嫌いな食べ物
やっと偏食の話になりました。
ウィリアムが日本に来る前、事前にいづみから「マヨネーズと缶詰のツナが嫌い」という情報を貰っていた。あとはアレルギーもなく、なんでも食べるとのこと。
日本の食文化の勉強をしにくるわけだし、将来的に板前とまではいかなくても(彼はインド料理屋で修業をしたらしいし)料理人になるのかもしれない。
とにかく日本料理のことを知りたいに違いない。
と思っていた私は、ウィリアムの食事をどうしようか考えていた。私は料理が上手でないし、作ることが苦痛と思うほどに嫌いである。でも、日々の子どもたちの食事は野菜やタンパク質のバランスを考えたり、色々な食材に触れてほしいと思って調理している。
まあ、ウィリアムは日本の食文化を勉強に来ているわけだから、日本食が良いだろう。
と思ったのが大間違い。
実際に彼が日本に来て、食事を共にするようになって分かったが、ほとんど食べない。
確かに私は料理が上手ではないが、下手ではないと思う。あす君などは「お母さんの料理は世界一美味しい」と言って我が家の食費を圧迫するほど食べてくれるが・・・ウィリアムは食べないのだ。
マヨネーズとツナ缶だけ、どころか、野菜全般、魚臭い物、乳製品、加工肉類、辛いもの、卵料理は全くと言っていいほど食べない。手も付けない。
軽くショックを受けたが、このままじゃ彼がやせ細ってしまうという変な危機感を覚えた。
だからと言って、嫌いな物を食べさせるのは可哀想だし。まあ、食べられるものを食べられるだけ食べてくれ。
私はそういうスタンスでいたのだが、意外にもウチの子たちがすごく気にしていて、
「ウィリアムが野菜を食べるにはどうしたら良いだろう」
と真剣に悩んでいた。
日本の野菜嫌いの子どもにするように、細かく刻んだり摩り下ろしたりしてスープや肉に混ぜ込むとか、いっそ野菜しか食卓に出さないとか言い出した。
いやいやいや、だから、可哀想だから。
「じゃあ、あす君がベトナムに行って、パクチー料理ばっかり出てきたらどう?」
って聞いたら、
「それは嫌だ」
と言ってわかってくれた。
まあ、嫌いな食べ物がマヨネーズとツナ缶だけではない(かなりの偏食)ということはわかった。
さて、これはどうしたものか。難しい問題であった。