3話「クローバー」
彼女、いや黒豚が行ってから僕は……。
それは、彼女が行ってから十分ぐらい経ったころだった。
「見つけましたぜ兄貴。」
耳にネックレスをつけたブタが家の間からでてくる。
四つ葉のクローバーでも見つけたのかなと、眺めていると後ろにもう一匹ブタがいた。今度のは金持ちそうだ。
そういえば四つ葉のクローバーは結構高値で売れると昔ゲームをやっていた友達に聞いたことがある。
勉強になるなあと思っていると。
「おい、そこの若造。いや君。」
金持ちに声をかけられた。
「君、最近始めたばかりだな。」
「そうですが。」
「君にこのゲームのルールというのを教えてやろう。」
「えっ。」
「このゲームは、ほのぼの系のゲームだった。一ヶ月前までは。」
何故かやってきていきなり語りだす金持ち。
「魚を釣ったり、野菜を育てたり、店を作ったり。友達を作ったり。」
「今はブタばっかりだが他の動物もたくさんいた。君みたいなライオンとかな。」
……ライオン?
「そうなった訳を話すと長いから今はそういうゲームだと思ってもらったほうが早いな。それと、もう一つとっておきを教えてやろう。」
「なんですか。」
「このゲームにはイケニエという機能がある。簡単にいえば合成みたいなものだ。」
「例えとして君を私にイケニエとして捧げると君がいなくなる代わりに私に君の力が全部そのまま入る感じだ。」
「他にもあるから教えてもらうといい。でもここで君は終わるが。」
そう言うとネックレスのブタが僕を羽交い締めにし、金持ちは御札を取り出し僕に貼り付けようとした。
「ちょっと待って、stop,stop!!」
僕は抵抗しようとあがいた。
体の内側から熱いものが広がるような感じがした。
「やめよう。」
「そうっすね。」
すると急に金持ちとネックレスは帰っていった。
1/20月 改行を揃えました。