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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
第一章 出会いの練習曲1《エチュード》 〜etude〜
29/50

第二十八話 妖怪の山へ

投稿が遅れてしまってすみません。


やらなければいけないことをやっていたら投稿が遅れてしまいました。


読者の皆様本当にすみませんでした。


これからも東方夢幻録をよろしくお願いします。


今回の『』はレイの回想の部分です。


「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・・」


「大丈夫?だいぶうなされていたようだけど・・・・・・」


 心配そうに幽々子が顔を覗き込んでいる。


(・・・・・・夢・・・・・・?)


「い、いや・・・・・・」


(夢・・・・・・そうか、夢か・・・・・・ハァ・・・・・・驚かせやがって。何であんな夢・・・・・・夢見が悪いにも程があるだろう・・・・・・)


「レイ?」


 幽々子は怪訝そうにこちらを見つめている。


「何でもない。ただ、ちょっとばかし夢見が悪かっただけだ・・・・・・」


「ならいいのだけど。それなら、外に井戸があるから、顔でも洗ってきなさい。気分もさっぱりするわ」


(そうだな・・・・・・そうさせてもらうか・・・・・・)


 庭先の井戸で顔を洗い、軽く身だしなみを整え、部屋と戻る。


「あら、早いわね。迷わなかった?」


「昨日、石灯篭を運んでいるときに確認していたからな」


「昨日?・・・・・・」


 不思議そうに首をかしげる。


「ああ、そう言えば言ってなかったわね。もうあなたがここにきて四日目になるわ」


「はぁ?」


「あなたは倒れた後から三日が経っているのよ。つまり、三日間眠っていたって訳」


「そんなにも寝ていたのか?」


「ええ、とてもぐっすり。寝顔とってもかわいかったわよ。きれいな肌をしているのね」


「なっ・・・・・・」


 最悪だ。見られたくなかった。特に、こんなにいじってくる人には。


「・・・・・・・・・・・・」


「何だよ。じろじろ見てくるなよ・・・・・・」


「ふふっ、その反応面白いわ」


「・・・・・・」


「・・・・・・そう言えば、妖夢は?」


「妖夢ちゃん?妖夢ちゃんなら人里に行ったわよ。魔理沙達と遊びに行くとか言ってたわね・・・・・・」


(・・・・・・妖夢もそういうお年頃なのか・・・・・・)


「じゃあ、自分もそろそろお暇させてもらうかな・・・・・・」


「いつでも遊びに来なさい~何時でももてなしてあげるわよ~♪」


「また何時かな」


 幽々子に背を向け石段を下りていく。


「・・・・・・本当に何者なのかしら・・・・・・ただ者ではなさそうね・・・・・・」





 日が暮れる頃、自分の家にたどり着いた。明かりを付け、椅子に座る。


「・・・・・・何だったんだ・・・・・・」


 白玉楼からずっとあの夢について考えていた。


(夢にしては生々しすぎだ・・・・・・かといって経験した記憶もない・・・・・・)


「・・・・・・・・・・・・」






 どのくらいの時間考えていただろうか。いつの間にやら辺りは真っ暗だった。適当に棚から酒を取りだし飲む。


(・・・・・・不味い・・・・・・)


 考え事をするとこんなにも酒が不味いものというのを初めて知った。


 ガチャ.......ジ...ジジッ......


 天上から物音が聞こえる。


(なんだ?)


 酒を置き、音のする方へと足を運ぶ。


 キィッーー


 扉が軋む音と共にあの機械からあの声が聞こえてきた。


「・・・・・・に行ってみるのはいかがでしょう?あそこからは幻想郷を一望できますから、行ってみてるのもいいかと・・・・・・あら、いけない時間のようです。では、ここで・・・・・・」


 ガチャッ......


 音声はそこで途絶える。


(最初の方はなんて言ったんだ?)


 どうやら、上に上ってくる間にも音声は流れていたらしい。


「・・・・・・ん?」


 早戻しのボタンを探すも、目的のボタンどころか再生ボタンや停止ボタンすらなかった。


「・・・・・・まぁ、とりあえず、霊夢に聞いてみるか」


(どこにも行く予定はないしな・・・・・・)






 次の日、霊夢に妖怪の山のことを聞きに博霊神社に来ていた。


「幻想郷を一望できる場所?それって妖怪の山の事じゃない?」


 境内を掃除しながら霊夢は質問に答えてくれた。


「妖怪の山?」


「ほら、ここからでも山が見えるでしょう?」


「あれか?」


 目に入った山の方向を指を指す。


「そっちじゃなくて、あっち?」


 自分が指を指した方向とは別の方向を霊夢は指す。


「あれが妖怪の山・・・・・・」


(確かに、幻想郷を一望出来そうだ・・・・・・)


「分かった、ありがとう、霊夢!!」


 駆け足で石階段を下りる。


「あ、ちょっと待ちなさい!!・・・・・・最後まで人の話を聞きなさいよ!!」







 妖怪の山に行くと張り切って家博霊神社を飛び出した自分だったが問題が一つあった。


「・・・・・・・・・・・・・」


 この山を自分が登るだけの体力があるかというものだ。


(最近高低差の激しい所しか登っていないんだが・・・・・・)


 白玉楼に行く階段も博霊神社の階段も高低差が激しい。


(・・・・・・山だから仕方ないか・・・・・・・)


 山は高い。これは常識じゃないか。当り前のことに文句を言っても仕方がない。


(・・・・・・文句を言ったって何も変わりはしないんだ・・・・・・)


「登るか・・・・・・」


 足を山に踏み入れる。その瞬間、空を切る音と共に刀が飛んできた。


「ここからは妖怪の山の領地、部外者それ以上立ち入らないでください」


 声と共に狼?のような人物が現れた。


(なんだなんだ・・・・・・)


「警告です。それ以上立ち入るなら侵入者と見なします」


(・・・・・・幻想郷の住人は人をすぐに侵入者として扱いたいのかね・・・・・・)


 その時、上空に見覚えのある影があった。


「自分にだけ警告しといてあいつにはしないのか?」


 指を指す。そこには妖怪の山へと飛んで入る魔理沙の姿があった。


「またあの人か・・・・・・」


 彼女は魔理沙を目で追う。


(魔理沙が入っているのだから自分も・・・・・・)


 彼女の横を通り抜けようとした時、首に冷たい物が当てられた。


「言いましたよね?ここからは妖怪の山の領地。立ち入るなら侵入者と見なすと・・・・・・」


「捜し物があるんだ魔理沙みたいに見逃してくれ」


「あの人も見逃しはしません。他の天狗達がすぐに対応してくれるでしょう」


「どうしてもってわけには・・・・・・」


「・・・・・・そんなにここに通りければ私を屍を越えていくがいい!!」


(・・・・・・いかないよな・・・・・・)


 鉄扇を抜き構える。


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


 しばらくの間二人の周りは静寂に包まれた。先に動いたのは相手だった。


 ガキィン!!!!


 鉄扇と刀のぶつかり合う音があたり一帯に響き渡る。


(・・・・・・妖夢に比べたら・・・・・・軽いな)


 動きもそんなに速くないし、攻撃も軽い。だが実戦を積んだ回数は多い様だ。素人の動きではない。


(しかし、ここで彼女を倒した場合自分は良い気分で観光を出来るのか・・・・・・嫌々、出来るわけがいない。彼女の事が心配で観光どころじゃないだろう・・・・・・)


「・・・・・武器を下ろしてくれないか?自分はあんたを傷つけたくないんだ・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


 彼女の動きが止まる。


「それは私が弱いということですか・・・・・・?」


「・・・・・・いや、そう言うわけでは・・・・・・」


「私が女で霊夢さんや魔理沙さんみたいに強くないからですか・・・・・・?」


「違うんだ!!ほら、人を倒した後の観光ってなんか気分悪いじゃん。自分はそれが嫌かなって思って・・・・・・」


(・・・・・・あれ?・・・・・・もしかして、これ怒らせちゃった感じ・・・・・・?)


 彼女から殺意のオーラが増している気がした。


「あなただけは、あなただけは、この私が絶対葬る!!!!」


(もしかしなくても、怒らせたやつだ!!!!)


 彼女に間を詰められる。さっきとは動きのスピードも、攻撃の重さも段違いだ。


「くっ・・・・・・いったん落ち着け!!そんな風に言ったつもりはない!!」


 しかし、彼女は聞く耳をもっていない。


(怒りに身を任せたか・・・・・・しかし、怒りに身を任せれば・・・・・・)


『戦闘中に絶対怒りに身を任せるな。これは戦闘でだけではなく何事においてもそうだ』


『何でよ?怒りに身を任せた方が強くなれるじゃない?』


『確かにな。怒りは力を生む。なんせ、怒りは脆く儚い狂気だからな。しかしそれは自分が怒りを制御しきれているときだけだ。怒りを制御し続けるのは至難の技。逆に、怒りに制御されれば自分が怒りに支配される。』


『じゃあ、戦闘中は常に冷静でいろって事か?』


『ああ。だが例外もある』


『例外?』


『怒りを制御し続けるならそれは力になる。「怒」という感情は一番勝敗に影響する感情なんだ』


『ふ~ん』


「勝てる勝負も勝てない!!」


 記憶のかけらだろうか。昔の自分は誰かにこんなことを話していたらしい。


「なんでこんな記憶が蘇ったのか・・・・・・」


 彼女はがむしゃらに攻撃を続けてくる。鉄扇でそれを受け止める。技のキレが悪い。考えて攻撃をしてこないから彼女にはスキが大量に生まれており、体力配分も出来ていないらしい。


(ついでに、技も思いついた・・・・・・)


 彼女はへとへとになりながらも立ち上がり、攻撃を仕掛けてくる。


「これで決める!!!!」


「闘扇烈斬!!!!」


 鉄扇で払い先まで並んだ奴を一閃する。 


(うまく飛ぶかな?いよっと)


 鉄扇を彼女に向かって投げる。


(鉄扇に気付かれないように挑発して敵を引き付けないとな・・・・・・)


「こっちだ!!」


 彼女は鉄扇が当たりひるむ。だが挑発に乗ってくれたおかげか彼女は鉄扇に目もくれずこちらに突っ込んでくる。


 そして彼女が攻撃をしようとしたとき、鉄扇はブーメランのように戻ってき、彼女に当たった。同時に彼女の体勢も崩れる。


「・・・・・・脈はあるな・・・・・・」


 気絶したようだ。もう起き上がっては来ないらしい。


「ふぅ。きつかった~」


「あややや?ここにスクープが!!」


 カシャッ!!カシャッ!!


 声が聞こえたかと思うと、シャッター音と共に、フラッシュの光が目をつく。


(なんだ?)


 フラッシュのかれた方を見てみると、黒い羽をもつ女が手記にペンで何か書いている。


(誰だ?)


 こっちの目線に気づいたようだ。こっちに近づいてきた。


「あの・・・・・・私は鵺天狗の射命丸 文というんですが・・・・・・今の感想をお聞かせください」


「はぁ?」


(何なんだこの文っていうやつは・・・・・・?)


「そんなことよりも彼女を助けて欲しいんだが・・・・・・」


「あら、これは椛じゃないですか。珍しい。彼女が侵入者と戦い続けるなんて。てっきり私は別の天狗が戦っているのかと思いましたよ」


「珍しい?なんでだ?」


「彼女は哨戒しょうかいを務めている白狼天狗。名前は犬走 椛って言うんですけどね。哨戒しょうかいの務めは警戒、および敵の発見時の応急処置。戦い敗れそうになった場合は身を引いて、他の天狗に知らせに行くんですけどね・・・・・・よっぽどのことがあったんでしょう。報告せずに自分一人で対処するなんて・・・・・・」


「へぇ・・・・・・そうなのか・・・・・・」


(絶対、自分が怒らせたからだよな・・・・・・)


「それより、あなたの今の感想を聞きたいんですけど」


「椛はの事はいいのか?」


「ええ、彼女は頑丈ですし、手加減もしてくれたのですよね?」


「まぁな」


「それなら大丈夫です」


(・・・・・・かわいそうだな、椛・・・・・・)


「ん?ああ、そう言えば貴方最近来た外来人ですよね?確か名前はレイ・・・・・・」


「そうだが・・・・・・」


「それならちょうどよかった!!ちょうどあなたについて調べていたことなんですよ!!色々と聞かせてくれませんか!!!!」


「別に構いわしないが・・・・・・条件が二つある」


「条件?」


「ああ。一つ目は椛の救護。そして二つ目は自分を山の頂上に連れて行ってくれ」


「お安い御用ですけど・・・・・・守屋神社に用があって?」


(守屋神社?なんだそれ・・・・・・)


「いや・・・・・・違う。幻想郷を一望したいだけだ」


「そうでしたか。では少し待っていてください」


 文は椛時を背負い、空を飛んだ。数分後彼女は帰ってきた。


「椛は?」


「救護班の所に連れて行きました。今はベットの上ですやすや眠っているはずです」


「怪しまれなかったか?」


「怪しまれましたけど、私が追い払ったって言ったら何事もなかったかのように元の仕事に戻っていきましたよ」


「そうか、なら大丈夫だな。案内頼んだぞ」


「任せてください」


 文の案内付きの徒歩で、妖怪の山の頂上を目指した。






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