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少女の童話旅行  作者: ilis01
第一章:童話の世界とは……
2/3

赤ずきん  No.1:初めての童話の世界

まずは『赤ずきん』から!!

 《……資格所有者の転送を確認》


 《……第一段階(フェーズ)、精神への干渉を実行……成功しました》


 《……第二段階(フェーズ)、代償と報酬の設定を実行……成功しました》


 《……第三段階(フェーズ)、精神から名前と記憶の分離を実行……成功しました》


 《……第四段階(フェーズ)、能力の付与を実行……成功しました》


 《これより、資格所有者の再転送を行います》





ーーーーーーーーーー

 




 「……さい  ……なさい ……起きなさい!」


 何処からか、私を呼ぶ声が聞こえる。

 もう私の親が帰って来たのかな?まだ(しばら)くは海外に居るはずなのに…

 ん?でもお母さんってこんな声だっけ?ていうか、私のベッドってこんな固かったっけ?

 

 ここで、私はあの『自称 神様』に言われた事を思い出した。 


『【童話の世界】に行ってみたい、と思ったことはあるかい?』

 『【童話の世界】に行ってくれるのならば、元の世界に戻してあげるよ』

 

 つまり私は元の世界に戻る為に、この世界に来たんだよね? ということは私は今【童話の世界】に居るってことで良いんだよね?

 何か色々混乱してきた…

 そもそも、何であんなにも穴だらけの説明で来たんだろう?

 【童話の世界】に行ったら元の世界に戻すって…… 

 下手したらもう二度と、この世界から抜け出せないかもしれないのに……




 そんな事を思いながらも、体を起こす少女。近くの窓から見える景色は、木造の家が建ち並ぶ村だった。




 「あぁ…… もう、やっと起きた。昨日言ったでしょ?×××。今日は森に住んでるおばあちゃんの家まで行って、このワインと食料を届けに行くって」

 「え…… あぁ…… うん」


 そんな事言われても、私は今さっき来た所だよ? 

そもそも此処って何の童話? 

 【童話の世界】といっても童話なんて、世界中で100種類以上は軽くあるし…… 

 でも、『森に住んでるおばあちゃん』とか『ワインと食料を届ける』って言ってたし…… 

心当たりがない訳じゃあないけど……




 そんな事を考えながらも、一応用意はする少女。




 「いい? 毎回行くときに注意してると思うけど、狼が来ても無視するのよ? あの狼は、平気で嘘をついたりするからね」

 「わかったよ。 それじゃあいってきます」

 「あれ? 今日は『赤いずきん』は被っていかないの?」

 「え……? あ、忘れてたよ」

 「そう? 嫌なら別に着けなくてもいいんだけど……」

 「大丈夫。ちゃんと着けてくよ」

 「そうね。あのずきんを着けて、おばあちゃんに会いに行くと、毎回嬉しそうにしてくれるものね」

 「そうだね…… あはは……」


そういえばさっき、さりげなく『赤いずきん』っていう単語が出た気がするんだけど…… 

 あぁ、理解した、やっぱりこの世界は『赤ずきん』の世界なんだね。

 ということは、この後オオカミに騙されて、花を摘んでる間におばあちゃんが食べられて……ってことでいいんだよね?

 そもそも、こういうのって物語通りに進むべきなのかな?


 すると、目の前の空間が急に歪み始めた。


 え? なにこれ? 何か出てきちゃったりするのかな?

 

 そして、出てきたのは……


 「やぁ、こんにちは。僕の名前はフェイ。これから君の世話っていうか何て言うか…… なんだっけ? ……あぁ、そうだよ、サポートだ。いやぁ、良かったよ思い出して。君に変な奴みたいに見られて、信用を失いたくないからさ。サポート役は信用を勝ち取ってからじゃないとね。まぁ、そんな事より今日から君のサポート役になったから、宜しくね。あ、急にサポート役って言われても、何をするのか分かんないよね。簡単に説明すると、君の疑問には答えられる範囲で回答するし、『これ持って』とか『あれ覚えておいて』とか、簡単な手伝いとかもするよ? ……という訳で、さっきの質問について回答させて貰うよ? 『物語通りに進むべきか』だったよね? 答えは別にどっちでも構わない。最終的に、君の演じてるキャラクターが、ハッピーエンドで終わればいい。終われば次の童話へと転送される。因みに、君が死亡した場合も転送されるからね。ただし、一回死亡する度に君についての情報が君の頭の中の知識から抹消されるからね。分かっているとおもうけど、すべての情報を失ったら元の世界には帰れない。【童話の世界】でものを言わぬ肉塊になっちゃうからね。あ、勿論(もちろん)君の頭から消えるだけで、周りの人は君の事を覚えているからね。だから、安心してくれよ。逆に言えば、無事ハッピーエンドで終わらせられたら、君に関する情報が復元されるという訳。つまり、君に関する情報が全て失われる前に、自分の情報を全て集めろ。ってこと。あぁ、全部の情報が集まった状態で、5つの物語をクリアすれば、元の世界に戻してあげるよ。それで最後にこのカード、今までに成功した世界、失敗した世界と、君の簡単なステータスが書いてあるよ。もう伝えることは特に無いかな。それじゃあ、改めて宜しくね。」


 良く喋る少女だった。

 しかも、私と同じ姿をしている……


 途中から何を言ってるかサッパリだったが、大事な所は聞き取れた(はず……)

 まぁ、やっと元の世界に戻れる方法が分かったんだ。頑張ろう。


 ついでに、フェイから貰ったカード…… ステータスカードを見ておく。


ーーーーーーーーーー


 名前:×××


 性別:女


 年齢:17


 成功した世界:0


 失敗した世界:0


 能力:物語の続き(アフターストーリー)

 発動条件:使用者本人の死亡後、自動で発動。キャンセル不可

 ・自分が死亡した世界のその後を知ることが出来る。

   

   :もしもの世界(アナザーストーリー)

 発動条件:使用者本人の死亡後、自動で発動。キャンセル不可

 ・自分が死亡した世界において、選択を変えることで起きたかもしれない出来事を知れる。


   :幸せな結末(ハッピーエンド)

 発動条件:任意で発動可能

 ・自分が成功した世界で、自分が演じた登場人物の特徴を、能力化する事が出来る。


  状態:名前・元の世界の記憶を、消失しています。


  現在の世界:赤ずきん



ーーーーーーーーーー



 こんな事が書いてあった。




 「ねぇ? ×××? どうしたの? 急にボーッとして」


 その声で我に帰った私。周りを見てみるとすぐ横でこっちを向いてニコニコしているフェイが立っていた。

 お母さん? にはどうやらフェイの事が見えないらしい。


 「ううん。何でもないよ」

 「大丈夫なら良いのだけれど…… それじゃあ、おばあちゃんに宜しくね」

 「うん。いってきます」

 「行ってらっしゃい」




 こうして少女は家を出た。

 これから起こることを何も知らないで……


とりあえず フェイ とは出会えましたね。


次回は、ほんの少しグロい?シーンが入ります。

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