女の子
女の子の話題を出すと盛り上がる、というのを無意識に知っているのだろうか。ウィリアムはすぐに女の子の話題を出す。
初めのうちは
「あす太、彼女いるのか?いないのか?じゃあ、一緒に彼女を探しに行こう」
と、言っては盛り上がっていた。
あす君は彼女がいないけれど、別に欲しいと思っていない。むしろ、その存在は(今は)必要ないどころか、ちょっと邪魔だとすら思っている。だから
「俺、彼女いらないよ」
と言うのだが、ウィリアムは聞いていない。
「何言ってるんだ。女の子は良いぞ。絶対必要だ」
どんなことを言ってるのかわからないけれど、とにかく“彼女”の必要性を語って聞かせているらしい。
そのうちだんだん
「あす太ト一緒に出かけマセンカ」
と、翻訳機で日本語に直した言葉を覚えて、ナンパしに行こうとしている。
「誰かコイツを止めてくれ」
と、あす君も大迷惑そうである。すでに、ウィリアムのことを“コイツ”呼ばわりとなっている。
そんな感じで、しばらくはあす君のことをいじって遊んでいたけれど、あす君があまりにもすげないので、ウィリアムはついに自分の彼女を探すことにしたらしい。
ちょっと前の話では、ウィリアムはアメリカに彼女がいるらしいようなことを言っていた。だけど、引っ越しなどもあって、今は遠いのか、付き合ってないのか。そのへんは私の英語耳の感度が悪いため、よくわからない。
ただひとつ言えることは
「アメリカに帰れば、彼女はいくらでも作れるけど、日本人の女の子は難しい!」
とのことだ。
おまえ・・・
「基本的に、アメリカと日本では付き合うという考え方が違う。ほいほいついて来るような女の子と付き合ったってウィリアムがバカにされるだけだからやめなさい」
ビシっとちゅんちゅんに言われて、しょんぼりするウィリアム。
「だけど、彼女が欲しいんだよ~、寂しいんだよ~」的なことを英語で。
気持ちはわかるけど、もうすぐ帰るんじゃないか。少しくらい我慢しろ、と思っていたら、末っ子が
「あなたは何をしに日本に来たのですか」
と、翻訳機に書いてウィリアムに見せていた。
末っ子にすらこの扱いw
いや、だから、単なる話題作りだからさ、みんな、もう少し生ぬるい目で見てやって。




