第十五話 大図書館
自分は咲夜に連れられ、紅魔館の地下にある大図書館に来ていた。
(・・・・・・カビ臭い・・・・・・)
窓もなく風通しも悪い上に、日も当たらない。その割には大量の本がある。
「火事とかあったら、ここ大惨事になるんじゃないか?」
「そんなことはないわ。ここにはパチュリー様の魔法がかかっている。確か・・・・・・防火防水防刃防弾魔法障壁だったかしら?そんなのがかかっているから、火事とかが起こっても大惨事にはならないわよ」
「へえー」
(便利な魔法だな・・・・・・)
「おっと・・・・・・」
咲夜が机の前で急に止まる。本棚に目が奪われていた自分は咲夜にぶつかった。
「パチュリー様、お時間よろしいでしょうか?」
机の方を見ると、髪と服が紫色でパジャマのような服を着ている女が何やら本を読んでいた。どうやら彼女がパチュリーらしい。
「彼が、レミィが話していた新参者?」
本を閉じて、こちらを見てくる。
「そうです」
「そう、じゃあ一応自己紹介しておくわ。私はパチュリー・ノーレッジ。あなたの事はレミィから聞いたわ」
レミリアをレミィと呼ぶぐらいだ。パチュリーはレミリアと仲が良いらしい。
「で、要件は何かしら?」
「それはレイの怪我と私の怪我を魔法で治してもらいに」
「あら、レイだけじゃなくてあなたも怪我したの?じゃあ、さっきの勝負はレイが勝ったのかしら?」
「そうだ・・・・・・と言いたいところだが、咲夜はたぶんは本気を出していなかったから、勝ったとは言えないな」
「あら、そうなの?」
「はて、何のことでしょう」
「あんたからは殺気は感じられなかった。あんなこと言っておきながら自分を殺す気なんてなかっただろう?」
「さあ、それはどうかしら?」
「まあ、勝てたのはたまたまだ」
(次、戦えば確実に負ける)
そう確信していた。
「パチュリー様、紅茶とお菓子をお持ちしました」
赤髪の羽の生えた女が、紅茶とお菓子を持ってくる。
「ありがとう、こあ。助かるわ」
「あ、レイさんですね。お嬢様からあなたの事は聞きました。私は小悪魔って言います。よろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
「では私は本棚の整理をするのでここで」
そう言って小悪魔は本棚の整理へと行った。
「ほら、二人とも、もう終わったわよ」
会話を交している間に治療は終わっていたらしい。さっきまであった傷がふさがっていた。
「ありがとう、パチュリー」
「すみませんパチュリー様、私まで」
「別に構わないわよ」
「それじゃあ、私たちはここで」
「そうね、レミィが部屋で待っているんでしょう?急いでいきなさい。あんまり遅すぎると、レミィ怒るから」
「そうさせてもらいます」
「また機会があったら会いましょう、レイ」
「機会があったらな」
そう言って大図書館を後にした。
「・・・・・・何者かしら・・・・・・」
「なんか言いましたか?パチュリー様」
「いえ、なんでもないわ。仕事を続けて頂戴」
そう言って、パチュリーは再び本を読むのだった。




