判断の仕方
末っ子の誕生日のことがあって、ちょっと気になってきた。
今までわりとそういうことがあったのだ。そういうこと、というのは、私とウィリアムで話し合って決めておいたことが当日になって一方的にキャンセルになることだ。
今までは私の英語力が低いために、ウィリアムか私が勘違いしていたせいだろうと思っていたのだけれど、どうもそうではないらしい。今回のように末っ子が嫌な思いをするようなことはいくらなんでも酷いし、勘違いでは済まされない。
それでなるべく、紙に書いて確認するようにした。
決め事をする時は、紙とペンを準備。会話をして何かを決めたら日付やキーワードを書き込んでおく。するとウィリアムもそこに書き足したりする。
これですれ違いはかなり減ったと思われる。
それでもやっぱり
「今日、遅くなります」
と言ってウィリアムが出かけることはあった。そのたびにラインやメールをするけれど、既読はつかないし、勿論返事もこない。
大切なことを主人からメールしても返事はこなかった。
外にいるとWiFi が使えないから仕方がないこともあるのだけど、それにしたってヒドイ。
それである日気づいたのだ。
ウィリアムにとって、我が家の予定は“小栗家”のものであって、ウィリアムはその予定を知ったとしても、参加するかどうかは自由だと思っているのだ。
だから、当日に他の友だちに誘われたら、どちらが楽しいかを判断して、例えば“小栗家でたこやき”のほうが好ましければ帰って来るし“友だちとゲーム”のほうが楽しそうだったらそっちへ行くというスタンスなのだろう。
ウィリアムに居てほしいと思って決めているひとつひとつのおもてなしは、ウィリアムにとっては単なる小栗家の日常と思われているようであった。




