表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6週間家族  作者: marron
14/60

ひとりっ子


 ウィリアムは一人っ子らしい。

 そのため、ひとりで何でもやろうとするし、ひとりで行動することが苦にならない。ひとりで楽しいことを探すこと、見つけることも得意だそうだ。(ウィリアムのママ談)

 そしてひとりでいることも気楽なはずである。それなのに、夕食後はだいたい団欒の時を持つため、居間にいる。

 あす君やちゅんちゅんが(居間で)勉強をしていて相手にしてくれなくても、主人のマシンガントーク(英語)の相手をしているし、主人が部屋にあがってしまったら、末っ子と何やらかみ合わないゲームの話をしてたりする。


 学校のない週末。ウィリアムはひとりでどこかへ行く。

 金曜日の夜から日曜日までは学校のことを忘れて遊びたいらしい。しかし遊ぶと言っても、何をしたらいいのだろう。もともと、我が家もあす君の受験を筆頭に、それぞれ予定があるため、ウィリアムをどこかへ連れて行ってあげたりする余裕がない。

 それでも全然気にしないウィリアム。

「今度の金曜日の夜、映画を見に行くけど、一緒に行く人いますか?」的なことを英語で。

「はーい!」

 って、末っ子。お前は無理だ。ごめんウィリアム、ひとりで行ってくれ。そんな感じでも全然気にしない。


「次の土曜日、僕にお勧めの場所はありますか?」的なことを英語で。

「そうだなー、浅草はどう?」

 って、ひとりで行くの?そうだよね、我ら小栗家一同はみんな予定があるし。ということで、ひとりで浅草に行ったウィリアム。


 帰ってきてから浅草はどうだったかを聞くと、

「ピンクのモヒカンの豚がいた」的なことを英語で。

 ん!?豚?

「豚!?ピッグ?」

「うん。ピッグというより、ホッグかな」的なことを英語で。

 ホッグって何だよ?

 彼は一体何のことを言ってるのだろうか。そこでちゅんちゅんが

「獅子舞とかじゃないの?」と。

 なるほど。そういうやつかもしれないね。

 さんざんみんなでピッグについて語った後、ウィリアムが写真を見せてくれた。


「おお、本当に豚だわ」

 そこには日本的な何かや、伝統的な何かがあったわけではなく、本当に普通に豚がピンクのカツラのようなものを付けている姿が写っていた。

 浅草、恐るべし。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ