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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
序章 鳴り始めた序曲《オーヴァーチュア》 〜overture〜
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第二十一話 初仕事

 自分達が博霊神社に着いた時、霊夢とレンとの戦闘は終わっていた。もちろん勝ったのは霊夢。レンは霊夢の前で膝を折っている。


(やっぱりな・・・・・・)


 目に見えていた事だ。


「こっぴどくやられましたね」


 フェンルオはレンに嫌みのように言う。


「うるせぇ」


「そんなことだから、妹一人すら守り切れないんですよ。」


「・・・・・・・・・・・・」


 レンは歯を食いしばる。


(・・・・・・妹・・・・・・)


「妹・・・・・・そういう事なのね」


 霊夢も何か察したようだ。


「ご察ししていただけてなによりです」


「何の話をしているんだ?」


 魔理沙だけが話についていけていない。


「で、あんたたちの頼みってのは何なの?」


「先程もでましたが、今回の頼みというのはレンの妹、リコの捜索、及びに保護をお願いしたいのです」


「大切な妹なんだ、この通りだ頼む!!」


 レンはそう言うと土下座をし、頼み込んでくる。


「私からのこの通りです」


 フェンルオも頭を下げる。


「・・・・・・・・・・・・」


(そう言われるとこっちは断りずらいんだが・・・・・・)


「私からもお願いするわ」


 声のする方を向くと、スキマが開き紫が現れた。


「!!」


 レンとフェンルオはその場から飛び退き、武器を構える。


「妖怪の賢者、八雲紫!!」


「なぜ貴方のような人が?」


「そんなこといいじゃない。それより、困っているんでしょう?」


「・・・・・・」


 しかし、二人は紫に対して警戒を解かない。


「何を企んでる?」


「何も企んでいないわよ、私の善意でやっている事なんだから」


「・・・・・・」


 フェンルオはレンに耳打ちをする。


「!!なぜこんな奴と・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


 フェンルオはじっとレンを見つめる。


「くっ・・・・・・わかった」


 二人は武器を仕舞い警戒を解いた。


「では、貴方にもリコの捜索を頼んでもよろしいですか?」


「もちろんよ」


「もちろんよって、なんで勝手に話を進めてるのよ!!私は一言もするなんて言ってないわよ!!」


「別にいいじゃない、どうせ貴方暇なんでしょう?」


「そんな暇じゃないわよ。私だって人里からの依頼だって・・・・・・」


「最近人里に向かったのを見たことないのだけど?」


「ギクッ!!」


 霊夢の顔からは冷や汗が出ている。


「はあー、別に何もないんでしょう?」


「だって、面倒くさいだけじゃない。寄りによって人探しでしょう?なおさら面倒くさいわ」


「フェンルオ、報酬はちゃんとあるのよね?」


「もちろんです。もし無事にリコを我々の前に連れてきてくれさえすれば、それ相応の報酬は払います」


「さあ、そのリコって子を捜しに行くわよ !!」


 霊夢が急にやる気を出した。その理由も一瞬で理解できた。


(報酬目当てか・・・・・・)


 意地汚い巫女だ。


「では、この依頼受けてもらえるということでよろしいのですか?」


 しかし、そんなこと霊夢は聞いていない。


「そうみたいだぞ」


 霊夢の代わりに自分が応える。


「貴方も手伝ってくれますか?」


「自分も手伝うよ。あんたたちの頼みを引き受けてやらないっていう理由がないからな」


(幻想郷を襲う危機ってのもわからずじまいだしな・・・・・・)


「本当にありがとうございます」


 フェンルオは深々を一礼する。するとレン紫の会話が聞こえてきた


「八雲、てめえまたリコに何かしやがったら問答無用で 殺すからな」


「肝に命じておくわ」


「レン、要件も済んだことですし、私たちもリコを捜しに行きましょう」


「覚えとけよ・・・・・・・」


 レンはそう言葉を紫に残してフェンルオと共に石段を下っていった。


「相当言われてたが、何か恨まれるようなことでもしたのか?」


「色々あったのよ」


 紫はそう答える。どうやら聞いてはいけないことを聞いてしまったらしい。


(なんとかして話題を変えなければ・・・・・・)


「そうだ霊夢、一緒にリコを捜しに行かないか」


「いやよ。私がリコってやつを見つけて報酬を一人占めするんだから」


 そう言い放ち、飛び去ってしまった。


「私も霊夢に負けてられないぜ!!」


 魔理沙もそう言って箒にまたがり、飛び去る。


「さあ、貴方も早くリコを捜して来なさい。早くしないと日が暮れて探せなくなるわよ」


 明るい声で紫は話す。どうやらさっきの事は気にしていないようだ。


「ああ・・・・・・」


 そう言って自分も石段を下り、リコという人物を捜しに行くのであった。


「・・・・・・藍、橙、聞こえていたかしら?」


 するとスキマの中から声がする。


「もちろんです、紫様」


「あなたたちもリコを捜しなさい」


「分かりました」


 そう言って紫は、スキマの中に消えていった。

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