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タイムマシン実験記録  作者: 蒼樹たける
僕たちの時間旅行革命記
9/26

彼女の登場と作戦準備

 僕はその声と映画のワンシーンをまねたような話し方を聞いて、振り向く前からその人物の目星はついていた。振り向いてみるとその声の主は予想通り、僕の思い人であり、光太郎の母親らしい人物でもある広瀬 舞だった。僕は彼女がなぜこんなところに来ていると思ったが、その理由はすぐに分かった。彼女の近くに光太郎がいて僕に言ったのだ。


「ごめん、隆之介。宏樹さんを説得するために舞さんがいたほうがいいんじゃないかと思って連れてきてたんだけど、必要なかったみたいだね」


 僕に謝った光太郎だったが、舞はそれを聞いてすぐに反論して宏樹に話しかけた。彼女はどうやら宏樹に対して怒っているらしかった。


「必要ないことなかったでしょ!そりゃ坂本君にとって私は桜井君ほど長い付き合いじゃないけど、私だって友達じゃん!もっと頼ってよ!少なくとも私は桜井君よりは、坂本君の悩みのこと分かってるつもりだよ。だから今度迷ったら、私に言って。私も坂本君のこと、完全には理解してあげられないかもしれないけど、相談ぐらいにはいつでも乗ってあげるよ」


 彼女のその勢いに気圧された宏樹は、少し微笑んで答えた。


「ありがとう。確かに舞の方が俺の気持ちが分かるのかもしれない。けど、ごめん。まだ言えない。でも、心の準備ができたら二人にはきっと俺の本音を伝えるから。もう少し待ってくれないか」


「もちろん。簡単に言えることじゃないと思うから、気持ちの整理をしてからでいい。桜井君は驚くかもしれないけど、すぐにいつものようになると思うよ」


 舞はこう答えた。まるで宏樹の悩みが分かっているかのように彼女と宏樹の会話はかみ合っていた。だが僕はその時点でさえ、まだはっきり理解できていなくて置いてけぼりな気分になった。

 そして、すこし他人事のように彼女の話を聞いていて油断していた僕の方にも、彼女の怒りの矛先は向いてきた。


「桜井君も良くないよ!図書室で一緒に勉強する約束すっぽかしたと思ったら、友達のこんな大事なことに私に声を掛けないなんて!今度こんなことやったら絶交だからね!」


 そう言われた僕は彼女をなだめるように答えた。


「ごめん。急に気付いたことで舞に声かける余裕がなかったんだ。だから、これからも仲良くしてくれよ」


 僕の謝罪とお願いの言葉を聞いた後、舞はうなずいてまた話し始めた。


「よし、じゃあ二人とも許す。とにかく、その剣道部の告発には私も協力するつもりだから。吹奏楽部も練習が厳しい上に休みが無くて無理してる子がいて、桜井君の意見には同意できる部分もある。それに、私だけ仲間はずれみたいでなんか嫌だから」


 彼女が協力してくれると聞いて、僕は単純に嬉しくなった。


「ありがとう。協力してくれる人は一人でも多いほうが嬉しいよ。偉そうなことも言ったけど、僕も正直うまくいくかどうか分からなくて不安なんだ。だから、この計画に明らかにおかしいところが合ったりしたら指摘してほしい」


 僕が舞と宏樹にそう言うと、舞はすぐに返事をした。


「いやいや、指摘するも何も、まだどんな計画か聞いてないからできないよ。それに桜井君が考えてるその計画がどう頑張っても実現不可能なものだったら、私はやっぱり協力しないからね。だから、とにかく早く話して」


 宏樹と光太郎も舞のその言葉を聞いて、うなずいていた。彼らに促されて僕は言った。


「もちろん嫌だったら、協力しなくていいよ。特に宏樹にはとても大きな責任を負わせるかもしれないことだから、もし宏樹が嫌ならこの計画は中止にする。他の方法を探すよ。それを前提にして、計画の内容を聞いてほしい」


 そう前置きして、僕は話を続けた。


「簡単に言うと、宏樹にはみんなに屋上から飛び降りた姿を見てもらう」


「…」

「は?」

「え?」


僕の唐突な言葉を聞いて、宏樹、舞、光太郎の三人は、三者三様の反応を見せた。その反応の違いを少し面白く思いながら、僕は考えていた作戦の詳細を彼らに告げる。


つづく

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