咳
ウィリアムがウチに来て、数日経った日。朝から咳をしていた。
外国で病気になったら心細いだろうな。体調管理しなきゃな、と思っていたが、学校から帰ってきたウィリアムはさらに咳をしていた。
喉がスースーするのど飴を舐めさせたりしたけど、咳はあまりよくならない。
そういう時はちゃんとしたのど飴だよな、と思い、ヴィック○ドロップをあげた。
「これは準医薬品(医薬部外品)だから、一日6個まで」
と、注意をしてあげたら、そうなんだ~と感心したように頷くウィリアム。
ていうか、ヴィッ○スってアメリカのブランドなんじゃないの?アメリカにないか聞いたら、
「さあ?しらなーい」
って感じだった。そうなのか。
そしてすごく疲れているようだったので
「今日はもう、お風呂に入らないで寝なさい」
と、命令してみた。ちなみに夜8時。
ちょっと早いけど、ウィリアムは素直に頷いて部屋に戻った。
その日は、ウチの子たちにも静かに過ごすように命令。いつもはふんふん歌いまくっている子どもたちも、その日ばかりは脳内で歌ってくれていたようだった。よしよし。
そして次の日、すっきりとした顔で起きてきたウィリアム。もう咳は全然出ていなかった。
回復はや!
しかし良かった。ホッとした。
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あとから聞いたが、仲良くなった友だち(かなり大人)がヘビースモーカーだそうだ。
それで喉をやられたらしい。
そして、ウィリアムは若さのわりにいつもちょっとどこか具合悪い子であった。