表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

どうしても生きなきゃ駄目ですか? 親展

サッカー部をやめた。正確には行かなくなっただけ。


それでも同い年のチームメイトは気さくに話しかけてくれた。それが少し嬉しかった。


そして部活をやめたという事は必然的に帰る時間も早くなる。


授業が終わり、大体四時前くらいには地元の駅に着いていた。


その日も普段通りに地元の駅に着き、自転車置き場まで歩いているときだった。


どこかで見た事のある姿。


「あれ?S?Sじゃね?」


そこにいたのは中学の時に同じクラスだったSだ。Sはサッカー部でも一緒で、中学の時は比較的に一緒に遊んでいたが、高校に入ってからは疎遠になっていた。


「あれ?おまえ部活は?」


痛い一言。しかし嘘を言う必要はない。


「停学喰らってやめた。」


「まじで?これからどうすんの?」


「家帰るだけ」


当たり前だが淡白な反応だった。


「暇ならお前の家行っていい?」


断る理由もない。何より家に帰っても何もすることもないよりはまだマシか。と思い快く承諾した。暇つぶし程度とはもちろんSも一緒なのかもしれないが。


Sも部活に入っておらず、僕と同じように帰宅部だった。


その日からSとは幾度となく帰り道で会い、お互いの家に行き来するようになった。


趣味も性格も、ここまでピッタリな友人は数少ない。


この他にも新たな出会い、発見が沢山あった。部活をしていれば話すこともなかったであろう同じ学校の帰宅部の奴とも友人となった。


冒頭にも書いたが僕がいた小学校は市内有数の大きな学校で、そこでサッカーをしていて運よく選抜等に選ばれていたこともあり、他の中学に進んだ奴とも交友を持ってる。それは高校に進んでも変わらず、クラスは違えど小学校から知ってる奴が部活の休みの日には帰り道に僕の家に遊びに来ていた。


僕の実家は中心部からそう離れてはおらず、駅から自宅が遠い友人達には絶好のたまり場だ。


実家は美容室を営んでいるが、高校生、しかも若い男の子ばかりが常にいるおかげ近所のおば様達に人気があったらしい。


たまり場となった僕の家のおかげというか、よく僕の家に来ていた奴らは僕を挟んだ共通の友人となり、今でも深い関係を築いている。


普通ならばあんな人数が一同に集まると中には不仲になる奴もいるかもしれないが、不思議と喧嘩もなく、むしろ皆が皆、お互いを認め合ってるような交友関係になっていた。


Sと駅前で会った日から、こんなにも交友の輪が広がるとは思ってもみなかった。


学校生活は相も変わらず苦痛だった。それでも下校すれば気の合う仲間が待ってる。そう思えばなんてことなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ