第十八話 二人組
ボタッ・・・・・・ボタタッ・・・・・・ボタッ・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・?」
突然、黒犬はこちらに噛み付く事無く、逃げるように飛び退いた。そして、後ずさりをし、逃げるように闇の中に消えていった。
「・・・・・・たす・・・・・・かったのか・・・・・・?」
まだある命のありがたみに言葉を漏らす。しかし、それは束の間だった。
「!!」
後方からは足音が聞こえる。振り返ってみると、一人の男が立っていた。
「・・・・・・・・・・・・」
ニヤッ。男は不敵な笑みを浮かべている。
「やっと見つけた・・・・・・」
(やっと?・・・・・・どういう意味だ・・・・・・?)
しかし、そんなことはどうでもいい。急いでここを離れたほうが良い様だ。男に悟られ無いように、一歩ずつ後退りをしていく。
「・・・・・・」
無言でこちらをじっと見つめてくる。それがまた、恐怖に拍車をかける。
「・・・・・・」
男に背を向け、脇目もふらず走る。スピードを落とさずに、家まで帰った。途中、息が切れたが、走り続けた。
「何とか・・・・・・・撒けた・・・・・・か・・・・・・?」
男は追ってきてはいなかった。そのことに、安堵する。そのとたんに疲れが吹き出る。二階の寝室まで直行し、ベットに倒れこむ。
(今日は災難だった・・・・・・)
目を閉じると、すぐに意識は闇の中に落ちていった。
「おーい、人里で妖怪が暴れまわっている、急いできてくれ!!」
「またか?もうこれで今月は何件目だ⁉」
「五十件目よ」
「よくそんなにも頻繁に厄介事を起こしてくれるな。こっちも迷惑なんだが・・・・・・」
「そんなこと言ってないで、早く行くぞ!!」
「分かった、分かった」
「・・・・・・・・・・・・」
(夢・・・・・・か・・・・・・)
しかし、夢とは思えないようなものだった。
(多分・・・・・・自分は夢に出てくる人物を知っている・・・・・・)
「だが・・・・・・」
(顔はモヤがかかって判らないし、名前もわからないんだ。調べようがない)
「まぁ、そんなこと考えても仕方無いか」
考えるのをやめ、ベットから起き上がる。
「さぁ、今日も人里に行ってみますか」
背伸びをし、階段を下りる。
「・・・・・・ん・・・・・・?」
目の前の壁に違和感を感じ、足と止めた。しかし、見た感じは普通の壁だ。
「気のせいか・・・・・・」
再び足を動かし、玄関から外に出る。そして、森を向けて、人里に向かう。その途中、二人の男と出会った。
「!!」
そのうちの一人は見覚えがあった。そう、昨日の夜人里にいたあの男だ。
「ようやく現れてくれましたか・・・・・・」
二人の男は、武器を持っている。昨日会った男の方は懐刀、もう一人の知的そうな男は槍を持っている。
「まだダメなのか?」
「あなたは、少しも待てないんですか?」
「だって、昨日から、戦いたくて仕方がなかったんだ。追いかけようともしたんだけど、あんたが止めたんだろう?」
「それもそうですね」
敵の二人は、武器を構える。
「手合わせ、お願い出来ますか?」
「断ったら?」
「力ずくでも戦わせます」
「そうか」
刀を鞘から抜き、身体の前で構える。
「構えたということは、了承してくださったと取っていいですね?」
「もちろんだ」




