撃が飛んでくる。


「・・・・・・ッ・・・・・・」


 鉄扇を広げ、何とか防ぐ。


「防ぐだけでは、負けてしまうぞ?」


(冷静に、冷静に、あれは見え透いた挑発だ。あんなのに乗って、判断力を失えば魔理沙の二の轍を踏んじまう・・・・・・スキが・・・・・・スキが出来るまで待つんだ・・・・・・)


「ならこちらから行かせてもらうぞ!!」


「炎符 離為火りいか!!」


「!!?」


 先程のスペルカードの強化版だろうか。先ほどよりも炎の勢いが凄い。


(しっ、し、死ぬぅぅぅぅぅぅ。こんなの喰らったら丸焦げどころか、跡形も残らんぞ!!?)


「もう一つじゃ!!」


「風符 巽為風そんいふう!!」


「なにっ!!?」


 風のせいで立ち止まってしまう。


(しまった!!)


 真下から炎の柱が立ち上る。


「ガハッ・・・・・・」


 自分の身体は空高くに打ち上げられる。


「絶風刃!!」


 追撃が飛んで来る。


(・・・・・・避けれない・・・・・・)


 空中に放り出された状態、しかも身体中が痛い。こんなに身体では避けることすら出来ないだろう。死を覚悟し目をつむる。


「まだ諦めてはいけません!!」


「!!?」


 聞き覚えのある声で目を開く。目の前には神子がいた。神子は布都の攻撃を防ぐと自分と抱えて、助けてくれた。


「遅くなってすみません、レイさん。ただいま戻りました。屠自古!!」


「はい!!目を覚ませ、この馬鹿!!!」


 大きな雷が布都目掛けて落ちる。しかし、防がれる。しかし、その間に、巫女は自分を地面に下ろしてくれた。


「ちっ・・・・・・」


「すまない、助かった」


神子があの時助けてくれていなかったら、自分は確実に死んでいただろう。


「もう、立ち上がった大丈夫なんですか?」


「なぁに、こんな攻撃じゃあ倒れないさ」


「それならいいのですが、それはそうと・・・・・・中々、手強いようですね。霊夢も魔理沙のやられてしまったなら」


「私はやられてないわよ。でも、手を抜かないほうがいいわ。今の布都は普通に強い」


「貴重な助言ありがとうございます」


「太子も邪魔するのですか?」


「いつものあなたの行動は大目に見ていますが、今回は流石に度が過ぎています。弟子の過ちは師が正すべき。私が相手をしましょう」


「・・・・・・我が過ちを犯していると、何を言っておられるのですか?」


「そうです」


「太子様は・・・・・・太子様はそんなことは言わない・・・・・・貴様、太子様の偽者だな!!我が倒してくれる!!!」


「炎符 桜井寺炎上!!」


「誰に向かって放っているのですか?私はこちらですよ?」


「小癪なっ!!!」


「あなたにはきついお灸を据えないといけませんね」


 腰に指していた剣を抜く。


「では、私からもいかせてもらいます!」


 神子が視界から消える。


「!!?」


 キョロキョロして神子を捜す布都。


「何処を見ているのですか?私はここですよ」


「!!!?」


 布都の首には剣が当たっていた。背後には神子。


「これで終わりです。諦めなさい」


「ま、まだだ!!偽者ごときに我は負けぬ!!!」


 剣を振り回す布都。思いがけない行動に神子もそれには驚いた。思わず逃がしてしまう。


「これで決める!!」


 その行動から焦っているのが判る。さっきと違って判断力が低下している。いたって神子は冷静だ。


「布都、貴方は私に気を取られ過ぎです」


「どういう意味だ!!」


 すると、神子は空を指さた。


(・・・・・・ん?)


 空を見上げると黒雲があった。しかも、電気のようなものが帯電している。


(・・・・・・黒雲なんてあったか?)


「黒雲がどうし・・・・・・!!!まさか!!!」


「今戦っているのは二人です。頼みましたよ、屠自古!!!」


「任されました!!!これでも喰らって目を覚ませーーーーー!!!!」


 バリバリバリッ!!!!!


 先ほどの数十倍の雷が布都に落ちる。さすがにこれは防げなかったようで直撃した。


「決まった!!!」


 バタッ・・・・・・


 屠自古の言葉と共に布都は倒れた。





















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