赤ずきん No.2:死にました。
先週は諸事情により、投稿出来ませんでした。 すいません……
「ねぇ…… えっと…… フェイさん?」
「はぁ…… 何でそんなに他人行儀なんだい? もうそろそろ警戒を解いてくれてもいいんだよ?」
「いや…… 急に空中から現れて、何か凄い勢いで説明をしてから宜しくって言われても…… というか、ほんとに何者なの?」
「だから、君のサポート役なんだよ。ただ、それだけの存在なのさ。ちなみに、他の人には僕が見えていないんだよ。君専用のサポート役だからね。」
「そう言うことじゃなくて、何でフェイs……」
「だから、僕の事は呼び捨てで構わないって言ってるだろ?」
「えっと…… じゃあ…… 何でフェイは私のサポート役なんかになったの?」
「そうだね。僕の上司に、君のサポート役になってくれって指示を受けたからね。あ、僕に関する質問は、出来るだけしないでほしいんだ。」
「その上司って、あの棒人間をいっぱい連れてた 自称・神様 のこと?」
「まぁ、そんな所かな ……おっと。もうそろそろ森に着くよ。突然だけど、此処から先は僕に質問出来なくなるからね。ただ、それ以外のことはやれるから安心してね」
「何で質問出来なくなるの?」
「そう決まっているから、としか言えないね。」
「そっか……」
本当にフェイって何者なんだろう? あの 自称・神様 の部下だって言ってたけど……
そんな話をしていると、いつの間にか『おばあちゃん』が住んでいるというか森の前までやって来た。
うわー 思っていたのと違うよ!!
まさかこんなにも暗いなんて……
そもそも何で『おばあちゃん』は、こんな森に住んでるんだろう? 皆と村で暮らせば良いのに。
ちょっとフェイに聞いてみよう。
「ねぇ、フェイ。 質問なんd……」
「もう質問は受け付けてないんだよ。さっきも言ったでしょ? ちゃんと話聞いてた?」
「あぅ…… ごめんなさい……」
「いや、分かれば良いんだよ」
さっきフェイに言われた事をすっかり忘れてたよ……
そんな会話をしていると、前に何かがいた。
あ…… 狼だ…… ついに狼が現れた…… ということは、この狼を無視して、おばあちゃんの家に行けば食べられなくて済むのかな。
「やぁ、お嬢さん。此処から先は危険ですので、あちらの道を通って行くことをオススメしますよ。丁度通り道に花畑があるので、そこで花を摘んでいってはいかがですか?」
なんか、イメージと違う…… 何故か凄く親切にしてくれてる。
これも相手を油断させる為にやっているのかな? だったら無視しておいたほうがいいのかな。断っておくかな……
「大丈夫ですよ。この森に危険な動物は居ませんから」
「いえ。別に動物が襲ってくるとは限らな……」
「それでは急いでいるので。それでは」
「そうですか…… それでは気を付けて……」
いやぁ、危なかった。物語の結末を知らなかったら誘導されてたかもしれない。でも、これで私達があの狼に食べられる事はないんだよね。
それじゃあ気を取り直して『おばあちゃん』の家に行こうか。
なんだ、何も起こらないじゃん。あの狼はやっぱり騙そうとしていたのかな?
……あ、『おばあちゃん』の家が見えてきた。
森の中にある『おばあちゃん』の家。その家の前に、『真っ黒なウサギの被り物』を被った誰かが立っていた。
ん? 誰か立ってるな…… 誰だろう?
あ……、こっちに来たよ。何者なのか聞いておこうかな。
「あのー あなたはだッ!?」
少女は、接近してきた人物に話しかけようとした。だが、一瞬にして近づいてきた黒いウサギによって、少女の首が宙を舞う。
……あれ? 何で私の身体が下にあるの?
あの黒いウサギが持ってる物って…… ナイフ?
え……? ちょっと意味が分からない 何で? 何で私が殺されてるの?
少女の意識は闇へと沈む……
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「ねぇ『フラム』? これからもこの、『私の親友そっくりに作られた人形』を壊していけば、あの子に逢えるのよね?」
「そうだな。こいつらを壊せば、君の親友にきっと逢えるだろう」
「ふふ。そうね。 例え人形とはいえ、あの子にそっくりだもの、壊すのは少し躊躇いがあるけれど、この子達を壊し尽くせばあの子と二人っきり。楽しみだわ。 ……待っててね『春妃』ちゃん♪」
「さぁ、そんな事よりも、アイツの次の物語が決まったぞ。行くならさっさといこうぜ『グレイ・ライトニング』」
「分かったわ。行きましょう」
「おうよ」
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《……資格所有者の死亡を確認。代償に設定してある『感情』の抹消を行います。 ……成功しました》
《これより、資格所有者を『死後の部屋』へと転送します。 ……成功しました》
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少女が黒いウサギに殺された後、少女は真っ暗な部屋に一人で寝かされていた。
「あれ? 何で私生きてるの? さっき殺された筈じゃ……」
「やぁ、やっと起きたね」
「フェイ!?」
「一体何をそんなに驚いているんだい?」
「え…… いや…… だって…… 私殺されて…… 」
「だからさ、最初の説明で言ったじゃないか……」
『これより、能力【物語の続き・もしもの世界】を発動します。』
何処からか、無機質な音声が聞こえる。
「おっと、始まったみたいだ。説明はまた後で」
「ちょっとフェイ!? これって一体……」
フェイに質問しようとした少女。だが、言葉を言い終わる前に、少女の居た部屋の床が消える。そして、もちろん少女は
落ちた……
気付くと、少女は『自分の死体』が転がっている所に立っていた。