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屠るモノ


 ツンフトで襲いかかってきた死神、リーパーの集団は金髪エルフことロビン、キリセ、リーベの前に返り討ちにあった。

 かく言う俺も二人倒した。以前なら手も足も出なかった相手だったが、何とか渡り合えた。これもレンとの訓練を繰り返したからだろうか。

 何にせよ、連中は撃破した。なら今度は街を、──そう思い、外に出た俺が目の当たりにしたのは。

「これは──」

 そこで俺は押し黙った。

 だってそうだろ? 目にしたのは、フリージアの街のあちこちが火に包まれ、……真っ赤に染まる光景だったのだから。

 更にそれだけじゃあない。耳を澄まさずとも聞こえるのは悲鳴、怒号、そして時折、キィン、としたぶつかり合う金属音。

「何なんだこれは?」

 頭の中が、現実に思考が追い付かない。

「何を呆けている?」

 金髪エルフは冷ややかな視線を向けてくる。だって、眼前の光景を見ろよ。俺達の暮らしてる街が…………。何でお前そんなに冷静なんだよ?

「こいつぁ、ひでぇぜよ」

 キリセは怒りを覚えたのか、ギリ、と歯を噛み締める音が俺にも聞こえる。

 そうだよ、キリセ。お前なら──。そう思って俺はキリセの方へと振り向く。

「……え?」

 だけどキリセの表情もまた、驚く程に冷静だった。声こそ怒りを滲ませていたけど、それだけの事だ。

「なんだよお前ら? どうしてそんな……」

 分からない。意味が分からない。

 何で二人共そんな、淡々と出来るんだよ!

 あいつらは揃いも揃って無言で、市街地へ歩いていく。

「まぁまぁ、少しばかり落ち着きなはれや、ネジはん」

「…………」

 おかっぱ頭の吸血童女ことリーベが諭すような口調で俺をたしなめた。

「あんさんの抱いとる怒り・・は真っ当なモノどす。誰もがみんな抱いてはると思いますえ」

「じゃあ、何で──」

「ただなぁ、怒りをそうやって表に出してはる暇があるんなら、ここで身震いしてるよりも、……まずやる事があるんちゃいますかなぁ」

 そこまで言われ、ようやく俺はハッとする。

 そうだ。俺には出来る事がある。怒りに震えている暇があったら、向かうべき場所がある。

「すまない。行ってくる」

「いいえ、きばりなはれや」

 俺は二人を追いかけ、走り出す。そうだ、救わなきゃいけない。街を救うのはもう無理かも知れなくても、一人でも多くの人を。



 ◆◆◆



「うっらああああああああ」

 全身から湯気を上げ、オレは突進。目の前にいた敵をブッ飛ばす。

 並みいる敵をぶん殴って、蹴っ飛ばして、それから、とにかく手当たり次第に倒していく。

「どうしたぁ、かかってこいよ!」

 そうやって敵の注意をコチラヘ向けて、その隙に皆を逃がし、態勢を整えさせる。

「ハアアアアアアアッッッッ」

 左拳を目の前の敵、──鳩尾へと叩き込む。加速させた拳は敵を骨を折り、内臓を破裂。仕留めるには充分だ。

「どうした? もう来ないのか?」

 見回せば、敵の群れはもう全て倒れている。何とか、なったか?

「みんな、大丈夫?」

「ああ、何とかな」「レンがいなきゃどうなってたか」「助かったぜ」

 警備に当たってた皆は返事を返す。

 もちろん全員が助かったワケじゃない。倒した敵の群れに混じって、何人もの仲間が、街の人達が事切れている。

 つい昨日、顔を合わせて挨拶をした魚屋のおっさんがいる。いつも冗談ばっかし口にして、隣に住む花屋のお姉さんにいつ告白するのか、って冷やかしをしたばかりの鍛冶屋の次男がいる。家業の商売は息子に任せて、のんびりと日々を暮らしていたご隠居がいる。

「れ、んちゃん」

 足元に視線を巡らせば、ここ数ヶ月で随分大きくなった近所の男の子が倒れていた。

「い、たいよぉ……」

「…………」

 オレにはかける言葉もない。

 槍の穂先が腹部を貫いており、大量の出血で血の海になっている。

 それだけでももう手遅れだと、分かってしまうのは充分。

「ねぇ、どうしてこん、な」

「…………」

 なのに、男の子は死に切れずに、苦しんでいる。

「大丈夫だ。こんなのすぐに治るよ」

「ほ、んとに?」

「うん。アタシが保証する」

 日頃ならば決して使わない女口調。いつものような男らしさとはおよそ真逆の優しい微笑みをたたえて、アタシは今まさしく死にゆく男の子に声をかける。

 そ、と手を差し出して男の子の頭を撫でる。分かってる。こんなのは何の意味もないってコトは。もう手遅れで、奇跡でもなければ助からないってのは。だから、出来るコトをするだけだ。

「約束するよ、もうすぐ楽になれるって」

「うん、わ、……かった」

 男の子は穏やかな顔のまま、息を引き取る。アタシがこの子の、最後のを添えた手で奪ったのだ。せめて、苦しまないように。やったコトは命を奪っただけ。人殺しだ。

「ゴメンな。助けられなくって」

 そっと目を閉じさせ、身体を担ぐ。こんな場所じゃ、何があるか分からない。

「レン、すまなかったな」

 民兵のリーダーが頭を下げる。ううん、アンタが悪いんじゃない。いや、誰かが悪いんじゃない。だって、これは戦争なのだから。

「まずいぞ。オーガだ、オーガの一団が向かって来るぞっっ」

 オーガという言葉に場の誰もが凍り付く。ムリもない。オーガはゴブリンやコボルトなんて存在とはまるで別次元の存在。数体もいれば小さな村なら壊滅させられるような化け物。そんなのが大挙して来ればどうなるか。街は滅びる。さっき門をぶち破ったのは、単なる前座ってワケか、ふざけるな。

「──」

 門の上へと駆け上がり、耳を澄ましてみる。漆黒の闇の中、ドシン、ドシンとした重量感のある足音が数え切れない程に鳴り響いて、向かってくる。

 目に意識を集中させ、視界を切り替える。見るのは向かってくるモノが発する熱だ。

「何だよお前らは……」

 無性に腹が立つ。

「どうしてココに来た?」

 理由はあるんだろう。じゃなきゃ、オーガなんてモノがフリージアに大挙して襲いかかったりするはずがない。

「でも、ソッチの事情なんざ知るかよ──」

 許せない、ただ許せなかった。

 どんな理由があるにせよ、こうして弱い人を、無力な子供まで巻き込むコトが。

 ああ、そうだ。オレは許せない。

「いいぜ。なら、全部灼き尽くすだけだ」



 ◆◆◆



「ガッハッハ。軟弱な人間如きの街など容易く壊してくれるわ」

 馬上の指揮官は声を張り上げ、鼓舞をする。

 オーガの先発隊はいよいよフリージアへ迫る。およそ五百体の軍団が隊列を組み、統制を保ちつつ襲いかかる。かつて魔族でも最強の一角とさえ呼ばれたにも関わらず、いつしか自分達よりも弱いはずの種族に押され、弱体化した最大の理由。それは自分達の強さを盲信する余りに、集団での戦い方を軽視した、という事。確かに個々での戦闘能力は大きな差があった。多少の数の差などものともせず、敵を屠ってきた。

 誰よりも強い種族。それを誇りとし、ただ己の力を頼みとして暴虐の限りを尽くしたし、それで事足りていたのだ。

 そしてその誇りがいつしか驕りとなり、変化に遅れた。

 人間との幾多の戦争を経て、魔族の中に意識の変化があった。

 人間よりも強い存在が多いはずなのに、何故勝てないのか?

 個々で千人とも渡り合えるはずの勇士が何故死したのか?

 その答えをいち早く理解したのは人間と同格、或いはそれよりも劣る種族からだった。

 弱者が強者に立ち向かう術を彼ら弱小種族は人間より見出し、学び、そして彼らは勢力を広げた。相手が自分達より強いのであれば、多くの味方を得る。十で足りぬなら百で、それでも足りぬなら千で。数を頼みとし、知恵を働かせて対抗する。

 少しずつ、だが確実に弱小種族は勢力を広げ、一方でオーガは衰退していく。

 信じ難い、だが厳然たる事実を前にオーガ達は絶望を深めていた時だ。

「我らが王はまさに救い主よ」

 オーガの王が代替わりした。

 新たな王はこれまでの常識を打破した。つまり個々の力のみを頼りにするのを禁じた。

 弱小種族にあって自分達にないのが、戦術の徹底だと主張。当初は反発が起こり、種族間で内紛寸前にすら陥った。このまま対立を続ければ、他の種族の格好の餌食になると考えた王は、一つの提案をした。

 オーガの勇士百体と、まだ成体にも達しない者ばかりの百体との疑似戦。

 勇士を率いるのは王に反発する者の中心人物で、未熟者を率いるのは王。

 誰もが勝つのは勇士だと思い、そして驚愕する事となる。

「まさに目から鱗が落ちるとはあれよな」

 勇士は未熟者に負けた。それも完全に。勇士達は自分達が強い事を自負し、負けた。

 未熟者は自分達が劣っているのを分かっており、それ故に勝つ方法を、王の言う戦い方を実行。それがこの結果を招いた。

 王は宣言した。


 ”我らは強い。だがそれ故に弱い。驕りを捨てよ、生きる事を、生き延びる事をこそ信奉せよ。

 己より弱き者より学べ。彼らが如何様にして今日の繁栄を得たのか? そして我らがこうまで衰退したかを鑑みよ”


 それ以来、オーガは徐々に、だが確実に勢力を回復させていった。

 ゴブリンやコボルトにはまだ勢力では及ばずとも、群体としての強さにはもう差はない。

 少なくとも以前のように罠や奇襲で負けるといった事はもうない。

 戦術を学び、軍団となった今、状況次第ではあるが、オーガはかつての立場を取り戻す事すら望める。

 だが如何に軍団としての強さを得たのだとしても、土地の貧弱さまでは補えない。他の肥沃な土地を持つゴブリンやコボルトは兵糧を確保している。

 対して、オーガにはそれが欠如。それが故に、苦境に立たされているのだ。

「だがそれも今日までよ」

 フリージアには糧食が豊富にあるのだそう。それをさえ得ればもう恐れるモノはない。周辺種族を相手取って戦さを仕掛ける事も可能となる。

「ガッハッハ。奪え、殺せ、壊してしまえ」

 鉄壁を誇った守りはもはや機能せず、混乱状態に陥った街など容易く陥落出来よう。

 指揮官はそう確信し、種族の繁栄を夢想した時だった。

 気が付けば、先発隊の足は止まっている。

「む?」

 それだけではない。最前にいる者達が何やら慌てふためくのが分かる。

(なにをしておるのだ?)

 抵抗されたのであれば、返り討ちにすればいい。何を慌てる?

 それだけではない。隊列の乱れが広がっている。徐々に最前列より中列へ、そして最後列にまで及び出す。

「バカめ。何を浮き足立っている? 落ち着け!」

 そう馬上より声を張り上げるも、効果はない。先発隊の混乱は拡大の一途を辿る。

「恐れながら報告します」

 副官が膝をつく。その顔色は悪く、良くない知らせなのが容易に察せられた。

「敵襲だな」

「は」

「数は?」

「一人です」

「なに?」

 指揮官は思わず副官へと振り向く。

「バカを抜かすな、たかが一人でこの隊をここまで混乱させられるものかよ。そんな事が可能なのは……」

 それは英雄クラスの実力者。この場に限ればフリージア王たるアラシのみ。それを警戒したからこそ、この状況のお膳立てには手間をかけたのだ。

「もう一度聞く。敵の数は?」

「一人です。それもか細い体躯をした者のみです」

「ありえぬわっっっ」

 指揮官は苛立ちから吠える。

 そんな事が能う人間などそうそういるはずもない。仮にいたのだとしても、たった一人。単騎での中央突破など出来る訳もない。


「う、わっっっっ」

「バケモノめっっっ」


 先発隊の声は明確な恐怖が滲んでいる。

 誰かが、来る。一直線に向かって来る。


「愚か者めが、返り討ちよ」

 指揮官は己の顔よりも大きな刃を持つバトルアックスを肩に乗せ、馬を走らせる。

「一撃で叩き割ってくれる」

 頭上に掲げた得物を一気に振り下ろす。岩をも砕く一撃。たかが人間に何が出来よう。


「ゴッフ」


 気が付けば、視界が狂い、何故か空を見上げて、背中に強烈な衝撃が走る。

「な、に?」

 訳が分からないままに、起き上がろうとして気付く。足りないモノがある、と。

 今し方まで手にしていたモノがない。いや、手自体がない。

 傍に熱を感じて、視線を巡らせば。

「な、にっっっっっっ」

 松明のように光を放つのは、丸太のような己の手。燃えている。炎に包まれ、灼かれている。

「なにが──」

 副官に状況を確認しようとした時、ドサッと重いモノが近くに落ちる音がする。

「あ、……」

 それは副官らしきモノだった。腹をぶち抜かれ、炎に巻かれるモノだった。

「お前がボスか?」

「──!」

 声を発したのは、副官の報告通りに貧弱そうな体躯をした者だった。

 自分と比すれば頭四つ以上も背丈は低い。せいぜいオーガの幼体とどっこいだろうか。

 そんな者がたったの一人で、ここまで単騎で突破したなど、誰が信じられよう。

「人間風情がああ────」

 指揮官は怒りに任せて、拳を振りかざす。例え片手であろうがそれが何だ?

 こんな華奢な体躯の相手など指一本あれば殺せよう。拳よりも小さな頭を吹き飛ばしてくれようという意図を持った一撃。相手は躱す暇もないらしい。

(死ねっっっ)

 終わりだ、生意気な人間を殺す。手をなくしたのは腹立たしいが、王に仕える呪い師に治してもらえばいいだけだ。

 赤髪の人間は未だに反応もしない。死を眼前とし、動けなくなったとでも云うのか?

 そんな事を思いながら拳は迫り──吹き飛んだ。


「ビャッッ」


 何が起きたのかが分からなかった。

 にわかには信じられない。何故、宙を舞っているのかが分からない。

 ドサリ、と地面へ叩き付けられ、そして何かが迫るのが見えた。

 それは赤いモノだった。メラメラと燃え盛るモノだった。

 まるで炎、いや焔が人の姿を象ったとでも云うのか。

 振り下ろされる拳、焔の塊が眼前へと迫る段になって、指揮官は理解した。

(これはおよそ生き物じゃない、天災だ)

 瞬時に焔によりその身を灼き尽くされ、指揮官は消え失せる。


「ば、バケモノか」「あんなのに誰が勝てるんだよ?」「殺されるぞ」

 自分達よりも強いはずの指揮官を倒され、先発隊に動揺が生じる。

 さっきまでの強気は何処へやら、完全に及び腰となり、その場から逃げ出す者が出るのだが。


「お前ら、逃げようってのか?」


 だが、彼らの目の前に焔の化身はいた。

 魔法とかではなく、純然たる身体能力のみで回り込む。


「お前らも代償を払えよ」


 焔の化身、レンは酷薄な言葉と共にオーガ達へ襲いかかる。

 彼らは身を以て知った。自分達が何を敵に回したのかを。

 それは人であって、そうではない何か。

 全ての命を飲み込み、灼き尽くす焔そのものなのだと。

 場にいる全ての立っているモノを一切の容赦なく塵へと返すそれは、まさしく人知を超えた天災。



「むう、っ」

 オーガ王は目を剥いた。

 それはあまりにも凄絶な光景。

 先発隊がたったの一人相手に全滅した光景。

 焦げた臭いはそこで虐殺が起きた証左。

「お前がコイツらのボスか」

 焔を纏いしモノが迫る。

「おのれ、これが神子・・の力か」

 歯を噛み締め、己の認識不足を悔やむ。そう、彼は聞いていた。

 この戦いに於いて、障害となる存在を。

 一人はフリージア王アラシ。

 一人はフリージアのツンフトの長リーベ。

 そして場合によっては、それをも超える障害に成り得るのが焔の神子なのだと。

「甘く見ておったわ、すまぬ」

 むざむざと死なせた同胞、民へ詫びる姿はまさしく統治者であった。

 だが、そんなのはあくまでも向こう側の都合。オーガの王が悼むのは己が民のみ。敵にかける情けなど持ち合わせはしない。


「お前たちは許さない」


 レンにとって目の前の軍団は単なる侵略者でしかない。

 ただ屠るのみ。一切の躊躇なく、完全に確実に。


「やれやれ、ですからご注意あれ、と申し上げたはずですが」


 不意に、虚空から冷ややかな声がかけられた。

 何もないはずの空間から手が伸び、そしてローブに覆われた黒いモノが姿を見せる。


「魔術師か」

「ええ、オーガの王」

「ならば、神子は任せてよいか?」

「無論、最初から申し上げた通りに。神子は我ら・・が貰い受けます。あなた方は示し合わせた通りにおやりなさい」

 オーガ王の臣下がざわめく。いきなり姿を見せ、あの口の聞き方。

 本来ならば処刑されても文句は言えない。

 なのに、文句を言えない。肌で感じる。圧倒的な力の差を。

「神子には我らが盟主が当たります」

 魔術師は淡々とそう言った。



「っ────」

 レンはその場から飛び退く。何かが飛んで来るのが分かったからだ。

 直後に今までいた場所が爆ぜ、土煙が舞う。

 それを為したのは一本のランス。軽く数十キロはあろうかという超重武器。

「誰だアンタは?」

 煙を払い、相手へと問いかける。

 ドシン、ドシン、という重量感のある足音。

 オーガ程ではないが巨体が迫る。

 顔を含めた全身を黒い鎧に包み込んだ重騎士。

 手にはハルバートを握り締め、ただ歩むだけなのだが。

 オーガは我知らず、道を開け、恐れを抱く。

 本能的に理解してしまったのだ。相手がとてつもない猛者であると。自分達では到底及ばぬ存在なのだと。

「答えろッッッ」

 声を荒げ、レンは超速で相手へ接敵。拳を繰り出し──受け止められる。

「────!」

 そして軽々と投げられ、着地。地面を大きく抉りながら止まる。

「ふむ。確かに神子だな。だが、まだ──」

 そう言って重騎士はハルバートを一閃。

「────くっっ」

 ただの風圧。それだけでレンの身体はその場から大きく後ずさる。

「未熟だな」

 重騎士は一言で断じ、その場に腰を落として身構えた。

 ここにレンと重騎士、両者の激突が始まろうとしていた。



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