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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
序章 鳴り始めた序曲《オーヴァーチュア》 〜overture〜
20/50

第十九話 VS二人組

「楽しませてください」


 知的そうな男はそう言うと、攻撃を仕掛けてきた。


「うぉっと、あぶねぇ!!」


(危うく体に穴をあけられるところだった)


 後に下がって態勢を整える。しかし、そんな暇など与えてくれなかった。


「こっちもいるぜ!!」


「!!」


 いつの間にか後ろに回り込まれていたようで、後方からは、もう一人が懐刀を突き出していた。それを刀で受け止めた。火花が散る。


「そんなもんか、あんたの本気は⁉」


「・・・・・・」


「それとも俺らじゃ、本気を出すまででもないってか?」


「本気が出せたらとっくに出してるさ」


 こちらからも反撃をする。それを男は、華麗に避け、後ろに下がる。


(二人を同時に相手をするのは厄介だ・・・・・・せめて片方に絞りたい・・・・・・)


「さあ、第二ラウンドだ!!」


 敵がまた攻撃を仕掛けてくる。さっきと同じように避ける。


「そう何度も私の攻撃を避けていられると思わないことです」


「衝符 空牙衝!!」


 衝撃波を飛ばし、槍使いの男を吹き飛ばす。そしてもう一人の相手をする。


「ッ・・・・・・!!?」


 急に強い痛みが右腕に走り、思わず膝を折る。


「‼」


 右腕を見てみると、ひどく出血していた。


「いつの間に!!?」


「さっきですよ、あなたが私を吹き飛ばす前です」


「なっ、確かにあのときは避けたはず・・・・・・」


「いえ、避けれていませんでした。あなたは避けたつもりになっていたんです」


「・・・・・・」


「しかし、残念です。あなたはもっと力を持っていると思っていたのですが・・・・・・」


 その時、再び身体と意識に輝く液体が一滴注がれた。その一滴で傷は治り、再び戦える状態になる。相手はそのことに気づいていない。その隙をねらって似たりに攻撃を仕掛ける。その速度は先程のほどの攻撃とは比べものにはならないほどの攻撃だった。


「なっ!!?」


 それに驚いた二人は防御の姿勢を取ろうとするが、素早過ぎてその防御は間に合わず。攻撃は直撃し、その場に倒れこみ、気を失った。


「・・・・・・」


 刀を鞘に仕舞う。


「どうしたものか、こいつらをどうすればいい?」


 ここに倒れさせておくのもかわいそうだ。


(いや、待てよ・・・・・・勝負を仕掛けてきたのはこいつらからなんだから、じぶんが何かする必要があるのか・・・・・・?)


 しかし、良心が働き、近くにあった大木のそばまで運び、その場を後にした。


「ッ・・・・・・」


(めまいが・・・・・・)


 足元がふらつく。多分、さっきの大量出血のせいだろう。


「急いで人里まで行って、少し休憩しよう」


 刀を杖の代わりにして、人里への道を歩き始めた。


「・・・・・・」


 それを遠くから見ていた者がいた。そう、森で攻撃してきた男だ。


「・・・・・・彼をみるのは、たのしいですね。やはり、あの時殺さなくてよかったです」


 そう言って、どこかへ行ってしまった。



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