第九話 愛用の物
「ん・・・・・・んぁ・・・・・・」
真上には見覚えのある天井がある。最初に目覚めた場所だ。ゆっくりと身体を起こす。
「なんでこんなところに・・・・・・いてて・・・・・・」
激しい頭痛が襲ってくる。
(・・・・・・そう言えば、昨日霊夢たちと酒を飲んだんだった・・・・・・)
「二日酔いかよ・・・・・・・最悪だ・・・・・・」
グウ――――——。腹の虫が大きな音で鳴いた。
(腹減ったな・・・・・・)
立ち上がって何か食べるものがないか、下へと探しに行く。
(しかし、誰がここまで運んだんだ・・・・・・?)
階段を下りている時に、ふと思ってしまった。
「後で霊夢たちに聞いてみるか・・・・・・」
下は前と同じく寒かった。
「寒いな、ここは・・・・・・ん・・・・・・?」
机の上を見てみると見覚えのない銀色のアタッシュケースが置いてある。
(こんな物、置いてあったか・・・・・・?)
中身が気になり地数いて、アタッシュケースを開く。
「なんだ、これは・・・・・・」
その中には鉄扇と懐中時計、金の笛、銀の笛、壱万円札の束が大量に入っていた。
「・・・・・・ん・・・・・・?」
蓋の裏を見ると、紙が貼りつけられている。
「・・・・・・あなたの使ってた愛用の武器と道具、そしてあなたのお金です。使い方は私には分かりません・・・・・・
P.S. この建物を背に別れ道を左→右→真っ直ぐ→右→左→右→左の順に進んで行くと人里に抜けます。また、人里からこちらに戻ってくるときはこの道順を逆に進むと元に戻ることができます・・・・・・」
紙にはそう書かれていた。
(っていうか、追伸なっが!!)
そう思いながら、鉄扇と道具を手に取る。
笛には両方共にチェーンが付いたため首にかけ、懐中時計は懐のポケットに。
「こいつはどうするかな・・・・・・」
鉄扇だけはしまう場所がない。
(仕方がない・・・・・・こいつは手に持っとくか・・・・・・)
「・・・・・・」
不思議な感覚だ。この鉄扇は持っていた記憶はないのだが、妙に身体に馴染む。
「あの手紙によれば、愛用の武器だったんだ。馴染むのもおかしくないか・・・・・・」
試しに鉄扇を開く。
「こりゃえげつないぞ、仕込み刃がある。」
そして、溝が掘ってある。
(ここに液体を流し込めるみたいだな・・・・・・刃に流し込む液体と言ったら大体決まってる・・・・・・そしてこの黒ずんだ染み・・・・・・これはやっぱり・・・・・・)
グウ――――——。再び鳴った腹の音で腹が減っていたことを思い出す。
(見た限り、ここには食べれるものはなさそうだな・・・・・・)
大量にある壱万円札の束の中から一束だけを取りアタッシュケースを閉め、札束を懐に入れる。
(人里に行けば飯屋の一つぐらいあるだろう・・・・・・)
扉を開き森へ出る。
「ええっと、確かここを左に・・・・・・」
あの紙の通りに分かれ道を進むのだった。




