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東方夢幻録  作者: 桜梨沙
序章 鳴り始めた序曲《オーヴァーチュア》 〜overture〜
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第十二話 紅魔館へ

「着いた!!」


 紅い館の前にくると、チルノがそう叫ぶ。どうやら、紅魔館に着いたみたいだ。


(長かった・・・・・・)


 ここまで遠かった。チルノたちは飛べるから、霧の湖の上を通過して紅魔館に行くことができた。しかし、自分は飛べない。そのおかげで、自分だけ湖の周りを迂回したのだ。しかも、置いていかれないように走って。そのせいでかなりの体力を使った。もう走る体力も残っていし、息も切れている。


「大丈夫ですか?」


 大妖精が気を利かせて、聞いてきてくれた。


(しかし、彼女達に心配をかけさせるわけにいかない・・・・・・)


「・・・・・・ああ・・・・・・大丈夫・・・・・・・だ・・・・・・」


 嘘をつく。しかし、大丈夫ではないことは、しゃべり方からしてばればれだ。


「そうですか。でも、無理はしないでくださいね」


 しかし、大妖精は気付いてないようだ。


「ああ、ありがとう、大妖精」


 一人、自分に気をかけてくれる大妖精にお礼を言う。そして息を整え、喉を少しでも潤すために、唾を呑み込む。


(うぇ・・・・・・気持ちわっる・・・・・・)


 しかし、運動不足のせいか、口の中が血の味がして、気持ち悪かった。


「美鈴!!美鈴!!起きて、美鈴!!」


 チルノが門の立って眠っている、チャイナドレスを着た門番らしき人物を起こそうと、叫ぶ。


「むにゃ、むにゃ・・・・・咲夜さん・・・・・・」


 しかし、一向に起きる気配はない。


(ここの門番でこんな状態で大丈夫なのか・・・・・・?ていうか、幸せそうだな。どんな夢を見てるんだよ?)


 彼女は、顔一面の笑顔を浮かべて眠っている。


「もういいや、入ろう」


 チルノはそう言うと、門を開けて中に入った。


「えっ!!ちょっと、チルノ、勝手に入ったら・・・・・・」


「アタイは最強なんだ!!あんな奴倒してやるよ」


 しかし、チルノはリグルの忠告も聞かず、館の中に入っていった。自分もチルノに続いて、中に入ろうとする。


「待ってください!!」


 急に呼び止められる。


「なんだ・・・・・・?なんか、行ったらいけないことでもあるのか?」


「・・・・・・」


 四人は黙り込んでしまった。


「ここには・・・・・・です」


 重かった口が開かれる。


「なんだって?」


「ここには、強くて瀟洒なメイド長がいるんです」


 大妖精の言葉に耳を疑う。


「強くて、瀟洒なメイド長?」


「名前は十六夜 咲夜。幻想郷で、一位を争うほどの強さの持ち主です」


 質問には、ミスティアが答えてくれた。


「それって、結構・・・・・」


 これには、リグルとルーミアが返答くれる


「ヤバいよ。チルノなんかが勝てるわけがない」


「そうなのだー」


「いつもはどうしてるんだ?」


「いつもは美鈴さんが起きていてくれていて、フランちゃんを呼んでもらうんですけど、さっき見ていた通り、今日はなかなか美鈴さん起きなくて」


「・・・・・・」


(なんてついてない日だ・・・・・・)


「連れ戻してきた方が良いんじゃないか?」


「そうした方がいいと思うんですけど・・・・・・このまま入って見つかれば、私達、侵入者扱いされますよ」


「見つからないようにいけばいいじゃないか」


「いやいや、出来っこないよ。ここにはメイド長以外に、沢山の妖精メイドがいるんだ、誰にも見つからないってのは・・・・・・」


 リグルが、自分の言葉を否定してきた。


「できないんじゃなくてやるもんだろ?」


「でも、見つかった時は・・・・・・」


 続いてミスティアが。


「お前たち、ネガティブだな。そんなことは、今考えるんじゃなくて、その時考えればいいんだ」


「・・・・・・」


 四人は再び口を閉ざす。


「そんなこと考えてたら、いつまでたって行動出来ないぞ」


「・・・・・・」


「お前たちはあいつの友達なんだろう?」


「そうだけど・・・・・・」


「それなら、ほら行くぞ」


 そう言って紅魔館の中に入った。その後からは大妖精、ミスティア、ルーミア、リグルの順で紅魔館の中へと入っていったのであった。


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