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少女の童話旅行  作者: ilis01
第一章:童話の世界とは……
1/3

プロローグ~全ての始まり~

初投稿です。

暖かい目でご覧下さい

「あぁ なんでこんなに夏は暑いのだろう」


電車の座席に座りながら、呻くように声を出す少女。


「しょうがないよ。夏だもん」


隣から透き通るような声が聞こえる。

 少女の親友の榑井 光里(くれい ひかり)である。

 艶やかな黒い長髪に、整った顔立ち、胸こそ無いものの、アンケートを採ったならば10人中10人が美人だと認めるほどの美貌である。

 しかも、老若男女誰に対しても優しいという、完璧な親友である。


「それは、答えになってな~~い」

「うーーん、それじゃあ詳しく説明すると、地球の公転が……」

「難しい話は止めてーー!! 頭がオーバーヒートするーー」

「えぇ?! でもそれじゃあ夏が暑い理由が説明出来ないよ」


真剣に悩み始める光里に、少女は長い溜め息をついた。


「はぁ…… その事はもういいよ…… あ、もう降りなきゃ。それじゃあまた明日ね!!」


そう言うと、少女は電車を降りた。


「うん!! また明日夏が暑い理由について教えてあげるねー」


と、光里は満面の笑みで返してきた。

少女は苦笑いしながら

「楽しみにしてるー」

というと、改札口へ向かった。


 光里と別れた後、少女は足早に行きつけの書店へと向かう。

今日は、少女が2年前から集めている漫画の最終巻の発売日であった。

 少女は新刊を買うと、嬉しそうに顔を綻ばせる。

 鼻歌を歌いながら家に帰ると、誰も居ないはずの家の玄関の扉が少し開いていた。


 (まさか泥棒?)


 と、少女は警戒しながらゆっくりと扉に近づいていく。

 こっそりと玄関を覗いてみると、そこには見慣れた玄関ではなく、真っ暗な何もかもを吸い込むような、そんな空間が広がっていた。

 そして、無意識に真っ暗な空間に足を踏み入れた。


 少女がこの空間に足を踏み入れた時点で、少女の日常がすべて崩れ去って仕舞ったこと。

 そして、これから少女に、地獄にも等しい辛い出来事が待ち構えていることを知るものは、この世界には居なかった。





ーーーーーーーーーー



少女は、ただ真っ暗で人の声どころか光すら見えない、そんな空間をかれこれ1時間程歩いていた。

きっと、家の玄関にあった、あの真っ暗な闇の中なのだろうなーと思い、歩けば直ぐに出られるのでは?と予想して歩いたけども全く出られる気配はない。


「あぁぁ 早く漫画読みたいよーー」

「疲れたよーー もう歩けないよーー」

「何で私の家にこんn……」

『うるさーーーい!! もう少し静かに出来ないのか 君は?!』


 少女がイライラしながら大声で叫んでいると、何処からか声が聞こえた。

 もしかしたら此処から出られるかもしれないと少女は思い、声の主に会うために


「あーなーたーはーだーれーでーすーかー?」


と、もう一度叫んでみると、何処からか


『神様だよ!! まったく、五月蝿(うるさ)いなぁ……』


という声と共に、1mほどの身長の棒人間 約30体を引き連れた人が出てきた。

 顔はモザイクのようなものがかかっていてよく分からないが、とりあえず自分以外の誰かに会えた喜びで、胸がいっぱいの少女に、現れた自称 神様が


『君は、【童話の世界】に行ってみたい、と思ったことはあるかい?』


と、急に聞いてきた。

 少女は、突然の質問に 「ふぇ?」 という間抜けな声しか出せない。


『沈黙は肯定ととるけど、いいかな?』


そんな少女を無視して自称 神様が聞いてくる。


「え…… えぇっと…… その…… あの…… まぁ、行きたいか 行きたくないかでいえば……」

『うん うん♪』

「行きたくないですよ…… 早く私を家に返してくれないかな?」

『そこは普通 【え? 童話の世界に行けるの? わーい 私、シンデレラの世界がいいなー♪】くらい言うと思っていたのだけど……』


自称 神様は、少し項垂れながらボソボソと呟く。


『【童話の世界】を旅してくれれば、家に返してあげようと思ったのになー』


その言葉を聞き逃さない少女は、


「もしも 行かないって言ったら私はどうなるの?」

『そうだね…… ずっとこの空間でひとり かな?』


もはや、選択肢は一つしかない


「わかった 行くわ。その【童話の世界】にいかないと帰れないのよね?」

『あぁ、その通りだよ。それじゃあ行こうか』


直後、少女の視界がグニャリと捻れ、そのまま意識が途切れた。

転送される直前に、自称 神様の口許がニタァ と言った感じに開かれたことを、少女は知らない。




ーーーーーーーーーー




 『いやぁ、まさかあんなにも穴だらけの説明で行っちゃうなんて。相当切羽詰まってたんだねー  まぁ、精々その心が壊れないように頑張りなよ…… クスクスクス』


『ホントお前は悪趣味だよなー。 俺も他人(ひと)の事言ってられないがな。 あの女、【親友の子が 洗脳されて童話の世界に行っちゃった。でも、僕はその世界に行けないから、どうか君があの子を助けておくれ】って言ったら速攻で「行きますっ」だってさ。相当あの子が好きなんだろうな』


『おいおい、俺は洗脳した悪者扱いか?それは酷いぜ』


『まぁ、どっちもどっちだよな…… クスクスクス』



 少女が消えた空間で自称 神様 二人が話していた。



感想や要求がありましたら、お気軽にどうぞ。


最初は『赤ずきん』からです。


『光里』の名字、自称 神様 と 少女 が出会うシーン等を修正しました。

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