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スライムを狩る仕事です。  作者: 紅花翁草


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 クラン《銀鷹シルヴァーホーク》との取引は、今日までとなった。

 一枝さんがハイポーションを生成中に、ハンターギルドからのメッセージが届き、

 ハンターギルドが青のヒールポーションとマナポーションを1万円、

 青のハイヒールポーションとハイマナポーションを3万円で買い取る事が決まった。

 ホーリーポーションも僕の予想通りの10万円に決まり、ポーション争奪の面倒事がこれで終了した。

 

「本当に、今日の分うちが買い取っても良いのね」

「はい。騒動に巻き込まれずに済んだのは鷹森さんのおかげですので、そのお礼です」

「そういう事なら、有難く受け取るわ」


 銀鷹には1本2万5千円で売っていた為、ギルドよりも5千円安い事になるけど、今日も現金を持って来てくれたことと、今日までの感謝の気持ちで、添島さん達も、その点には納得している。


「それじゃあ、ホームページに載せているメンバー表から一枝さんを外しておくわね。

 うちの子達も、一枝さんが卸してくれたポーションに感謝してるの。

 本音で言えばこれからも卸して欲しいんだけどね。

 短い期間だったけど、一枝さん。クランを代表して伝えます。ありがとう」


「いえ、こちらこそ。お世話になりました」


 鷹森さんへと一枝さんが頭を下げる。


「それじゃ、また何か困った事があったら相談に乗るから。またね」


 僕達は、颯爽と生成室を出ていく鷹森さんと館川さんの背中を見送った。




 討伐受注受付の隣にある、討伐報告受付で、添島さんから『5の六』でウルフが一匹も見かけなかった事を伝える。


「ご報告、ありがとうございます。安全保安部へと通達後、現場の確認作業に入ると思います。

 皆様、お疲れさまでした」


 端末機のロック機能を解除して貰い、そのまま魔石の買取所へと移動してゴブリンなどの魔石を提出する。

 鑑定スキルを唯一持つ、男性限定称号『学者』の人が、流すように魔石を右から左へと転がしていく。

 その動きに、毎回、凄い手際の良さだと見入ってしまう。


「こちらが今回の魔石の買い取り金額です。お確かめください」



 今日はホブゴブリンが7匹。ゴブリンが32匹で、10万と千円。

 それを添島さん達5人で分配するので、一人当たり2万円ちょっと。

 実質、午前中2時間弱での稼ぎなので、時給1万円になる。

 一般的な社会人から見たら、「ふざけるな」って言いたくなるのがハンター稼業。

 だけどそこには、怪我、最悪死ぬ事になる代償を払っている危険手当と考えると――

 考えさせられる話になってくる。


 まあ……彼女達にはポーションの売り上げが加わり、今日だけで一人当たり22万円――

 僕に至っては150万円の収入。

 うん。さすがに、ふざけてる。



「明日からは、添島さん達も150万だから、一人当たり30万になるのか」

「え? 突然どうしたの?」


 直ぐ隣に居た一枝さんに、僕の独り言を聞かれていた。


「あっ、いえ。明日からは、ポーションの売り上げが300万になるなって思って、僕は変わらず魔石代だけになるので、皆さんの収入アップになるんだなぁ~って考えてた事が、言葉に出てしまっていました」

「そっ、そうだね……って? え? 多紀君はそれでいいの?」

「良いも悪いも、魔石を買い取って貰っている契約ですからね」

「そっか。うん。そうだったね。あっ! じゃあ、ベリー代は私達が出すよ」

「いえ、それは譲れません!」

「なんで!?」

「スライム狩りの護衛代だと思ってくれれば……」

「それはもう、討伐で出た魔石を譲ってくれている事で私達は納得しましたよ?」

「はい。それはそうなんですけど……独りで150万円貰っている事実に、本当に申し訳なくて――」


「はいそこ! そういう話をここでしないように!」


 僕と一枝さんの会話に、添島さんが待ったを掛ける。

 小声で話していたけど、買取所に並んでいる人達には聞こえていたようで、

 一様に、なにか凄いものを見たような顔をしていた。


「話は、この前のカラオケ店でしましょう」


 そういう事になった。


シャニア「魔素濃度4%上昇で安定。局地的な揺らぎの発生はあるけど、どれも許容数値以下。

     これ、巨神遺構が無かったら、もっと跳ね上がってたかも」

イレーザ「他の調律庭園の状況は、どうなっているのですか?」

シャニア「変化なし。やっぱり、ここが揺らぎの中心だってことね」

イレーザ「リネア様への報告はどうしますか?」

シャニア「もちろんするわよ。

     それで、重要地点の管理をやってるんだから、なんか特別報酬を貰う!」

イレーザ「……私から伝え「ダメに決まってるでしょ!」……そうですか」

シャニア「それと、この変化で何が起こるのか、起きないのか。

     それを確かめてからじゃないと、報告は出来ないのよ」

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