秋葉原
ウチの子たちが秋葉原に行ったことがないと言ったら、ウィリアムが
「僕は何度か行ったことがある。ヨシ、今度一緒に行こうか」
と誘ってくれた。
末っ子大喜び!
しかし、ウィリアムが今度と言うのは彼の学校の後。つまり、夕方に出かけるということである。
このころ、ウィリアムは帰宅が遅くなることが多くなった。彼は毎日色んなところでゲームをしている。例のMTGというカードゲームができるお店に入り浸っているのだ。
少しのお金を払って数ゲームするらしい。トーナメントになっていて勝ち進んでいくと帰りが遅くなる、というのだ。ヘタなゲームセンターと違ってMTGだけをするお店だし思ったほどはお金がかからないとはいえ、帰宅は10時半を越える。夕飯は適当に済ませているらしい。
これに末っ子を・・・?
いやいやいや、無理だって。小学生とお出かけって、コレだめでしょ!
ゲームをして遅くなるのはやめて、秋葉原の散策だけなら良いよという条件で末っ子を連れて行ってもらうことにした。
「ヨシと会えたら、ラインをちょうだい。会えなかったらヨシは帰るからね」
と伝えておくと、ウィリアムはOKOKと頷いていた。
待ち合わせの時間、ちゃんとウィリアムから「会えた」と連絡があったのでホッとした。
しかし夕飯の時間になっても帰ってこない。先に夕飯を済ませたころ、末っ子とウィリアムは帰ってきた。
末っ子はすごく楽しそうであったが、ウィリアムはへとへとになっていた。言葉は通じないし、もっと遅くまで遊びたかったに違いない。それなのに末っ子が家に帰ろうと言ったので、聞き入れて帰ってきてくれたのだろう。思い通りに行かないと、疲労度は増すものだ。ウィリアムは夕飯を少し食べると寝てしまったのだった。
末っ子にどうだったかを聞くと
「3か所くらい、カードのお店に行ってね、これとこれを買った。あと・・・」
と、とても楽しそうにその日の成果を語っている。
「帰りはどうしたの?」
「外に出たら暗くなってたから、ウィリアムにゴーホーム!って言って帰ってきた」
末っ子よ。君はまだ英語ができないのは知っているが「ゴーホーム!」は「帰れ」という意味だ。もうちょっと優しい言い方はなかったのだろうか。
どちらにしろ、ウィリアム、末っ子の相手をありがとう。そして遊び足りなくてごめんね。




