第7話―1 奈落に甦りし紅き魔導戦士:1
《『陛下! 陛下は一体なにを考えておられるのですか!』》
これはあのヤロウと騎士?
《『愚問! 前国王の直属、近衛魔導戦士隊の一人、ウィンドラ! 我が野望に牙を剥くか? ならば貴様にこれを刻んでやるわ!』》
この赤髪の騎士があの斧狼、いやウィンドラか。
666の刻印が両腕に浮かび上がった?
《『な、なにを陛下! ぐァァァァァァ腕がァァ! こ、これはアクスウルフの使役紋で、はない? へ、陛下は悪神に魂を売ったのがぁぁぁぁー!』》
《『コトバ、MPは回復しているだろ? だからさっさと起きな』》
ああ、そうだな……ワドラ。
《「……そうだ……、自分の名はウィンドラ……オルタシェイラの魔導戦士だった者、ラングウォルド殿――――」》
はっ?
なぜコイツが生きているんだ?
うん……これは夢だな。
《「やはり……、あれ? コトバ君、コトバ君」』
「コトバ君!」
またアリシェラの声で目覚めるとはな。
◇奈落流刑地 第三小屋内◇
「ア、アリシェラ……心配かけたな、もう大丈夫だ」
「まったくもう!」
アリシェラが怒っているな。
もしかしてアリシェラが小屋まで運んでくれたのか。
「あんな凄いワード魔法剣技は見たことが無いわ、でも奇跡が起きた!」
「奇跡? なにが起きたんだ?」
「あのアクスウルフの腕に刻まれていた奴隷刻印が消えた瞬間、オルタシェイラの紅狼の魔導戦士が甦ったのよ!」
紅狼の魔導戦士が甦った?
「ラングウォルド殿、この少年があの魔導剣の剣技で自分を解放してくれねば、今ごろ自分が其方達をこの手で斬っていたのだぞ」
コイツ、さっき夢で見た666の奴隷刻印を刻まれた赤髪の魔導戦士じゃないか。
「あ、あんたは死んだはずじゃ……」
「自分は死んではいない、君が自分をあの悪夢の様な呪縛から解放してくれたのだからな」
嘘だろ……。
「ウィンドラだったか? お前が生きているのか、確かめてもいいか?」
「ナナイロ殿が気が済むのであれば」
「分かった、ウィンドラをスキャン」
《『はいはいー! ステータスオープン! はいどうぞー!』》
「サンキュー、ワドラ」
はっ?
このステータス、本当に合っているのかよ。
【ウィンドラ・ブレーヴ・スウォード 28歳 男】
【LV.50 HP:1000/1000 MP:1000/1000 RP:1】
「どうだ、ナナイロ殿」
「生きてる……、でもRP:1はなんだ?」
デッドポイントはDPだった。
でもRP:1とは、一体なんのことだ?
《『コトバ、それはコトバとこの元不死身狼ちゃんのある共通点を示す表示なのかもねー!』》
俺とウィンドラの共通点は一つだけだ……。
「おや、ナナイロ殿。勇者能力管理術式が我が国の術式ではないな……、それは一体?」
「あー、話をすると長くなるんだが……」
俺はウィンドラに今までの経緯、ウィンドラを解放するまでの経緯までの話をした。
「――すまぬ、ナナイロ殿! 陛下め! 異国の者を勇者召喚をしておきながら、なんという非情な行いを! いや……自分も数えきれぬ数の命を、この手で斬り裂く非情な行いをしてしまった……自分を救ってくれたナナイロ殿もこの手で……」
ウィンドラ……、お前は斧狼の間の記憶を覚えていたのか。
「ふぅ……ウィンドラ、あのヤロウがお前にかけた奴隷刻印は消えた、これからお前はどうする?」
「ナナイロ殿、自分は……どうしたら、いいのだろうな?」
「スウォードさん、コトバ君は確かに貴方に殺された……でも甦った彼は貴方を救った、貴方がオルタシェイラの魔導戦士ならできることは一つしかないはずです」
「ラングウォルド殿、しばらく一人にさせてはくれないか? なに、変な気は起こさぬから心配するな」
「分かったわ。コトバ君、少し外に行きましょうか」
「ああ。分かった、アリシェラ」
俺とアリシェラは小屋の外へと出ることにした。
まさか、あの斧狼が生き返るなんて……ありえないだろ。
俺も人のことは言えないがな。
第7話―1 奈落に甦りし紅き魔導戦士:1 完。
第7話―2へつづく!
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